日々の泡。

popholic diary

2017年9月のTweet

2017/9/2

今日は朝6時起きでイベント仕事。この夏だけでどんだけ休日出勤してるんだ。しかしそんなことよりどーしても観たい映画があって仕事終わりで京都まで出て一本。

ということでヨン・サンホ監督「新感染 ファイナルエクスプレス」観てきた!とてつもなく、超ド級に面白かった!もう最初のシーケンスでいきなり掴まれる。開始20分で通常映画のクライマックスレベルに突入、その後100分緩急つけながらクライマックスを超え、深い感動の領域に!凄過ぎた!大傑作。舞台はソウル発プサン行きの高速鉄道KTX。出発直前に乗り込んできた傷だらけの女。走りだす列車。その頃ソウルでは謎のウィルスに感染した人間達による大暴動が起きていた!高速で走る列車の中で恐ろしい事態が巻き起こる!!パニックレベルが凄過ぎてもう笑っちゃうレベル。「いや、もう無理っ!」という衝撃のつるべ打ち。ハラハラドキドキの詰め込まれ方が異常。しかし、そのパニックの中で感動の人間ドラマも同時進行。父と娘、妊婦と夫、学生達、老姉妹etc.極限の状況下で「人間」が浮かび上がる。高速で走る列車の中で進行するゾンビパニック。突拍子もないアイデアを極限まで練り上げ、ここまでの映像に仕上げ、ここまで胸に刺さる映画にしてしまう。アニメ出身の監督だけに画の見せ方が素晴らしく、1秒たりとも無駄がない。ちょっとどうかというぐらい褒めているが観ればわかる。ド級のエンタメパニック映画でありながら、まさに「社会と人」を描いている。恐怖に支配された人間の起こす行動、その醜悪さ。その中で何を守り、人としてどう生きるのかを問う。面白かった!と観終わった後、生き方について考えさせられる。コンユ演じる主人公は仕事一辺倒で利己的な男。だがパニックの中で娘の気持ちに触れ父親として成長していく。我らがマ・ドンソク兄貴が演じる屈強な男の強さと優しさ。名優キム・ウィソンは徹底して嫌な男を演じるが、この敵役すら最後にはその裏に隠された弱さが見え、憎み切れない。韓国で大ヒットした「釜山行き」が「新感染」なんていう酷い邦題にされた時はがっかりもしたが、広く一般の人にも見てもらいたいが為の邦題と今は納得。僕は俳優の声が聞きたい派なので字幕で観たが吹替えでの公開を拡げ、この作品を日本でもヒットさせたいという映画会社の想いが感じられる。とりあえず年間数本しか映画は観ないと言う人にも、心からお勧めしたい。きっと映画が好きになるし、映画は国境なんか軽々と越えてしまうということがわかってもらえるだろう。この作品が隣国へのヘイト本がベストセラーになってしまう世界への痛烈なカウンターになることを信じている。

2017/9/3

先日、原田知世さんの35周年アニバーサリーツアー@京都ロームシアターに行ってきた。35年来のファンだけど、今の彼女が最もチャーミングで素敵に思えるなんてファン冥利に尽きる。懐かしい曲の数々が歌われたけれど、スタンダードとして残る強さを持った楽曲ばかりで改めて楽曲大事と思ったな。MCで昔の自分を観るのは嫌な時期もあったけど、今は愛おしく感じるというようなことを話されていて、その感じがちょっとわかる。ちょうどその日番組で彼女の歌をオンエアしたんだが、中学生の頃ラジオで彼女の歌を聞いていた自分を思い出し、なんかちょっとグッときた。

2017/9/6

これは素晴らしい!楽しすぎる。

藤井隆 "light showers" CFまとめ - YouTube

2017/9/8

唐突だけど、V6の新作「The ONES」に収録されている20th Centuryの「会って話を」って曲がメロメロにメロウな名曲でここんとこずっと聴いてる。作詞・曲は堀込高樹、編曲・演奏はKIRINJI!

