日々の泡。

popholic diary

2021年4月11日~17日の話。

日曜。いい天気。朝から妻と買い物。見切り品コーナーでデザート系を物色するルーティーン。近くにスパイスカレーの店ができたらしいということで珍しく妻と外食ランチ。いつもはあまり通らない裏道を妻と散歩がてら。古民家をリノベーションしたかわいいお店。本格的なカレー、たっぷりの野菜やおかずと混ぜながら頂く。カレーはもともと好きなのだけれど、ここ数年はカレールゥが胃に重いというか、もたれちゃって。でルーを使わないスパイスカレーを作ってみたらすっきりと食べやすくてここんとこ挑戦している。でもやっぱりプロの味はいいね。とってもおいしかった。


f:id:popholic:20210418081402j:plain

帰ってアマプラでスティーヴン・マーチャント監督「ファイティング・ファミリー」を観る。実話に基づくプロレス一家の物語。自分だけじゃなく他の人にもそれぞれ人生があり想いがあることを知ることで、他者への敬意が生まれ自分を知り一歩先に進める。そんな成長譚。そりゃ胸を打つものがある。主演は今最もノッている女優、フローレンス・ピューでこれまた実に素晴らしかった。そして持つ者と持たざる者の物語でもあり、先日観た「BLUE/ブルー」ともどこか共通するものがあったな。

火曜。坂元裕二脚本、松たか子主演のドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」観る。さすがに面白いな。松たか子のなんというか品のいい図太さみたいなものがいい。そして伊藤沙莉の小気味いいナレーションがとにかく素晴らしい。このナレーション、一発で持っていかれた。伊藤沙莉のナレーションといい、第四の壁を踏み越えるタイトルコールとかとフィクションであることを強調する演出。坂元脚本ということでどうしても社会性みたいなものを求めがちだが、今回は軽妙洒脱なラブコメディってな感じなのかな。

朝ドラ「おちょやん」。板尾&ほっしゃんのコンビにまたまた泣かされる。この2人のサブストーリーがドラマのいいスパイスになっている。ほっしゃんは実にいい顔をしてる。

50歳になるおっさんが言うにはあまりに気持ち悪く、十二分にファニーだと思うが、赤裸々な日記なので記しておく。少女時代のテヨンの夢を見た。いや、いやらしいことなどはしていない。ただ夢の中ですらど緊張しながらテヨンにいかに自分があなたの大ファンなのかを語っているというそれだけなのだが。で朝からちょっと気分良く、久々にテヨンブームが到来。思えば10数年前、YouTubeでたまたま見つけた少女時代の動画、とんでもなく歌がうまくキュートな一人の子に魅入られた。それがテヨン。当時はまだ日本デビュー前で、ネット上にもまだまだ情報が少なく韓国のサイトを必死に追いかけた。毎晩「SNSD Taeyeon」でYouTube検索しては新しい動画を数時間眺めたもんだ。

2011年ジャパンツアー時に書いた感想ブログ。今読んでも相当気持ち悪いな。

popholic.hatenablog.com

 そんな訳でDVDなど見返したりしつつ、随分とファニーな50歳になってしまったもんだと思う。

土曜。朝から雨。商店街の床屋ですっきりと散髪。すっかり白髪が増え髪が伸びてくると初老感が凄いので短く。並びの「肉のげんさん」でげんさんコロッケを揚げてもらう。5個で194円、リーズナブルで大変美味しい。大好物で商店街に来るたびに買ってしまう。

でコロッケの昼食の後、今日はゆっくりアマプラで映画でも。まずは入江悠監督2010年作「SR サイタマノラッパー2 女子ラッパー☆傷だらけのライム」を。女たちのワンスアゲイン映画。山田真歩の熱いラップにグッときた。

続いてジョン・ランディス監督、エディ・マーフィー主演の88年作「星の王子ニューヨークへ行く」。33年ぶりの続編を観る前に。絶頂期のエディ・マーフィーのまさに絶好調な芸達者ぶり。良き80’sMOVIE。

