2024/4/6
8時起床。朝食は卵のホットサンド。平日はトーストだけだが、休日は卵をつける。ちょっとした贅沢ですよ。朝のうちに少し日記を書いて京都まで。角田さんの「蛤御門のヘン」をradikoで聴きながら京都駅から四条まで歩いて京都シネマへ。
まずはオ・セヨン監督「成功したオタク」を観る。ある男性K-POPスターの熱狂的ファンで、TV共演まで果たした「成功したオタク」だったオ・セヨン。だがある日突然、推しのK-POPスターが性加害で逮捕される。成功したオタクが犯罪者のファンになってしまうのだ。ただファンだっただけなのに、犯罪者を応援していた自分は何なのかと苦悩するオ・セヨン。そして自らカメラを抱え、同じように「犯罪者のファン」になってしまった同志たちに話を聞きに行く。推しが犯罪者になったことで、自分もまた加害の責任があるんじゃないかと悩む者、二度と人前に現れるなとかっての推しに怒りをぶつける者、もう誰かを推すことはできないと心を閉ざす者…監督もまた被害者と同じ女性として性加害で逮捕された推しを許せないでいる。だが、様々な推しグッズを捨てられずにいる。そこには確かに楽しく幸せだった時間の記憶が宿っているからだ。かっての自分、推しへの想い、今自分はどう考えているのかを監督との会話の中で言葉にしていく中でそれぞれが苦悩から解き放たれていくよう。監督のセヨンをはじめ出てくる「オタク」たちは皆、個性的でユーモラスで話している内容はシビアながら、そのやりとりはどこかユーモラスでほのぼのと楽しい。韓国と日本の違いなのか、皆、性加害に対して非常に厳しく、いくらかっての推しだといっても容赦なく断罪する。加害者に甘く、むしろ被害者を責めるような日本の雰囲気とは違ってそこはとても健全に思える。
radikoで「爆笑問題カーボーイ」聴きながら烏丸通を歩いて京都駅まで向かう。途中、少し遅い昼食はやっぱりなか卯で親子丼。安定過ぎて泣ける。で京都駅を通り過ぎてイオンのTジョイ京都へ。
本日2本目、ショーン・ダーキン監督「アイアンクロー」を観る。「鉄の爪」アイアンクローを必殺技にプロレス界でのし上がったフリッツ・フォン・エリック。彼はプロレスラー、プロモーターとして成功をおさめ、自分の4人の息子をレスラーとして育てる。映画は次男、ケビンの目を通してフォン・エリック家の運命を描く。絶対君主として一家を率いる父、フリッツ。幼い頃長男が亡くなり、次男ながら兄弟の長として弟たちを守ろうとするケビン。人一倍真面目で家族想い、だが父には頭が上がらずレスラーとしてもイマイチ華がない。そんなケビンに様々な試練が降り注ぐ。家族の中でも一番の長身で父からも期待をかけられる三男デビッドが日本での巡業中に急死。そこから一家の歯車が狂いだす。4男ケリーはデビッドに変わり念願のNWAチャンプになるも事故で足を失い、鎮痛剤とクスリを手放せなくなりやがては…。5男マイクも兄に倣いレスラーになるも試合中に肩を負傷し後遺症に悩まされた末に…その度に心を閉ざし、どんどん落ちてゆくケビンがもう不憫で不憫で…。父の強権の下で泣くことすら許されなかった男。自らを罰するようにトレーニングに励み、マッチョに体を鍛えあげながら心にはいくつもの深い傷がある。「フォン・エリック家の呪い」に囚われ彼はますます孤立を深めていく。「家族」が彼を縛り付け傷つけていく。だが、呪いを解き、彼を救ったのもまた「家族」だった。妻と二人の息子が彼を救う。子供たちの前で初めて涙を流せたとき、彼は男らしさの呪縛から解放されるのだ。いやーもう泣けた。ケビンを演じたザック・エフロンの名演がとにかく素晴らしい。歌って踊れるミュージカル俳優のイメージだったが、筋肉ムキムキの身体から醸し出されるレスラー独特の悲哀。見事なレスラー俳優ぶり。なんでオスカーにノミネートされなかったの?というぐらい。
