日々の泡。

popholic diary

2023年7月8日~14日の話。

2023/7/8

7時起床。BS「あまちゃん」観つつ朝食。で今日も朝から映画館へ、本日はTOHOシネマ二条まで。まずは山下敦弘監督「1秒先の彼」を観る。何をするにもワンテンポ早い郵便局員ハジメの失われた「1日」。そこには何をするにもワンテンポ遅いレイカがかかわっていた。台湾映画「1秒先の彼女」を男女逆転させてのリメイク。下は2年前に「1秒先の彼女」を観た時の感想。

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物語はほぼ基映画をなぞりつつ、舞台を京都に男女逆転でまた違った魅力がある。ワンテンポ早い宮藤官九郎の脚本と、ワンテンポ遅い山下監督の持ち味がうまく混ざっていた。岡田将生のどこか残念な感じと、清原果耶の浮世離れした佇まいが共に良い。あとハジメの母を演じた羽野晶紀が抜群に良かった。かって西のキョンキョンと呼ばれた関西小劇場のスーパーアイドル。のびのびと京都のおかんを演じてて嬉しくなった。

で地下鉄で御池まで移動してアップリンク京都へ。続いてはホン・サンス監督「小説家の映画」を観る。長らく執筆から遠ざかっている小説家ジュニ。旅先で出会ったのは同じく現場から遠ざかっている人気女優ギルス。映画制作を構想するジュニはギルスに一緒に映画を作ることを提案する。いや、もうホン・サンス。出会い、喋り、呑んでは、喋る。喋り続ける中で、ホン・サンスの映画論が見え隠れする。ド派手な対策とは真逆。かといって抽象的な芸術映画でもない。登場人物たちは、顔を合わせただただ喋る。気まずさや沈黙も丸ごとカメラは映す。何が起きるわけでもないのに、ずっと観ていられる。もはや行間すらもそぎ落とした唯一無二の映画。おもしろいのか、おもしろくないのか、なんだかわからないが、結局また新作が公開されたら観に行くだろう。

でそそくさと帰宅。駅前のスーパーで菓子パン買って昼食兼おやつ。食べながら日記など仕上げる。

2023/7/9

昨日は早く寝たので4時ぐらいに一度目が覚める。音楽を聴きながら2度寝して7時起床。朝はいつものごとく妻と買い物。

午後、妻は友達とランチとのことで一人ナポリタン作って昼食。

でラジオを一応聴いておく。松尾潔氏の日刊ゲンダイでの文章は、勝手な憶測での批判ではなかったし、感情的な糾弾でもなかった。これからのことを考えた上での意味のある「提言」になっていたと思う。ちゃんと山下達郎への敬意も感じられるし、被害者はもちろん業界まで全方向的に気を使い、しっかりと考え抜かれた丁寧な文章だった。

そしてラジオでの言葉…。本音を言えば少なからず失望した。その言葉の雑さ、冷淡さ。自分自身もまた切り捨てられたように感じた。彼が素晴らしいミュージシャンであることはわかっているし、もちろんこれからも彼の音楽を聴くだろう。だけどもう以前とは僕の中で響き方は変わるだろう。

NETFLIXでドキュメンタリー「我々の父親」を観る。精子提供により一人っ子として生まれたジャコバ。ある日、DNA検査の結果から自分の異母兄弟がいることを知る。本来精子ドナーは健康状態のチェックなどの上選ばれ、同じ人物の精子を使用するのは多くとも3回程度となっている。だが、同じDNAを持つ異母兄弟が7人もいることが判明。彼女たちがDNA検査結果を基に家系図を作っていくと恐ろしい事実が判明。不妊治療の第一人者と言われる医師が、患者の同意のないまま自分の精子を使って受精を繰り返していたのだ。そして生まれた子供の数は7人どころか10人、20人、最終的に90人以上にも及んでいたのだ。町の有力者で権威である白人医師。彼は白人至上主義の思想を持つ宗教にも所属。多くの子供たちは金髪に青い目で、彼と同じ免疫疾患を持って生まれていた。子供たちは生物学上の父である医師と対峙しその罪を認めさせようとするが…。いやはやひどすぎる話。医療行為によるレイプ。しかしこれを裁ける法がないという。人間という怪物のおぞましさを見せつけられた。

疲れがひどく溜まっているのか、9時過ぎにはぐったり。そのまま寝てしまう

2023/7/10

月曜。くーっ今日もハードな一日でしたな。

夜、水道橋博士さん復活のYouTubeを。町山さんとの対談で当選後から議員辞職に至る経緯が語られる。。無念さや申し訳なさ、様々な想いを言葉の間ににじませながら丁寧に、真摯に。博士さんの声、言葉を聞けることが嬉しい。