夜。妻の誕生日ということで、仕事から帰ってきた娘と三人で近くのレストランで食事。普段一緒に暮らしているもなかなかゆっくり話する機会は少ないので、久々に家族でゆっくり話できてうれしいな。娘も社会人2年目。仕事の話などもしながら。料理もおいしく、なんというか家族を持って良かったなと思える時間を過ごす。

f:id:popholic:20210417195811j:plain

 RIO NEGRO(リオネグロ)(地図/大津市南部/洋食屋) - ぐるなび

2021年4月4日~9日の話。

日曜。妻と佐野元春40周年ライブ大阪城ホールへ。逡巡するところはあったが万全を期して参加。佐野さんを初めて聞いたのは1982~3年頃だろうか。小学6年の時、友達と佐野元春ってかっこいいなーなんて話を運動場でしていた瞬間の記憶がある。当時から深夜ラジオを聴いていたから「彼女はデリケート」とか「SOMEDAY」とか「スターダストキッズ」だとかよく流れていたし、「No Damage」のCMも印象深い。「グッドバイからはじめよう」が好きでエアチェックしたカセットを繰り返し聴いてた。でNYから帰ってきての「Visitors」。84年だから中2の時だ。「コンプリケイション・シェイクダウン」にはぶっとんだなー。以降は全てリアルタイムで聞きながら歳を重ねてきた。妻も佐野さんのファンだったから、結婚前からライブには一緒に通った。もはや銀婚式も過ぎた初老夫婦だけどこうして二人して佐野さんのライブを観られるとは幸せなことだ。ライブはお馴染みの曲から今を捉えた最新の曲までが最強のバンドとともに演奏される。佐野さんの絞り出すような歌声は傷だらけだけど、長い年月をロック&ロールしてきたものだけが持つ勲章だろう。

ということで今週はひたすら佐野さんの曲を聴いていた。音楽が背中を押してくれる。そんな力がある楽曲ばかりだ。

水道橋博士さん主宰のライブ「アサヤン 阿佐ヶ谷ヤング洋品店Vol.2」を配信で視聴。ダースレイダーさん&町山智浩さんの「ビートたけしの優しい夜」からの三又又三キンタマ・ソレイユ、そして泰葉さん登場。色々あった、いやあり過ぎた泰葉さん。人を惹きつけるその当意即妙な話っぷり。昭和の爆笑王のDNAをもっとも色濃く受け継いでいるのはこの人なのだということが明らかにわかる。ラストにうたわれた「マイウェイ」その歌声もさることながら、合間合間に挟まれるちょっとした言葉の間やセンス、スゲー!

ここんとこ身体が絶不調。金曜の午後、休みを取って病院のはしご。血圧に腰痛、内から外からさすがに経年劣化がひどい。しかし病院は時間がかかる。各2時間半の計5時間でぐったり。

土曜。𠮷田恵輔監督「BLUE/ブルー」を観た。誰よりもボクシングを愛しながら負け続る瓜田。日本チャンピオン目前でありながら脳へのダメージに苦しむ小川。最初は遊び半分ながらボクシングに魅入られていく楢崎。強い者が勝ち、弱いものが負ける勝負の世界。だが勝つものが強いのか、負けるものが弱いのか。ボクシングと生活が重なり溶け合うようなやるせなく果てしない物語。勝つ者、負ける者、すべてのそれでも生き続ける人にエールを送るような人間賛歌。優しさとほろ苦さが染み入る傑作であった。

瓜田を演じる松山ケンイチの佇まい、負け続ける男の背中に痺れた。小川を演じる東出昌大も素晴らしかった。勝ち続けなければならない男から滲み出る焦燥。キャリア最高の演技だと思った。ボクシングを通じて瓜田の想いを受け継いでいく楢崎を演じる柄本時生も良い。ユーモアの中にある悲哀、愛すべき男を体現していた。そのほか、ボクシングジムの会長、いきりの練習生などなど脇の登場人物たちの顔が実にいい。

しかし俺も負け続けてる人生だけど、それでもしぶとく日々を重ね生き続けている。鏡に映る顔は…あまりいい顔じゃねぇな。

 

 

