日々の泡。

popholic diary

2021年9月11日~17日の話。

2021/9/11

土曜休日。7時半起床。朝ドラ観ながらトーストとハムエッグの朝食。ゆっくり新聞を読んで、9時からはradikoで「ナイツのちゃきちゃき大放送」。

それからアマプラで映画を一本。キム・ジュホ監督「王と道化師たち」を観る。かって甥を殺して王位に就いた世祖。領議政のハンは噂を操る道化師たちを使って王のイメージアップを図ろうとするが…。時代劇コメディながら「フェイクとデマで国民を騙す為政者」というまさに現在的なテーマ。最初こそは金の為と偽りの噂を流す道化師たちが、真実を知り命がけでその真実を伝えようとする。政権に都合のいいデマを堂々と垂れ流す某国際弁護士におすすめの一本。恥を知れ!

午後からもう一本。大島新監督「園子温という生きもの」を観る。映画監督・園子温を追ったドキュメンタリー。根っからの表現者。ある種の破綻も表現が上回っていく。

で夕方から妻と一緒におでかけ。宮藤官九郎作・演出「愛が世界を救います(ただし屁が出ます)」を観る。2055年を舞台に未来を予言できるけどその度に屁が出る少年と、テレパシーが使えるけどその度に寄り目にしゃくれ、おまけに心の声はおっさんという少女のボーイ・ミーツ・ガールな物語。ってな感じもありつつ、ひたすらふざけ、でも心意気と志しのある芝居。赤いテレキャスをかき鳴らすのん(実在したんだ!という感動があったなー)、屁をこきまくる村上虹郎のフレッシュな二人に、藤井隆、伊勢志摩、三宅弘城荒川良々少路勇介といった芸達者で本物のふざけた大人たちが脇を固める。藤井&伊勢コンビには爆笑したなー。いや、ほんとに楽しかったー。くだらないの中に大切なことがある。

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2021/9/12

日曜。朝はいつものごとく妻と買い物。昼は野菜たっぷりのちゃんぽんを作って食べる。あと録画した番組を消化。「町山智浩アメリカを知るTV」「やすとものいたって真剣です」など。

あとはまだ読み切れていない「調子悪くてあたりまえ近田春夫自伝」を読む。若き窪田晴男率いる人種熱とのシーン、とがってんなー窪田さん。人種熱から派生するPINKや窪田さんのパール兄弟、そしてプレジデントBPMビブラストーンのあたりはちょうど高校生~大学生の頃でリアルタイムで熱狂して聴いていたのでいろいろと思い出がよみがえってくる。プレジデントBPMとタイニーパンクスが出たフジテレビ「LIVE JACK」録画したVHSまだあるはず。

2021/9/13

月曜。夜は引き続き過去のTweetをブログに移し日記を補完。

2014-01-01から1年間の記事一覧 - 日々の泡。

この頃にはすでに年間100本以上の映画を観るようになっていたので映画の話題多し。

2021/9/14

毎週録画している水道橋博士さんの「BOOKSTAND TV」をまとめ観。しかし博士さんの活動を追っていくと読みたい本が多くなりすぎて困る。ここ数年、深刻な収納問題があって、もはや本やCDが探せない&取り出せない状態になっている。人生残り長くて30年、元気でいられのはせいぜい15年ぐらいか。そう考えるとそろそろ片づけていかないとという気持ちもある。でもなぁ、まだ読みたいし観たいし聴きたいんだよなー。

2021/9/16

遅い夏休み。朝からMOVIX京都へ。トマス・ヴィンターベア監督「アナザーラウンド」を観る。「血中アルコール濃度を0.05%に保つと仕事もプライベートもうまくいく」そんな実験をする中年教師4人組。仕事もプライベートもイマイチぱっとしない男たちが酒の力を借りて人生を取り戻そうとするが、最初こそうまくいっていた実験もやがて破滅に転がっていく…。人生に疲れ、自分の殻に閉じこもってしまう中年男の悲哀が身に沁みる。そしてそこからのONCE AGAIN。映画では「酒」が一つのきっかけになるのだが、これは酒に限らず、何かに熱中したり夢中になることで再び人生が輝きだすということはある。その一方であまりに深入りしたり、狂信的になり過ぎるとそのことが人生をも蝕んでいく。ま、ほどほどにね。ってことなんだけど、破滅してしまう男にどこか惹かれてしまう自分もいる。俺にもまだONCE AGAINあるのかな?なんてちょっとセンチメンタルになっちゃった。

で徒歩移動で京都シネマへ。エメラルド・フェネル監督「プロミシング・ヤング・ウーマン」を観る。キャシーはコーヒーショップでバイトしつつ、夜な夜な酔いつぶれて(「酔いつぶれた」フリをして)お持ち帰りしようとする男たちを制裁している。かって将来有望と言われた彼女は親友が巻き込まれたある事件によって医大を中退している過去があるのだ。映画が進むにつれ、その「ある事件」について、そしてその事件がどのように扱われたのかが浮かび上がる。容赦のない彼女の復讐は、事件にかかわった人たち、当事者のみならず傍観者や事件を消し去ろうとした者たちにまで及び、その罪を告発していく。今もなお多くの女性たちを苦しめているであろう現実を、映画は告発し観る者たちに突きつける。「ある事件」に加担するのは決して極悪人だけじゃない。ごく普通の優しい男たちであり、女たちもまた場合によっては加担しているのだ。観終わった後、自分自身の過去の振る舞いなどに問題はなかったかと考えさせられる。

とてもメッセージ性の強い映画ではあるのだが、同時にこれが映画としてめっぽう面白い。主演のキャリー・マリガンもビシビシに気合入っていて、最後まで彼女の一挙手一投足に目が離せない。凄い映画だった。

映画の行き帰りにradikoで角田さんの「蛤御門のヘン」。NegiccoのKaedeさんゲスト。普通の音楽番組なら、まぁ通り一遍の質疑応答インタビューみたいになっちゃうのだが、そこは角田さん。Kaedeさんという人間に触れるようなインタビューで面白い。

2021/9/17

会社帰り、ネットカフェによって文春の小山田圭吾インタビューをチェック。ほぼ同年代、フリッパーズの登場は衝撃だったし、学生時代は熱狂して聴いていた。記号化された不良性を打ち出す「ロックバンド」に乗り切れなかった僕には、知能犯的な彼らはとても魅力的に見えたし、なによりその音楽が好きだった。解散後の例のインタビューは露悪的なカマシ程度に受け流していた。今となっては自分のその態度もまた90年代の空気に流され、被害者に思いを馳せるまでの想像力が欠如していたとしか言いようがない。「プロミシング・ヤング・ウーマン」を観た直後ということもあり、それをそのまま置いといたことも罪への加担だと感じる。

文春インタビューではその記事に至る経緯や後悔が語られる。併せて公表された謝罪・説明文も読んだが、とても真摯に感じたし、意識の変化は彼のその後の仕事からもよくわかる。罪と罰。贖罪と許し。自分の過去を振り返りつつ考えちゃうな。

 

で今週聴いた音楽

  • 「Love,Yerin」Baek Yerin
  • 「PAPERS BED」ARB
  • 「Observe」Baek A Yeon
  • 「HULA HOOP」LOONA
  • 「サイクルズ」Kaede
  • 「YOURS」FAIRCHILD
  • 「COFFEE BAR COWBOY」藤井隆
  • 「VERY YES」堂島孝平
  • 「嘘つきと音楽のはじまりに」加藤千晶とガッタントンリズム
  • 「SHOWER」武藤彩未