2017/9/10

録画したまま観てなかった映画を観ようとたまたま選んだ相米慎二監督の「風花」。観終わった後、昨日が相米監督の命日だったことを知る。

2017/9/13

カーネーションの新作「Suburban Baroque」をひたすら聴く。オープニングを飾る「Shooting Star」の軽やかさに心躍る。最新作が最高作を更新し続けるバンド。もはやなんだって歌になるし、どう転んでも名曲が生まれる状態。昨日より若く自由な音。最高っすよ。

週末に観た映画はJ.A.バヨナ監督「怪物はささやく」。病気を抱えた母と二人暮らしの少年コナー。何もかもがうまくいかないコナーの前にある日、怪物が現れる-。大人になるということは自分の中にある弱さや邪悪さと対峙すること。最強の敵は自分中にいることを知ることなのではないか。

そして「怪物はささやく」という副題をつけたくなるのが是枝裕和監督「三度目の殺人」。ある殺人犯を巡る物語。謎解きサスペンスではなく「人間」を問うドラマ。真実とは何か、人が人を裁くとは何か。役所広司演じる殺人犯に翻弄され飲み込まれた。

廣木隆一監督「彼女の人生は間違いじゃない」観た。311以後の福島に暮らす人々を描く群像劇。立ち直れないほどの傷を負い、とてつもない悲しみから抜け出せない人たち。カメラは彼、彼女らに寄り添い、不器用にもがきながら、光に向かってゆっくりと進んで行く姿を映す。タイトルに込められた想い。

めちゃくちゃいい曲じゃないですか、これ。

Kaede(Negicco)「あの娘が暮らす街(まであとどれくらい?)」(作詞・作曲 澤部 渡 編曲 スカート) - YouTube

2017/9/18

この3連休は台風対応や特番で結局3連勤。とりあえず年内はなかなかのハードデイが続く。空き時間見つけてDVDで相変わらず韓国映画。もはや唯一の息抜きだなー

パク・フンジョン監督「隻眼の虎」観た。チェ・ミンシクVS大虎!血みどろのジャングルブック!どんな作品やねんとお思いでしょうが、なぜか大虎に感情移入。最終的にはチェ・ミンシクと大虎の深い絆に涙。チェ・ミンシク兄貴だから成り立つ重厚かつ男気溢れる大ボラが最高。

続いてパク・フンシク監督「愛を歌う花」。ハン・ヒョジュとチョン・ウヒというお気に入り女優の共演。しかしハン・ヒョジュ演じる主人公のキャラクターがイマイチ魅力的ではなく残念。結果、チョン・ウヒが儲け役。うーん、なんか惜しい。

で意外な拾い物はパク・ヒョンジン監督「ハッピーログイン」。3組のカップルを描くロマンチックコメディ。こういう何気なくも心温まるラブコメもたまにはいいね。脚本が巧みで観ていて疲れない。冬ソナのチェ・ジウが見事なコメディエンヌぶりを発揮してて良かった。

2017/9/23

IUによる“ごっつええ感じ”なカバー。IU最高!

