日々の泡。

popholic diary

2018年10月のTweet

2018/10/5

ジョン・M・チュウ監督「クレイジー・リッチ!」を観た。庶民的だと思っていた彼は超お金持だった!シンガポールを舞台にしたロマンティックラブコメディ。出てくるのは全てアジア系俳優という異例のハリウッド映画。頑張るヒロイン、そして親子愛と王道ですっきり楽しい作品。出てくる料理が全部美味そう。シンガポールが持つゴージャスな異国感。観光ムービーとしてもまた楽し。そしてオープニングから音楽使いが最高だった!

2018/10/6

三宅唱監督「きみの鳥はうたえる」を観た。函館を舞台に、「僕」と静雄、そして佐知子が過ごした夏の物語。夜が白々と明けていく。けだるくやるせなく、どこか物悲しく。ページをめくる度に終わりが近づいていく。胸の奥のそのまた奥をチクリと刺すような、とてもいい映画だった。石の眼をした「僕」は夜に立ち止まっている。まるでページをめくることを放棄したかのように。明けない夜はない。というけれど、時には明けて欲しくない夜もある。柄本祐、染谷将太、そして石橋静河。3人それぞれが素晴らしい。真夜中のクラブで踊る石橋静河の動き、表情、そこに漂う空気。何十年、何百年経ってもこの映画を見た人全てを魅了するだろう。それぐらい素敵なシーンだった。

2018/10/7

「ザ・カセットテープミュージック」。RCの「トランジスタラジオ」からのスージーさん熱弁からのマキタさんの涙!いや、わかります。その気持ち!

アントワーン・フークア監督「イコライザー2」観た。19秒でこの世の悪を始末する必殺仕事人。人の為なら人をも殺す!帰ってきたロバート・マッコール!優しさと悲しみの果てに辿りつく男たちの挽歌。という訳でもちろん最強で最高でした。

2018/10/11

spotifyのプレミア登録して以来、毎日毎日新しい音楽を聴き続けてる。中2の春、1984年4月からレコードやCDを買い続けてきた。近年はもはや聴きたいCDが見つからない、CDの山に埋もれて取り出せないという状況に。新しい音楽は聴きたいけど収納問題が…を一気に解決してくれた。

2018/10/13

ナタウット・プーンピリヤ監督「バッド・ジーニアス 危険な天才たち」を観た。頭脳明晰な女子高生リン。親友グレースの為にカンニングの手助けをしたことから、やがて危険で壮大なカンニング計画を実行することに…。話題のタイ映画。スリルとサスペンス、それにほろ苦さがある青春映画だった。スタイリッシュな映像で登場人物たちの切実さや葛藤、社会の不条理をも描いてとても面白く観れた。主人公を演じる9頭身のクールビューティー、チュティモン・ジョンジャルーンスックジンが素晴らしい。ぜひこの名前だけでも覚えといて下さい。いや覚えられないよ!

三木聡監督「音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!」観た。久々に三木聡ワールドを堪能。小ネタ満載のロックコメディ。ふせえり松尾スズキが終始ふざけてて最高だったな。吉岡里帆ちゃんが驚いて必要以上に転げまわるシーンがかわいすぎた。

京都国際映画祭で韓国映画「Beautiful Food」を観た。主演はKARAのギュリ。舞台挨拶有りということでついふらふらと。最後尾の席で右側の席が空いていたのだが、映画が始まり暗くなったところでこそっと入ってきてそこに座った関係者らしき男性と女性。暗闇の中でちらっと見た女性の横顔はギュリ本人!

