日々の泡。

popholic diary

2017年11月のTweet

2017/11/3

仕事終わりに映画を一本。ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督「ブレードランナー2049」観てきた。ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督、なんと美しい絵を描く作家なのか。とてつもなく美しく、とてつもなく深く、とてつもなく切ない物語で震えた。完璧。素晴らしいとしか言いようがない。3時間近い尺だけど始まったらすぐに物語に引き込まれ、そのまま最後まで一気に。深く深く世界の秘密に迫っていくような物語が極上の絵の中で語られる。凄過ぎてクラクラしたなぁ。

2017/11/5

朝から映画を一本。土屋敏男監督「We Love Television?」観た。時は2011年。かって視聴率100%男の異名をとった萩本欽一のもとを土屋敏男がカメラを持ってアポ無し訪問。そしてこう告げる「視聴率30%取る番組を作りませんか?」。そこから始まるドキュメンタリー。80年代、欽ちゃんが大人気だった頃。あれから30年。物語はまだ終わっていなかった。「欽ドン2017」欽ちゃんの記憶を持つ“K”ならぬ“T”がテレビの宮殿に潜む萩本欽一に会いにいく。奇跡を知る男、欽ちゃんが新たな奇跡を生み出せるのか。テレビの巨人にして狂人、萩本欽一がテレビを作っていく様が映し出される。それは緻密な構築というより偶然を呼び込む儀式であるよう。出会っていく人も本番直前のトラブルすらも欽ちゃんの狂気が呼び寄せたとしか思えない。面白かった!映画が終わった後も物語は続く。全く失われていない熱量。ラストに流れるこの曲が最高すぎて震えた。

youtu.be

2017/11/14

LOVELYZの新曲!正解っ!そうなんですよ、これですよ、これ。まさに100点満点のキューティーポップ。最高っ

러블리즈(Lovelyz) "종소리 (Twinkle)" Official MV - YouTube

2017/11/16

チョ・ウィソク監督「MASTER マスター」観た。韓国で実際に起きた巨額詐欺事件を元に描くクライムアクション。壮大なオープニングから見せ場たっぷりに騙し騙されからの大どんでん返しという韓国映画の絶好調ぶりを見せつける大エンタメ作。イ・ビョンホンが嬉々として演じる極悪詐欺師VS男も惚れるイケメン俳優カン・ドンウォン演じる犯罪捜査官。抜きつ抜かれつのデッドヒートの中、両者の間で立ちまわるのが癖のある男前キム・ウビン演じる天才ハッカー。3人の演技合戦も見もの。オム・ジウォン、チン・ギョン2人の女優がしっかり脇を支え、さらに我らがオ・ダルスも登場。韓国映画ファンにはたまらない座組み。

テレビで紹介していた白黒写真をカラーするAI技術。サイトで簡単にできるので家にあった古い写真をカラー化。僕が生まれるずっと前に亡くなった祖父の写真。大正8年と書いてある。

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2017/11/17

ホン・ジヨン監督「あなた、そこにいてくれますか」を観た。フランスのベストセラー小説を映画化。医師のスヒョンはある老人から過去に戻れる薬を受け取る。1985年にタイムスリップした彼は30年前の自分とともに亡くなった恋人を救おうとするが…てな藤子F不二雄チックな物語。あり得ない話だけに一歩間違えれば安っぽいメロドラマになるところが、そうならないのはキム・ユンソク兄貴とピョン・ヨハンの確かな演技あってこそ。30年の年月を感じさせつつ確かに同一人物に思える。1985年と2015年の2人の自分。ギリギリの選択をしながら過去を、未来を変えていく。甘くないビターな選択がやがて奇跡を生む。主人公スヒョンの親友役は韓国No1禿げ散らかし俳優キム・サンホ。サンホさんだぞっ!としっかりおいしいところをかっさらっていく。

キム・ジウン監督「密偵」を観た。1920年代、日本統治下の朝鮮が舞台。朝鮮人でありながら日本警察に所属するジョンチュルを主人公に、独立を目指す義烈団と日本警察との敵と味方が入り乱れるギリギリの攻防がド派手かつスリリングに描かれる。いやはや、面白過ぎた!凄い!そのスケール感、壮大な美術、激しくショッキングな銃撃戦、もちろん容赦ないバイオレンス描写も。ハリウッド進出も果たしているキム・ジウン監督の徹底したプロ仕事。とにかく映画としてのクオリティが半端ない。しかしそれ以上にソン・ガンホ兄貴の名演が胸を打ちまくる!日本と朝鮮の間で揺れ動き、翻弄される主人公ジョンチュル。張り裂かれるような想いの中で義烈団を追い詰める。そこにある強烈な悲しみを演じきるソン・ガンホ兄貴。男泣きに泣いたよ。反日映画?いや、これは反戦映画だ。民族を分断し尊厳を踏みにじる。そんな戦いの虚しさが描かれる。しかしながら、まぁ、とにかくスケールのでかい、大エンタメ作でもあるのだ。手に汗握るサスペンス、鮮烈かつ強烈なアクション、ソン・ガンホ兄貴はもとよりコン・ユ、オム・テグ、ハン・ジミン鶴見辰吾、そしてイ・ビョンホンの壮絶な演技合戦。見所しかない!