フリッツ・フォン・エリックの息子たちが日本でデビューした80年代初頭は「プロレススーパースター列伝」を愛読し熱心にプロレスを観ていたので彼らのことは憶えている。フリッツ・フォン・エリックはリアルタイム世代じゃないが「プロレススーパースター列伝」で原田久仁信先生が描いたリンゴを握りつぶしてジュースにする姿が刷り込まれてるなー。息子たちは当時はアイドル的な人気で、印象としては線が細く強いレスラーという感じではなかったかな。デビッドの死は日本での急死ということもあり当時新聞でも報道され結構ショッキングなニュースだった。あと映画にも登場したNWAチャンピオンのハリー・レイスとかリック・フレアーが懐かしい。リック・フレアーは子供心にいけ好かないレスラーやなぁと思ってたな。のらりくらりとしてすぐリングアウトに持ち込んでちゃっかり防衛する卑怯者って感じで。映画はしっかりと人間ドラマなのでプロレス知らなくても全然OKだけど、知ってるとそれはそれで面白い。ま、とにかく大傑作であった。
2024/4/7
朝から妻と買い物。焼きそばの昼食。日曜の昼はうどん、焼きそば、パスタだねという感じでかわりばえしない。もう何100回と作ってるので手慣れたもんだ。基本休日のご飯はここ20年ぐらいほぼ作っているような気がする。
「マルコポロリ」観てから、妻と散歩がてら花見。天孫神社から長等公園、三井寺界隈と桜の名所を梯子。天気も良く桜も見ごろで人出も多い。妻とお喋りしながら2時間たっぷり歩いた。すっかり初老夫婦の休日だな。
夜NHKで坂本龍一のドキュメンタリー。静かで壮絶な記録。言葉がない。まさに全身音楽家、涙無しには見られなかった。自分はあんな風に死を迎え入れることができるだろうか。
2024/4/8
昼から雨。春先はどうも体調がすぐれない。
2024/4/9
朝、NHKBSで過去の朝ドラ再放送「オードリー」を見てる。リアルタイムでは観てなかったので新鮮だが、かなり変なドラマ。藤山直美の天才ぶりが際立っている。
2024/4/10
朝と昼の温度差が凄い。身体がついていかない。しかし平日はほぼ書くことがないな。というか仕事の話はさすがに書けないのでそうなると平日のプライベートってまぁほぼ何もしてないに等しい。7時過ぎに家に帰りつき、ご飯食べて風呂入ってぼんやりテレビでも見て9時。1時間ばかり部屋で音楽聴いたりYouTube観たり。最近は10時過ぎには布団に入って11時には就寝。眠りが浅くて夜中に2、3度目を覚まし睡眠時間のわりに疲れは取れずの繰り返し。しかし、何でもないようなことが幸せなのだ。たぶん。
2024/4/11
夜、水道橋博士と町山智浩の生配信。青柳拓監督も加わり、博士の選挙戦とその後を追ったドキュメンタリー映画について。当選した時点で一度完成したものの、その後博士は鬱病を発症。議員辞職となり休養の後、復活という現在までを追加撮影したのだという。町山さんから感想を問われ、涙をこらえ話すことができなくなる博士。公開はまだ先になるようだが、砂を掴んで立ち上がる博士の姿を見届けるしかない。倒れても倒れても、まだ始まっちゃいないさと立ち上がる。それこそが「たけしイズム」だろう。
2024/4/12
パク・ボラム死去の報。オーディション番組出身で2014年デビューのシンガー。近年ではOST歌手としても人気だった。今年デビュー10周年、まだ30歳。デビュー盤もすぐ買ったし、2017年のミニアルバム「ORANGE MOON」もよく聴いたな。死因などはまだわからないとのことだけど、K-POP好きになって10年以上になるが何人見送らなけりゃならないんだと切なくなる。
オーディション番組時代から30Kg減量しデビューという逸話を反映させたデビュー曲。溌溂としていて、人懐っこい魅力があってすぐに気に入った。
まさかこんなに早く…。自分より若い人の死はこたえる。