日々の泡。

popholic diary

2021年12月4日~10日の話。

2021/12/4

朝から妻と猫のクロを連れて病院へ。もう17歳の老猫。体調悪く点滴を打ってもらう。いったん帰宅し、散歩がてら商店街の散髪屋へ。待ち時間が1時間ほどだったので近くの図書館で雑誌などを読んで時間をつぶし、わずか10分ですっきり散髪。子供の頃に通った駅前の床屋は散髪の後にせんべいをくれた。あのせんべい、やけにおいしかったな。とふと思い出す。

帰宅し、チャーハン作って昼食。テレビつけると、口の悪い弁護士が相変わらず偉そうにテキトーな話をしてるので消す。

ユナイテッドシネマで映画を一本。バイロン・ハワード、ジャレド・ブッシュ監督「ミラベルと魔法だらけの家」を観る。魔法一家で一人だけ力を持たないミラベルが主人公。持たざる者を描きつつ、持たざるものなんていないのだと語る。それにしてもCGアニメーションの多彩な表現を観ているだけでも楽しいし、リン=マニュエル・ミランダによる音楽も素晴らしかった。吹き替えでは中尾ミエさんが良くって、ベテランの凄みを感じた。

夜は久々にスパイスカレーを作る。いつもながら何か足りない。これだ!というところに全く辿り着かないなー

2021/12/5

朝早く目が覚めたので、布団の中で昨日の「ズバリサタデー」を聴く。月一コメンテーターは水道橋博士さん。北野誠さんの口癖「せやねん」、球児師匠の「腰が痛ぇんだよ」ですべての会話が成立する話、笑った。

頼まれていた年賀状を届けに実家まで。今日は一人で「爆笑問題カーボーイ」聴きながら車を飛ばす。ファンヒーターが壊れたというので母と電気屋まで。日曜の朝、ショッピングモールの大型電気店はすでに人でいっぱい。手頃なファンヒーターと蛍光灯などを買う。叔父の家に寄って玄関の蛍光灯を変えたりと諸々お手伝い。実家で母手製のちらし寿司を。甘く煮た椎茸が子供の頃から大好物。錦糸卵と椎茸をいっぱい乗せて美味しく頂く。

帰宅し、YouTubeで「博士の異常な対談」を観る。町山智浩さんとの月一対談。僕にとっては先生とも呼ぶべき二人。学生時代、雑誌「宝島」の映画記事をむさぼるように読んだ。当時は知らなかったがそのほとんどは町山さんが担当したものだった。紹介されている映画を駅前のレンタルビデオ屋で借りては観た。ラジオでの映画評も「ストリーム」の「コラムの花道」時代から「たまむすび」での「アメリカ流れ者」と今に至るまで欠かさず聴いている。町山さんの映画評を通じて自分の世界は大きく広がったと思う。映画を観る楽しみを知ったし、映画を通じて世界を知り、人間を知った。町山さんの常に弱者の側に立つ姿勢にどれだけ影響されているか。もちろん博士さんも。そんな二人が政治の在り方について、サブカルという文化について、そして60歳からの生き方について語る。サブカルとは雑誌文化だったというのよくわかる。「宝島」「テッチー」「POP IND'S」「03」「ID-JAPAN」「スタジオボイス」「ブルータス」「ロッキンオン・ジャパン」「ミュージックマガジン」「TVブロス」「映画秘宝」etc.音楽誌、映画誌、カルチャー誌…80年代から90年代、僕の部屋は雑誌だらけだった。「TVブロス」が月刊になったときに定期購読を辞めそれ以来雑誌はたまに気になる特集があれば買うか、時折ネットカフェで「文春」をチェックする程度。サブカル雑誌の終着駅としての「文春」。言われてみれば。寂しくもあるが、その崩壊の原因はそれを伝えきれなかった自分たちでもある。


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しかしこの対談の中身の濃さよ。ぜひここから続く3本観てほしい。

2021/12/6

BSで中川家礼二友近の湯布院&別府贅沢列車旅を観る。昔、仕事で別府にはよく行ったなー。懐かしい。いつか落ち着いたら九州をゆっくりまわってみたい。九州地区の営業マンだったのはもう27年前の話。福岡、大分、長崎、佐賀、熊本、鹿児島、宮崎、地図を片手にレンタカーで随分回った。サラリーマンなり立てで仕事に必死で観光する余裕はなかったし、ネットもなく情報も乏しかったから食事もいつもチェーン店とかだったし。美味しいものを食べて温泉とか浸かってね。まーそんな日はしばらく来ないか。