[MV] IU(아이유) _ 어젯밤 이야기 [Eojetbam Iyagi] : Last night story - YouTube

IUの歌声は沁みる。ホント大好き。最高。

[Special Clip] IU(아이유)_Sleepless rainy night(잠 못 드는 밤 비는 내리고) - YouTube

それにしても韓国インディーポップ界隈、素敵な音楽家がどんどん出てくるな。作詞作曲アレンジからアートワークまでこなすシンガー。こういう人がバンバンでてくる。

[M/V] FANXY (팬시) - HUG (안아줄게) - YouTube

この人もいい。曲が進むにつれセンスが静かに爆発していく感じ

[M/V] U Ji Woo (유지우) - The Love (더 love) - YouTube

この曲もポップで好きだな。

[M/V] LEES2UN (리썬) - CAKE - YouTube

カントリー風味のこのバンドもいい。拾得で聴きたい感じ。

[M/V] Kelsey (켈시) - Don’t Miss You No More - YouTube

このバンドもかっこいい。洒落たバンドサウンド

[M/V] UncleSoul (엉클소울) - Oh Girl - YouTube

4minuteのジユン。いい感じのスタジオライブ。ポミニ時代から好きだったので歌い続けてることが嬉しい。

전지윤(jeon jiyoon)_저기요(Hello)_라이브클립(Live Clip) - YouTube

この子もまた作詞曲アレンジ、プロデュース、MV制作までしてる。韓国インディー宝の山。

youtu.be

ということで2週間ぶりの休前日。ひたすら韓国音楽を漁る。寝る時間がもったいないけど、さすがにそろそろ寝る。明日は久々に映画館に行きたい!

2017/9/24

イ・ジュニク監督「空と風と星の詩人~尹東柱の生涯」を観た。韓国の国民的詩人、尹東柱。日本統治下の朝鮮で生まれ、戦中日本に留学。共謀罪の疑いで捕らえられ福岡刑務所で27歳の生涯をとじた詩人の生涯をモノクロの映像で描く。静かにしかし強く訴えてくるものがある。心が震えた。名前を奪われ、言葉を奪われ、文化を奪われた悲しみと痛み。最悪の時代に踏みにじられた言葉。しかしその言葉の美しさと強さは時代を超えて今を生きている。言葉を愛し、言葉を信じた詩人に想いを馳せる。今こそ観て欲しい素晴らしい作品だった。

2017/9/25

ホ・ジノ監督「ラスト・プリンセス-大韓帝国最後の皇女-」観た。日本統治下、大韓帝国皇帝の娘として生まれた徳恵翁主。13歳で日本に留学させられ祖国に帰る日を待つのだが-。時代に翻弄された悲劇のヒロインを虚実交えて描いた大河ロマン。ソン・イェジンの演技力と存在感が全てだった。

大根仁監督「奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール」観た。水原希子!とにかく水原希子のお尻だけで5億点。なんだが、男の成長譚であり、仕事論すら感じる映画だった。ラストの蕎麦屋のシーンでは妻夫木聡主演、山下敦弘監督「マイバックページ」を想起した。なりたかった自分となれなかった自分。そこに向き合う時の切なさ。それでも人生は続く。泣き笑いの人生観にグっときたな。しかしまぁ、とにかく水原希子のお尻ですよ。見所は。

学生の頃の自分は強いて言うなら奥田民生ならぬ「鈴木慶一になりたいボーイ」だった。一見穏やかで、中心になるタイプではないけど、その実先鋭的で誰からも一目置かれるような特異な存在に憧れた。結局は「なれなかった」訳だけど、いまだに強い憧れがある。

2017/9/28

映画館で観そびれていたジョニー・トー監督「ホワイト・バレット」観た。病院を舞台に刑事と強盗、女医三つ巴の神経戦が繰り広げられる。そして訪れる大銃撃戦がとにかく凄い。驚愕の映像で度肝抜かれた!

パク・チェヒョン監督「朝鮮美女三銃士」観た。ハ・ジウォン、カン・イェウォンにBEGのガインによるB級アクション活劇。それでもスケールやアクション、金かかってるな感が凄い。美人女優のイメージが強いカン・イェウォンのコメディエンヌぶりが楽しい。

ソン・ヘソン監督の2001年作「ラブレター~パイランより」観た。チェ・ミンシク兄貴の男泣き劇場。当時男優賞を総なめにしたのも当然。粗野で乱暴でうだつのあがらない三流極道。なんともいえない哀しみを背負った男。泣いたよ、ミンシク兄貴!

そんなミンシク兄貴が北の特殊部隊要員を演じる99年の世界的ヒット作「シュリ」を見直す。ハン・ソッキュソン・ガンホ、そしてチェ・ミンシク、若き日の名優たちの熱い演技は今観ても色あせない。

希望の党」のニュースには絶望しか感じない。本当に酷い国になってしまった。空はもう真っ暗じゃないか。