2021年3月28日~4月3日の話

日曜。雨。いつものごとく妻と買い物。牛すじ肉を買ったので牛すじ煮を作るべく昼からずっと台所。丁寧に下ごしらえし、とろとろに。結局一日それで終わった。

年度末。期内に取らなければならない有給休暇を強引に。シャツとパンツを買いにユニクロへ。お昼はドライブスルーでビッグマック。自分にとっては小さな贅沢だ。パンクした自転車の修理に近くのホームセンターに。待ち時間に店内をうろうろ。庭の整備が長年の課題なのだが一向に手を付けられない。YouTubeで庭造り動画など見ているんだけど、とても出来そうにない。身体が動くうちにとは思うのだが。

いつものごとくタイムフリーで杉作さんの「ドッキリないと」を。今夜決定!ハングマンの回も最高にファニーだったなぁ。「悪い奴って最後絶対仲間割れする。罪を擦り付け合うんですよ。」って話しててまさに。ほれ、あの名古屋のリコール騒動なんて典型的でしょ。責任取るなんて口先ばっかりで仲間割れ、罪の擦り付け合い。俺からいわせりゃ、てめーら全員クソ中のクソだよ。ハングマンがいたら間違いなく「ギルティ!」だぜ。

4月。この季節は昔からあまり好きじゃない。学生の頃、クラス替えが嫌だった。人見知りで新しいクラスにいつも馴染めないでいたから。その時の憂鬱な気持ちがこの季節になると蘇ってくる。いや卒業して何年なんだよって話なんだが。就職してサラリーマンになった時も、ひどく憂鬱だった。希望に満ちていたなんてことはまるでなく、死刑台に運ばれる囚人の気持ちだった。そんなサラリーマン生活も実に28年目に突入。我ながらよくやってるよ。それなりにやってきた。いいことも確かにいっぱいあった。誇れるほどじゃないかもしれないけど、ま、ちょっとは褒めてやってもいいことも。でも、まだ喉が渇いている。頭にはカーネーションの「十字路」が流れる。「どんな意味が/あれば気がすむんだろ?」

土曜。朝から妻と実家へ。骨折して入院中の叔父はその後様々な検査の末、心臓手術をするに至った。病院に役所にといろんな手続きに奔走する母の手伝いと、息抜きの話し相手に。「俺の家の話」はまだ始まったばかりだな。

 

2021年3月21日~27日の話

日曜。いつものように朝から妻と買い物に行って、午後はアマプラで映画を一本。

ダリウス・マーダー監督「サウンド・オブ・メタル 聞こえるということ」を観た。ルーベンは恋人のルーとトレーラーハウスで各地を回りながらライブ活動を行うドラマー。日々爆音の中での生活の末、ルーベンは耳が聞こえなくなってしまう。その現実を受け入れることができず自暴自棄になるルーベンだがルーの勧めでろう者の支援サークルに参加することに。絶望の中、必死に足掻きもがくルーベン。支援サークルでの生活にも慣れ、耳が聞こえない日常に平穏さを感じながらも、かっての生活を取り戻すべく手術を受けるルーベン。だが失ったものは戻らない。ラストは青春の終わりを感じさせる切なくビターなものだったが、それですべて終わりではない。失ったものではなく、得たものを知ることでまた新しく生まれ変わることができる。そんな優しい光がちゃんとある。素晴らしい作品だった。

夜はドラマ「天国と地獄」最終回。考えたら綾瀬はるかの主演ドラマって初めてちゃんと観たかも。今更ですが素敵な女優さんだなー。

仕事の話は割愛。久々に痺れるトラブルもあったが、ま、命まで取られることはない。なんてことねーですよ。と自分に言い聞かせつつ。しかしまぁサラリーマン生活ももう27年。いっこうに偉くなることもなく…。

今週聴いてたのは、我らがIU先生。今や女優、シンガーとして韓国エンタメ界のど真ん中で大活躍するスーパースター。新作AL「LILAC」リリースで久々のIU祭り。

当ブログに初めてIUちゃんが登場したのは?と検索してみたら実に10年前。2010年12月11日のこと。

popholic.hatenablog.com

IUブレイクのきっかけになった名曲「Good Day」から早10年。一時は寝ても覚めてもIUというIU病みだった時期もある。自分の中では韓国3大ボーカリストの一人。(ちなみにあとの二人は少女時代のテヨンとApinkのウンジ。この評価は10年変わってない)。

