日々の泡。

popholic diary

2024年3月16日~22日の話。

2024/3/16

8時起床。朝から昨日観られなかった「不適切にもほどがある」観る。やっぱり面白い。キョンキョン最高。

日記を少し書いてから京都へ。JRも地下鉄も人が多い。時間を読み間違えてランチの時間をとれないまま京都シネマへ。イ・ソルヒ監督「ビニールハウス」を観る。少年院にいる息子の帰りを待つムンジョンはビニールハウスで暮らしている。引っ越し資金を稼ぐために盲目の老人テガンと認知症の妻ファオク夫妻の訪問介護をしている。貧困にあえぎながら懸命に働くムンジョンだったがある日ちょっとした事故でファオクを死なせてしまう。そして人生はさらに悪い方に転がっていく。近年まれにみるどんより映画で、最後の最後までもうこれでもかというぐらいに救いがない。社会の底辺でもがき苦しむ者に振りかかる不幸のつるべ落としに心もすっかりどんより。ムンジョンを演じるキム・ソヒョンの名演がさらにどんより度を増す。しかしこの容赦の無さはさすが韓国映画という感じで、徹底して描いてやるという強さを感じる。映画を観てスカッとしたい人にはお勧めしませんが、どんよりしたい人には自信をもってお勧めします!

15分のインターバルでもう一本。井上淳一監督「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」を観る。1980年代初頭、映画監督・若松孝二が名古屋に映画館を立ち上げる。「シネマスコーレ」と名付けられた映画館の支配人に抜擢されたのは、ビデオカメラのセールスマン、木全。そして映画館には映画を夢見る若者たちが集う。映画監督を夢見ながら「女」であることで一歩をなかなか踏み出せないで鬱屈していく金本法子、若松孝二に弟子入り志願し一歩を踏み出したものの、才能の無さを自覚させられ挫折を味わう井上淳一。映画に青春をジャックされたコインの裏と表のような二人。朴訥と凶暴でやさしい若松孝二監督、飄々としつつも熱い木全。悶々として過ごす夜、一歩を踏み出す衝動、熱く、切なく、かっこ悪い。立ち上がるために転ぶ彼らの過ごした日々がユーモアとともに描かれる。映画に青春をジャックされ、一歩を踏み出す若き青年は僕であり、あなたである。何かに胸を焦がし、でも一歩を踏み出す勇気を持てずに夜を過ごす。だがある日突然一歩を踏み出す瞬間がやってくる。ドラマチックじゃなくたって振りかえってみればそんなことがあったことに思い当たるだろう。かって若者だった人なら映画を通して誰もが「あの頃の自分」と出会うだろう。

止められるか、俺たちを」に続いて若松孝二を演じるのは井浦新(最高)、木全を演じるは東出昌大(これまた最高)、その嫁がコムアイで井上青年は杉田雷麟、バーのママ役でいい味出すのが田中麗奈と「福田村事件」俳優班がこぞって出演も楽しい。それにしても映画は故・若松孝二監督への心からの感謝状のよう。井上青年が見ていた背中。エンドクレジットの最後に「脚本・監督 井上淳一」と出た時、ふいに涙が出た。まさかそんなところで泣かされるとは。

昨日久しぶりの呑んだ前の会社の先輩たちと過ごした日々と「青春ジャック」を重ねながら京都駅までゆっくり歩いて帰る。僕にとっての一歩は今へと続くラジオ局への転職だったな。

2024/3/17

夜中、2度3度と目が覚める。眠りが浅いのが悩み。7時過ぎに目覚めるも、二度寝で9時起き。妻と草津近鉄まで買い物。なんというか意思疎通がうまくいかず、険悪な雰囲気に。向こうもそうだろうがこっちも気分悪い。ま、長く結婚しているとそんな日もある。

2024/3/18

NHK+で「漫勉」水木しげる回観る。元アシスタントの池上遼一森野達弥とともに浦沢直樹がその「絵」の凄さに迫る。その生き方や考え方を取り上げられることが多い水木しげるだが、漫画家としての技術の高さ、独自のタッチがどう生まれたのかを考察していく。緻密に描かれる背景、ベタの効果、線がもたらす躍動感や揺らぎ。妖怪という日本的なモチーフを描き続けながら、その絵にはアメコミの影響があったりと知れば知るほど面白い。見応えあり。

2024/3/19

用事で娘と出かけた帰りに近くの美味しいと評判のパン屋へ。もう4時過ぎだったのでパンは売り切れてたが美味しそうなチーズケーキが焼かれてたので買って帰る。まだ温かい焼き立てのチーズケーキを娘と食べる。至福の時だなー。

2024/3/20

休日。昼、京都駅近くの店でランチ。兄、母、妻と娘夫婦とともに。さらっと言うけど娘、結婚しました。ま、1年以上前から同棲していて先日入籍だけ済ませた状態。我が家からは徒歩2分の距離で暮らしててしょっちゅう来てるからあまり変わらないけど。ただ入籍した途端、娘にちょっと病気が見つかって入院、手術と先月は怒涛。治療はしばし続くがまずは一段落。今日は兄貴が娘の結婚祝い兼退院祝い兼母の喜寿のお祝いということで店を予約してくれた。皆で豪勢なカニ尽くしランチ。刺身、焼きに天ぷら、鍋からの雑炊とお腹いっぱい。

帰宅して家で娘夫妻とコーヒーなど飲みつつまったりと。娘が生まれた時、200%の愛情をもって育てようと思った。娘からは口うるさいなと思われてたかもしれないが自分としては精いっぱいやったし子育てに悔いはない。娘は大学も出て、ちゃんと仕事もして、今は夫と二人で生活してる。俺なんかよりずっと立派によくやってると思う。正直、娘が結婚するとどんな気持ちになるかなと思ってたが、さみしいは一切なくって、嬉しいしかない。心配事はもちろん尽きないが、とにかく誰よりも大切な娘が幸せになるのなら、そこには嬉しいしかないし、これからもその為ならなんだってする。

なんてことを想う今日この頃である。

2024/3/21

しかしXはいよいよ地獄の様相だな。差別や分断がここまで進んでるのかと嫌な気持ちになる。ニュースを観れば呑気な報道の裏で政治が腐り続けている。もはや悪臭が漂うレベルだが、それでも鼻をつまんで我慢するってんだから狂ってる。どこの独裁国家だよと思ってしまう。子供たちの未来が金に汚い小悪党どもに奪われてる。

2024/3/22

午後、時間休をとって病院。もはや最近こればっか。薬を処方してもらって帰宅。久しぶりに普通のカレーを食べたくなって作る。こくまろカレー、美味しい。

夜は「不適切にはほどがある」観る。確かにこりゃつっこまれるわなという雑な部分はあるのだけれど、ドラマとしては単純におもろい。残念なイケメン役がはまる中島歩がいい。映画ではすでに残念なイケメン枠の第一人者だが、ついにTVでも。なんせこの人、日藝の落研出身、高田文夫先生直系の後輩でビバリスト。クドカン脚本との相性いいに決まってるし、本人が嬉々として演じてるのがわかる。