三遊亭円丈師の訃報。小学生の時に「花王名人劇場」でみた創作落語「グリコ少年」は衝撃的だった。「おもしろいなー」と感激したことを今でも鮮明に覚えている。そして著作「御乱心」。ぐいぐいと惹きこまれる読書体験をした。読了した日の日記は↓

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2021/12/7

KIRINJIの新作。感触がカーネーションの新作にも似てる。ともに静かな熱量をはらんでいる。深い森の奥に引きずり込まれるような感覚。コロナ禍で生まれた音楽なんて簡単にまとめたくはないが、その中で熟成された音楽であることは間違いない。

2021/12/8

外回り営業のお供は中川家の「ザ・ラジオ・ショー」。なんてことない話が本当に楽しくて、聴きながら何度も声を出して笑ってしまう。ここんとこ毎週の楽しみ。兄・剛氏は僕と同い年。上にはまだ元気な師匠方が居て、下には勢いある若手がいっぱい。中間管理職的悲哀に共感&爆笑。

それから三遊亭白鳥さんゲスト回の「ラジオビバリー昼ズ」聴く。高田先生もまた偉大な先生だ。昭和~平成~令和に至る笑芸史をつぶさにそのギョロ目で見てきた凄み。三遊亭円丈師匠がいかに戦ってきたか、いかにその芸道を生きてきたかを語ってくれる。それをこうして聴かせてもらえるということがどれだけありがたいことか。白鳥さんの弟子ならではの愛情あふれる追悼。高田先生と笑いのめしながら円丈師匠を偲ぶ素晴らしい放送だった。

2021/12/9

家に帰ると娘がアマプラで「バチュラー」を熱心に見ている。いやー俺も、バチュラーになりたいよー。しかし思い返せば、もてない人生だった。童貞のまま死んでいくんじゃないかと思春期の頃は真剣に思ってたが、結婚も出来て子供もいるんだから、ま、十分か。しかしバチュラー、別世界というか別宇宙の話のようだ。ジャンルSFでしょという感じ。

2021/12/10

午後溜まっている代休をとる。行くところはやっぱり映画館。

アレックスシネマでエドガー・ライト監督「ラストナイト・イン・ソーホー」を観る。デザイナーを夢見るエロイーズは田舎町からロンドンのデザイン学校へ。60年代のロンドンが大好きな彼女だが、寮生活に馴染むことができずソーホーで一人暮らしを始めることに。そこで60年代ソーホーで歌手を目指すサンディの夢を見る。夢はやがて現実を侵食してくる。サンディは男に騙され、夢をはぎ取られやがて殺される。それを目撃したエロイーズは…ってな二つの時間軸が交じり合うサスペンスホラー。60年代ロンドンの音楽とファッションが物語に絡み、映画を分厚くする。夢を搾取される女性たち。今も続く問題を根底にシスターフッド的な要素もありつつ、サスペンスフルでショッキングな映画的見せ方も満載。見応えあったなー。エロイーズを演じるトーマシン・マッケンジー、サンディを演じるアニャ・テイラー=ジョイがともにすこぶる魅力的。アニャ・テイラー=ジョイのあの艶めかしさ、実に実に素晴らしかった。すっかり魅入られたなぁ。

歩いてユナイテッドシネマに移動。金曜の夜なんだからもう一本。和島香太郎監督「梅切らぬバカ」を観る。自閉症の息子とその母。二人の暮らしを中心に、隣に越してきた家族との関わり、グループホームや町内の人々との関わりが描かれる。すべての偏見が拭い去られるわけじゃないけど、それでも隣家との関係の変化に救われる。人をカテゴライズすることで、一人の人間として接するという当たり前のことが奪われてしまう。自分もそうならないようにしなければと思う。メッセージ性の強い、難しい映画ではないけど、母と息子のささやかで微笑ましい生活を観ながらそう感じた。加賀まりこ塚地武雅が素晴らしい。女優。加賀まりこをしっかり見てほしい映画でもあった。

帰宅し「最愛」。あと一話で収拾つくのか!?それにしても松下洸平君、いいねぇ。と今日も変な親父目線で。

今週聴いた音楽は

  • 「ELEVEN」IVE
  • 「Lady Soul」アレサ・フランクリン
  • 「crepuscular」KIRINJI
  • 「すばらしい世界~RELAX WORLD~」トベタ・バジュン
  • 「Dream」Choi Cello
  • SNS」Analgfish
  • 「虹の彼方」松江潤
  • うみねこゲイザー」無果汁団
  • 「Film noir ultime」浜崎容子
  • 「face」Flat Face
  • 「SYMPHONY」ブルー・ペパーズ