表題曲「LILAC」とこちら「Coin」のMVも公開。キム・ユンソクの叔父貴も登場で盛り上がるなー。


[MV] IU(아이유)_Coin

今週聴いたラジオではやっぱり杉作さんの「ドッキリないと5」。タイムフリーで聞いた先週金曜の「今夜決定!おしん」には笑った。2021年にここまでの熱量で「おしん」を語っている番組あるか?杉作さん御得意の「高橋悦史」モノマネフルバージョンは電車の中で聞いてて笑いこらえるのが大変だった。マスクしててよかった。杉作さんが提唱する「ファニーカルチャー」。確かにこれはサブカルではない、「ファニーカルチャー」としか言いようがない。ただただ可笑しくて人を幸せにするファニーなカルチャー。神回と呼ぶにふさわしい痺れる放送だった。

で金曜。「俺の家の話」最終回。これまた痺れる作品だった。文字通り面白いドラマであり、今という時代や社会も感じさせつつ、やっぱり面白い物語として帰結する。そのうえで、長瀬智也という素晴らしい俳優、いや人間に対する心からの贐にも感じられて心震えた。

土曜日は映画。クロエ・ジャオ監督「ノマドランド」を観た。夫を亡くし、住居も失ったファーはキャンピングカーで「ノマド」として季節労働の現場を渡り歩く。その暮らしをアメリカの大自然とともに描く。懸命に働いて60を越えて、その末に漂流者としてバイト暮らし。このシビアな現実。自分ももう言ってる間に60だ。思い描いてた老後はとてもじゃないが送れそうもない。考えると怖くなってしまうが、現代のノマドとして定住地を持たず、自然の中で暮らすという在り方は理想にも見える。いや、もちろんそんな甘いものじゃないけれど。生きる場所を探すことはつまり死に場所を探すことなのか。自分はこの人生の中で何を得て、何を失ったのだろう。そしてこの先、どこに行くんだろうと映画を観ながらずっと心がざわついていた。

でもう一本。吉田大八監督「騙し絵の牙」。出版不況の中苦境に立たされている大手出版社「薫風社」を舞台に、次期社長の座と雑誌の生き残りをかけた仁義なき戦いを描く。いやーこれは痛快なエンタメ作だった。一時もだれることなく物語がどんどんツイストしていく気持ちよさ。飄々としつつスマートな大泉洋演じる編集長・速水と彼に振り回されつつ熱い思いを胸の奥にたぎらせる松岡茉優演じる新人編集者・高野のコンビが良い。ラストも含めて、意外に日本映画では感じるることが少ない爽快感があってとても楽しめた。

テンポ感とかウェットとドライのバランスがちょっと韓国映画っぽくもあるなーなんて。韓国リメイクして欲しいな。イメージキャストは…

大泉洋→イ・ソンギュン
松岡茉優→キム・テリ
佐藤浩市→リュ・スンリョン
國村隼チェ・ミンシク
木村佳乃キム・ヘス
佐野史郎→イ・ソンミン
中村倫也→イム・シワン
池田エライザ池田エライザ
宮沢氷魚→ミンホ

 

2021年3月14日~20日の話

チェ・ユンテ監督「野球少女」を観た。“天才野球少女”と呼ばれる高校生・スイン。プロを夢見るも“女子”だからという理由だけでプロテストも受けられないでいる…。派手な熱血青春ドラマかなという予想はいい意味で裏切られた。まさに今という時代にフィットした「わきまえない」女性の映画。プロ野球に挑む女性を主人公にしているが、これはあらゆる分野においてガラスの天井を突き破ろうとする者の苦悩と苦闘、そして強さを静かに描いている。「わきまえる」女であれという母親との確執。しかしこの母親もまた「わきまえる」ことを強いられてきた女性なのだ。主人公を演じるイ・ジュヨンの眼差しの雄弁さ。とてもフレッシュで背筋が伸びる映画であった。