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博士さん、そして町山さんは僕にとっては「僕の好きな先生」だ。こうして日記を書いているのも博士さんからの直接的な影響である。97年から始まった博士の日記は初回から読んでいる。そこに記された言葉にどれだけ鼓舞され影響されてきたか。博士さんの勧める映画や本を追いかけ、ものの見方や姿勢に感化され続けた。98年には自分でHPを立ち上げ日記を書き始めた。サボってた時期もあるけど今も細々と書き続けている。

2017年に書いた「藝人春秋2」の書評を博士さんが見つけてくれた。20年近い時間がかかったが僕の文が博士さんに届いたのだ。それが自分にとってどれだけ嬉しいことだったか。そして2020年、エムカクさんの「明石家さんまヒストリー」の書評が再び博士さんに届く。全文引用という形で博士さんの書評の中に僕の書評が組み込まれた。文を書き続けて良かったと心から思った。

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そしてその1年後、2021年「藝人春秋Diary」の書評で3度目の文での交流。博士さんと「文」で繋がっている、それはとても誇らしく、今でも生きていく上での励みになっている。何ものでもない自分が何でもない日記を書き続けている。多くの人に読まれているわけでもないし、そもそも何のために書いてるのかもよくわからない。それでも真っ暗闇に向けてボールを投げ続けるように20年以上書き続けている。博士さんは今は日記を書いていないと語っていたが、いつかまた博士さんの文を読みたい。博士さんの文で、文を書きはじめ、博士さんと文で出会い、文で繋がった。自分は「SUIDOUBASHI KID」だ。博士さんの帰還に心からの祝福を。おかえり、僕の好きな先生!何度でも何度でも立ち上がる、それがビートたけしの魂を受け継ぐ水道橋博士なのだ。

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2023/7/11

朝から仕事で土山までロングドライブ。大渋滞に引っ掛かり商談にも遅れてしまい焦る。ま、何とか無事終わって遅めの昼食。とんかつとささみカツのセット。食べ盛りみたいな定食。多少の胃もたれもありつつ午後からの仕事の為に気合を入れる。

2023/7/12

夜、NHK+で「やさしい猫」観る。過酷で冷酷、卑劣な入管のふるまいが描かれる。でもこれはドラマだ。現実とは違う、現実はもっともっと残酷で非人道的なんだろう。現実のニュースがドラマを越えていく。そしてさらに法は改悪される。なんなんだ、この国は。どこまでもどこまでも落ちてく。

2023/7/13

暑さと雨で身体も心もイマイチ不調気味。そんな時にはK-POPに限る。いや、ほんと。自分がK-POPにはまったのは2009年頃からなのだが、その頃も実は絶不調だった。だが、K-POPを聴くことでなんつーか生きる張りが生まれたのだ。それから今まで一日も欠かすことなくYouTubeK-POP動画をチェックしている。

ということで久々に最近のお気に入りを紹介。

まずは事務所問題で裁判が続いていた「今月の少女/LOONA」。メンバーはいくつかの事務所に分かれたもののなんとか解決し、ついにその中のユニット「ODD EYE CIRCLE」が始動。キャッチーかつシャープな切れ味が最高。


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続いてはNMIXX。TWICEなどを擁するJYPの中でどうも立ち位置決まらずといった感があったNMIXXだったが今回の楽曲「Roller Coaster」が最高。ちょっと懐かしさも感じるような「渋谷系」感あふれるソウル風味の一曲。パフォーマンスも良き。


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でもはや何の説明もいらないであろうNewJeans。今やK-POPの顔であり、世界を席巻するスーパーグループ。「Ditto」「OMG」といった楽曲があまりにクオリティ高くインパクト強かったのでポップかつキャッチー路線の新曲「Super Shy」は賛否あるようだが、僕は相当好き。決まりまくるパフォーマンスも最高で元気になる。


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2023/7/14

やっと金曜。朝から営業回り、まるで古典落語のように営業トークを喋りまくって終了。映画のタイミングは合わず、すごすごと帰宅。

NHKでアナザーストーリーズ「YMO」観る。YMOには遅すぎてフリッパーズには早すぎた狭間の世代。だけど3人のうち、二人がもうこの世にいないんだなと思うと寂しいが、音楽は残る。下半身モヤモヤ、みぞうちワクワク、頭クラクラ。奇跡的な三人組だったんだなと改めて。