2018/10/18

「たまむすび」町山智浩さんのクイーン語り。町山さんの解説は常に弱者の視点が根底にあって、だから胸に刺さる。どれだけ寄り添えるか、そこに想像力を持っていけるか。そこがやはり重要だと思う。強者と弱者。勝者と敗者。上から見るか下から見るか。どうして町山さんの解説に心惹かれるのか、どうして現政権を好きになれないのか。昔の松本人志にあって、今の松本人志にないものは。「弱者の視点」自分にとってそれはとても大きい。

2018/10/20

NHKドラマ「フェイクニュース」。重層的で力のこもったドラマだった。後編も楽しみ。面白かった。

キム・ヨンワン監督「ファイティン!」観た。幼い頃アメリカに養子に出されたマーク。かってはアームレスリングチャンピオンを目指していたが今はクラブの用心棒として孤独な生活を送る。半ば騙され韓国に戻ったマーク、果たして夢を家族を取り戻せるのか?俺たちのマ・ドンソク主演!涙の上腕筋映画!「気は優しくて力持ち」腕回り50cmの不器用男。まさにマ・ドンソクによるマ・ドンソクの映画。しかしこれが社会から零れ落ちた弱者達のワンスアゲインな物語であり、「家族」とは?を問う心温まるヒューマンドラマでもあった。上腕筋ドアップの腕相撲シーンで大号泣!懸命に生きる弱者たちの想いがその上腕筋に宿る。不器用で無口な強面からのキュートな笑顔、太すぎる二の腕をネタにしたマ・ドンソクギャグが散りばめられ、さらに流暢な英語に張り手アクション。マ・ドンソクの魅力を120%活かしたマ・ドンソク映画の決定版!これ上映館どんどん増えていってほしい。王道の大号泣映画でもあるので、観れば絶対好きになるタイプの映画。マ・ドンソクは今後まじでハリウッドにも進出出来るんじゃないか。英語ペラペラだし。アベンジャーズに「マ・ドンソク」そのままでいてもおかしくない!

竹内義和先生をゲストに迎えた「蛤御門のヘン」。最強の二人による「パイ○○」話に心底感心。「パイ○○の名誉の為に言っておきますけど、パイ○○には何の罪もない!」。名言なり。

2018/10/26

アニーシュ・チャガンティ監督「search/サーチ」を観た。ある日突然消えた娘。父は娘を探すべく彼女の残したPCにログインし手掛かりを掴もうとするが…。全編PC画面の映像のみで展開するという斬新な手法。しかしそんな仕掛けすら忘れるほど物語がダイナミックに動き出す。めちゃくちゃ面白かった!!まずはその斬新過ぎる映像に驚かされるが、中盤からはもはやそれが気にならなくなる。本当に最初から最後までPCの画面から出ないのだが、物語は縦横無尽に動いていく。サスペンスとしての面白さもさることながら、「親と子」の絆その裏表が鍵になるとこにも唸る。凄い!娘を持つ父親としては、息が詰まりそうになりつつ最後は泣いた。PC画面の映像だけなんてとんだギミックだと最初は思ったが、最後にはこの手法こそが最もこの物語を語る上で適切であり、必要なものだったんだと感じた。大胆でダイナミックな映画表現。いやーホントに面白かった!

2018/10/27

ハリー・クレフェン監督「エンジェル、見えない恋人」を観た。盲目の少女と、文字通り"見えない"少年の物語。ポスターイメージと「とびきりピュアで切ない小さな恋の物語」というコピーでかわいいファンタジーかと思いきや、がっつりねっとりエロティシズム溢れる映画だった。完全主観、超接写でフェティッシュに描く美女と透明男子のラブシーンには焦った。まさに杉作J太郎さんもびっくりのエア○○○。しかしその艶めかしい胸の動きとか、CGなの?どんな撮影方法なの?と驚いた。いや、でもちゃんと美しい愛の寓話でした。

白石和彌監督「止められるか、俺たちを」を観た。若松孝二監督率いる若松プロ。助監督・吉積めぐみを中心にそこに集う若き映画人たちを描く。何者かになりたいと願い、何者にもなれないでいる自分。誰もがどこかで感じたことのある痛み。熱く、切ない映画。胸に刺さった。一癖も二癖もある濃厚な人たちの群れの中で、才能と熱量の足りなさを自分自身感じながら、焦り、もがき、苦しむ主人公。それはまたいつかの自分である。