「男だから」「女だから」を代表とする「○○だから」という決めつけ。自分自身にも確かにある固定観念を拭い去ることはとても難しい。でも今それをちゃんとやっておかなければならないと心底思う。世界を正しく見る為には絶対的に必要なことなんじゃないだろうか。

キム・グァンビン監督「クローゼット」を観た。事故で妻を亡くし、娘と共に郊外の新居に越してきたサンウォン。しかしある日、娘が忽然と消えた。必死で娘を探すサンウォンの前に謎の男ギョンフンが現れ…ハ・ジョンウとキム・ナムギル共演の御祈祷ホラー。演技派俳優の共演ながら絶妙なB級感が意外に楽しい。

日曜。朝から妻と実家へ。今週も母の運転手として病院回りや買い出しなど。昼は母お手製の太巻き寿司。本当に美味しい。祖母や叔父のことなどもろもろ今後のことを話しつつ。人生、年とってからの方が長いな。考えると怖くなってくるよ。

で仕事の話は割愛。

録画していた水道橋博士さんの「BOOKSTAND TV」江口寿史先生ゲスト回を。はじめて「すすめ!パイレーツ」を読んだ日のことは今もはっきり覚えている。ジャンプコミックスの6巻。小学4年生の冬休みだ。兄貴が買ったそのコミックスを読んで本当に転げまわって笑った。テンポのいいギャグにとびきりPOPな絵。ちょっと飛びぬけたセンスだなーなんて子供心に思った。それから40年。ずーーっとファンでいる。「遅筆」のあまり「藝人春秋2」単行本の発売日を遅らせたなんてエピソードにも悪びれることなく飄々と。それでもこの人に描いてもらいたいと思わせる「絵」の力。最高。

しかし水道橋博士さんの活動が活発なのでファンとしては追っかけるのが大変。でも一時の休業期間を思えば、これもまた嬉しい悲鳴。新たに立ち上げられたLIVE「阿佐ヶ谷ヤング洋品店」、略して「アサヤン」を配信で。オープニング「春のからっ風」のはまり具合!社長芸人にしてハカセードライバー、ジョニー小野さんの司会でスタート、そこに現れたるは元祖「アサヤン」ルー大柴パール兄弟「君にマニョマニョ」で踊るルーさん。そこからは博士さんによる「知ってるつもりルー大柴編」。世界放浪の旅話からギター弾き語りまでの大サービス。後半は松村邦洋さん登場。無軌道に突っ走る松村さんがおもろ。そしてスリリングな第2回、第3回に向けてのアポなし直電へ。ラストはグレート義太夫さんのギター、マキタスポーツさんのリードで「浅草キッド」ならぬ「阿佐ヶ谷キッド」の大合唱。博士さんの独唱部分は観てるこちらも熱く込み上げてくるものがあった。心身削って書き上げられた「藝人春秋2」単行本発売後、文字通り命を懸けた戦いとなった「HATASHIAI」。そして休養。長く辛い沈黙の果てに辿り着いたライブ。完全復活を告げるような熱唱。会場全体がそれを祝うような多幸感に満ちていく。そんなこんなであっという間の2時間。

GYAO小泉今日子さんの配信ライブ「唄うコイズミさん」を。キョンキョンは多彩な活動でもう存在そのものが強烈だったがゆえ、聖子や明菜のように「歌手」として語られることは比較的少ないが、新ためて素晴らしい「歌手」であると再認識。キョンキョンは82年からもうずっとずっと憧れのかっこよくてかわいいお姉さん。

しかし相変わらずひどいニュースばかりが噴き出てくる。もういい加減にしてくれと言いたくなる。

今週よく聴いていた音楽は台湾のシンガーソングライターPiA。彼女を知ったのは2013年。たまたま手にしたサンプル盤。韓国POPにはすでにどっぷりはまっていたが、未知だった台湾POPの世界。そのキュートでPOPな歌世界に衝撃を受け、自分の番組でONAIRしたり、来日ライブにも駆けつけた。観客わずか20人ぐらいだったけど。

2013年12月29日の僕のTweetから引用。

そして夜は大阪でライブ。梅田マンボカフェにて、前川サチ子、ルルルルズ、そして台湾からPiA楽団と柴群猫。凄くいいライブだったなー

でPiA楽団。ギター、ボーカルのPiAちゃんと、ウクレレ、コーラスその他のWingちゃんの二人。先日リリースされた日本デビュー盤が凄く良くってライブもとても楽しみにしてたが、期待を上回る素晴らしいライブだった。まずはPiAちゃんのギタープレイのかっこよさにびびった

PiA楽団ライブ。CDではゆったりまったりな印象だったが、ライブでのアコギストロークのビシビシくる感じ、伸びやかでまっすぐ届く歌の力。ライブ力が半端なくて惚れ惚れしながら観て聴いた。見た目はアイドルばりにキュートでありながらこの凄まじい演奏力&表現力。大ファンになっちゃったよ

日本と台湾。こうやって音楽を通じて交流することは本当に素晴らしい。音楽に国境はないよ。PiA楽団のライブ観てつくづく思ったなー。感動を共有する。この体験は、これからの世界の為に絶対必要だと思うな。

その後も追いかけ続けているが、配信されたばかりの新曲もすごく良い。

七點半的飛行機 - song by PiA | Spotify

 土曜。今日も仕事の娘を送り出し、ハムエッグとトーストの朝食。朝のうちに散歩がてら近所の映画館へ。

リー・アイザック・チョン監督「ミナリ」を観た。1980年代、アメリカに移住してきた韓国人家族。農業で成功したいと願う父親。荒れ果てた土地とトレーナーハウス。孫の面倒を見るために韓国からやってきた祖母。そんな家族の姿を通して「生きる」ということを描く。そう「生きる」ことを描いているから誰しもの心に刺さるのだ。

口が悪くて「おばあちゃんらしくない」おばあちゃんを演じるには韓国の名女優、ユン・ヨジョン。誰もが郷愁を覚えてしまう懐かしい「おばあちゃん」。孫のデビットとのシーンを観ていると、いやでも祖母のことを思い出してしまう。無謀な夢に挑む夫に振り回されるしっかりものの妻を演じるハン・イェリもまた素晴らしい。ただ振り回されるだけじゃなく、妻として、母として、一人の人間として誠実に生きようとする姿のしなやかな強さを持った美しさ。彼女の出演作はかなり観ているほうだが見るたびに別人に見える。決して目立つタイプじゃないけれど必ず印象を残す。そんな素晴らしい俳優。韓国映画ファンとしてもこの二人の素晴らしい俳優が世界に発見されたことを心から嬉しく思う。

午後は家でのんびり。「明石家電視台」の特番。しかしもはやさんまさんの番組を見ると、必ず頭に「エムカク」さんのことが浮かぶという。

でじっくり時間をかけてスパイスカレーに再挑戦。レシピ動画を日夜見てイメージトレーニングはできている。

がそれなりにはできている。悪くはないが、何かが足りない。何かが……。

f:id:popholic:20210320231916j:plain

 

2021年3月7日~13日の話

日曜。ハムエッグとレーズンパンのトースト、ヨーグルトの朝食。子供の頃、レーズン苦手だったけど、今はもう大好き。なんかリッチな気分になりますな。東ハトオールレーズン」なんて最高。ナイスコーヒーNo.1ですよ。

映画を一本。岨手由貴子監督「あのこは貴族」を観た。東京生まれ、東京育ちのお嬢様・華子。地方から出てきて名門大学に通うものの学費がままならず退学し、自力で生きる美紀。異なる“階層”に生きる二人の一瞬の邂逅。都会のデスロードからそれぞれが「自分の人生」を自分の足で歩きだす。これは静かなるマッドマックスだ。華子が育った厳格な上流階級と美紀が育った閉鎖的な田舎町は階層こそ違えど、そのシステム構造はまるで同じだ。一人の男性を間に二人は対峙することになるのだけど、台詞でもはっきりと言っているように二人が分断され攻撃しあうことはない。その必要はないのだ。二人が戦うべきは、二人を縛りつけるシステムなのだ。華子は、美紀と出会うことでそのことにはっきりと気づく。半ば諦めの中にいた美紀もまた覚醒していく。それぞれがそのシステムに疑問を投げかけ、自分の人生を生きようとするのだ。そしてそのことが共闘になる。彼女たちのそばにいて、まさに自分の足で立って自分の人生を生きるそれぞれの友人、逸子と里英がいい。心強い友人の存在が、二人に勇気を与え、背中を押すことになる。「あのこは貴族」という物語は多くの人々にとってそんな「心強い友人」のような存在になるだろう。細やかで丁寧、しなやかで強い大傑作であった。

華子と美紀を演じる門脇麦水原希子は一見、配役逆ちゃうなんて思ってしまったけど、これで大正解。逸子役の石橋静河、里英役の山下リオを合わせてこの4人が素晴らしくいい。石橋静河は以前から好きな俳優だが、今回もまた良かったなー。ますますファンになった。

で今週も営業回りに事務処理、取材に収録、原稿書きに提案・見積もりおまけに会議…とひたすらバタバタと過ごす。年度末、気ばかり焦る。

今週の朝ドラ「おちょやん」は板尾創路星田英利がメイン。二人ともすっかり大物性格俳優って感じで見応えあったなぁ。

水道橋博士さんの「藝人春秋3」文庫版発売。もちろん購入。町山さんの1万字解説はちゃんと読みたいので、ちょっと落ち着いてから読むことにしよう。

3.11。あれから10年。正直に思うところは、この10年でこの国は本当に酷い国になってしまった--ということだ。いくら悪いことをしても捕まることも無く、開き直る政治家。そのあきれるほどの劣化ぶり。歴史修正、改竄・隠蔽は横行し、デマ・陰謀論が飛び交い、暴力的なまでの差別やヘイトが溢れている。人々の悲しみの果てで、なぜこんな世界になってしまったのだろう。未だ家に帰れない人が沢山いるのに、復興ってなんなんだろう。国が壊されていくのをただ自分は見ていることしかできないのだろうか。なぜそれをくい止めることが出来ないでいるのだろう。罪悪感と無力感が募る。

 

2021年2月27日~3月6日の話

土曜。朝食は細かく切った魚肉ソーセージを混ぜたスクランブルエッグをトーストにのっけて。貧乏臭いが子供のころからよく作って食べてた。今も不意に食べたくなっちゃう。

角田さんの「蛤御門のヘン」竹内義和先生ゲスト回聴きながら京都まで。竹内先生の流れるような「青汁CM話」最高。で三条のMOVIXで映画を一本。

藤井道人監督「ヤクザと家族」を観る。綾野剛演じる一人の男が歩む人生を描く。1999年、血の気の多い不良少年が、親分に拾われヤクザの道へ。2005年、ヤクザ稼業も板に付き組織の中で重要な位置に付きつつある事件で懲役に。2019年、出所した彼が見た世界は以前とはまるで違っていた。ヤクザがヤクザとして生きられなくなった時代のヤクザ映画。老ヤクザが夜の海でせせこましく密漁をする姿のなんともいえない悲哀。やがて悲しきなんとやら。

観終わってラジオクラウド宇多丸さんの「ムービーウォッチメン」映画「あの頃。」評など聴きながら散歩。途中本屋に寄ったりしながら四条大宮まで。餃子の王将1号店で遅い昼食兼早い夕食。焼飯&餃子(ジャストサイズ)&鶏のから揚げ(ジャストサイズ)を。一人飯だとこのジャストサイズってのが嬉しい。色々食べたいが1人前だと多すぎるからね。

で今夜は有効期限3月末までの宿泊優待券使うべく一人四条大宮アークホテルで1泊。しかし京都の町中で朝ごはん付きで一泊4千円とは。ホテルではWOWOWが見られるのでちょうどやっていた、ねずみの三銃士2014年の公演「万獣こわい」を。生瀬・古田・池田の怪物3人を向こうに回して小池栄子夏帆が怪演。面白かった!

ホテルで朝ご飯をゆっくりと食べて、大宮駅前の果物屋で名物のフルーツサンドを購入し、久々に阪急電車に。子供の頃から出かける時はいつでも阪急。高校・大学への通学も働きだしてから会社に行くのもずっと阪急。結婚して阪急電車が走っていない滋賀に移り住んだのが25歳のときでそこから25年たった。もうあのえんじ色の車両見るだけで郷愁がこみ上げる。でそんな阪急に乗って約2ヶ月ぶりに実家へ。父の墓参りをして、昼は母の手料理を堪能。デザートにフルーツサンドをつまみつつ母のマシンガントークを浴びせられる。まぁ、一人暮らしで外に出歩くこともなかなかできない昨今、喋りたいことが相当溜まっていたのだろう。この程度の親孝行で申し訳ないのだけれど。

月曜。事務仕事に追われているうちにあっという間に夜。

火曜。今日も今日とてバタバタしてるうちにあっという間に夜。

水曜。今日もまたまたバタバタと。今日は大阪営業。遅い昼食は阪神パークで350円のラーメンを立ち食い。あっという間に10000歩。移動中は相変わらずラジオ。「ビバリー昼ズ」高田先生の絶好調ぶり、そして今もって衰えないアンテナのビンビン具合には感動する。テレビや演劇、本などなど今もなお様々なエンタメに触れ、日々アップデートを行っている。凄いとしか言いようがない。高田先生もそうだし、水道橋博士さん、ミュージシャンだと鈴木慶一さんや小西康陽さん、直枝政広さんなどなど僕が尊敬する方たちは皆、優れた表現者でもあるが、音楽や映画、様々なカルチャーを徹底して吸収している。いや、吸収しているというかもう当たり前に空気を吸うように、何の苦も無くそれをやり続けている。子供の頃からの当たり前の楽しみ、喜びとしてごくごく自然に様々なカルチャーに触れている。その姿がやっぱり信用できるんだよね。

木曜。朝から病院で検査の為に採血。いろいろメンテナンスが必要な年齢だ。で今日もまたいろいろ忙しくまたまた大阪で打ち合わせ。

金曜。朝から「おちょやん」に泣かされる。成田凌演じる一平の襲名披露口上シーン。星田“ほっしゃん”英利の表情が素晴らしい!名優の域。で「あさいち」近江アナ今日で最後。毎朝、朝ドラ観て、近江アナを一目見てから家を出るという生活を続けていたので寂しい限り。

で仕事の後、車走らせ伊賀上野まで。先週に続き、ビジネスホテル優待券を消化すべく一人旅。ホントは有給とっていく予定が外せない仕事が入ったため、仕事終わりに出発。ま、高速で1時間ほどだけど。夕食つきの宿泊プランで伊賀牛の陶板焼き御膳。食べ終わって部屋で「俺の家の話」観てたら母から電話。近くに住む叔父(母の兄)が風呂場で転んで救急車で運ばれたとのこと。

土曜。急遽予定変更。ホテルで朝食の後、高速飛ばして京都の実家まで。母と一緒にまずは風邪をこじらせ入院中の祖母の届け物で病院へ。コロナ禍で面会禁止の為、届け物だけ。続いて叔父(母の兄、80歳)の家で着替えや何やらをまとめて救急で運ばれた病院まで。大腿骨骨折でちょっと時間かかりそう。こちらも面会は禁止なので看護師さん通じて荷物の受け渡しなど。祖母(母の母、101歳)の面倒見るだけでも大変なところ、叔父((母の兄、独身80歳)まで入院ということで母(73歳)もバタバタ。母の息子(僕、50歳)は運転手ぐらいしかできなくて申し訳ないのだが、しばし週末ぐらいはお手伝いしないと。

一通り用事を済ませ、実家で母とケーキを食べて一休み。しかし父が亡くなって13年。近くに住む祖母と叔父の面倒を何かと見てきた母。100歳を越える祖母は認知症も進み昨年施設へ入ったものの、度々入院したりでその度母が動きまわっている。同居していた叔父は長く客商売をやっていたこともありいたって陽気な性格で、年の割に若々しく活動的だったがここ最近は膝を痛めて寝ていることが多くなった。そんな中での骨折でこの先ちょっといろいろ大変になるだろう。今はまだ母があれやこれや動いてくれているが、それでももう70を越えている。ここで母に倒れられたら…。兄貴は東京だし、すべては…俺の肩にどっと…くーっ、そんな「俺の家の話」。