しかし絶賛12連勤中。そして明日も仕事だという…。見逃してる映画がまだまだあるんだよなー

2017/11/19

13連勤を終え休日。昨日の夜は録画してたドキュメンタリーやらバラエティをチェックしてレイトショーで映画を1本。今日は昼から大阪にでてコラアゲンはいごうまんさんのライブ、夜はカーネーションのライブ。行き帰りはポッドキャストに新譜諸々。で明日はまた月曜日かよ。映画やライブの感想は後日。今からしばしK-POPタイム。レッベル、ラブリズがカムバしてチェックが忙しいんだよ!

2017/11/20

昨日は梅田シャングリラでカーネーションのライブ。「Suburban Baroque」にあった軽やかさや日常との地続き感。ライブもまさにそれを感じるものだった。日常のちょっとした喜びの集大成。今を生きる、今を生きている“ライブ”。熱狂がちゃんと生活の糧になっていくような。ま、一言でいえば「最高」。MVPは間違いなく浦朋恵さん。彼女が参加した数曲のとてつもないグルーヴとそこから生まれる多幸感。なんだかちょっと涙が出た。今この場所で、この瞬間、この音を浴びて、生きてる!っつーようなことを全身で実感できた。

2017/11/21

ポール・ヴァーホーヴェン監督「ELLE」を観た。映画はいきなりレイプシーンから始まる。襲われたのはゲーム会社の社長ミシェル。彼女はその強靭すぎる精神力と行動力で自ら犯人探しに乗り出す。狂気が炙り出されていくような展開。もはや正解はなく人間という底知れない存在が剥き出しになっていく。一体俺は何を観ているのだ!という感じで理解のスピードを超えていく。道徳や倫理、正論などを凌駕し、奥深く不可解な人間のドラマ。とにかく歪で変な映画。でもめちゃめちゃ面白い!

日曜日、十三シアターセブンにてコラアゲンはいごうまんさんのライブを観た。自らが体験し語るドキュメンタリー芸。まさに人生そのものが芸、これぞ芸人である。ノンケの芸人がゲイバーの“てっぺん”に潜入取材した壮絶かつ爆笑、それでいて人間の深みを感じる物語はもはや感動的ですらあった。危険でギリギリの潜入ルポ。でもそれだけで面白くなるわけではない。その語りの中にはしっかりとしたコラアゲンさん自身の芸がある。語り口や表情、身ぶり手ぶりに至るまでその表現力がやはりお見事な芸なのだ。素晴らしかった。

2017/11/25

朝から大阪韓国映画祭へ。日本初上映となるマ・デユン監督「家族って?」観る。父の借金が元で疎遠になった3人兄姉妹。父の突然の死で顔を合わすことになるのだが、そこに3人が知らない10歳になる弟が現れて…ってな話。バラバラだった兄姉妹がいがみ合いながらやがてという王道ドラマ。ふがいない兄貴、しっかり者の長女、フリーターの二女。それぞれに切羽詰まった状況の中、徐々に絆を取り戻すってまぁベタ中のベタなのだけど、変にべたついた感動話にせずユーモアとエンタメ性たっぷりで、かつ泣かすとこは大泣きさせてくれる気持ちの良い作品だった。長男を演じるのは韓国の光石研といいたくなるぐらい映画に出まくっているチョン・マンシク。さすがの名バイプレイヤーぶり。主役である長女役はイ・ヨウォンさんはきちっとした演技で物語に芯を与える。次女役のイ・ソムさんはお気に入りの女優さん。実にチャーミングでいい。

大阪韓国映画祭、2本目はこれも日本初上映キム・ジョングァン監督「ザ・テーブル」。あるカフェのテーブル。4組の客がそこで交わす会話。物語はただその会話だけを映しとる。小説家でもあるキム・ジョングァン監督。まさに行間を感じさせる静かな映画だった。激しいアクションもドラマティックな展開もなく、淡々とした会話とちょっとした視線や表情だけで登場人物たちの心の動きを繊細に捉える。ちょっと拍子抜けしてしまうような静けさだが、観終わった後の余韻が心地よい繊細な作品。4つの物語、それぞれの主人公はチョン・ユミ、チョン・ウンチェ、ハン・イェリ、イム・スジョンともろに俺好みの女優さんばかりで韓国で上映された時から観たかったんだよね。今作では特にチョン・ウンチェが素晴らしく、その繊細な表現力に惹かれた。

映画館移動してもう一本。小林勇貴監督「全員死刑」観た。強盗殺人事件の被告である家族4人全員に死刑判決が下るという実際の事件を基に描く凶悪エンタメ作。悪趣味というかもはや極悪趣味。ゾッとする事件の顛末がとてつもないテンションと振り切れ方でもはや笑うしかない状態に。凄かった。とにかく絶対に実生活では関わり合いたくないタイプの一家による極悪過ぎて間抜けに転じる殺人の顛末がテンポよく、かつあの手この手の見せ方で描かれる。内容もさることながらなんというか超極悪な大林宣彦的な映像表現も強烈。なんだか一気に頭の中をかき回されたよう。

2017/11/26

大阪韓国映画祭で韓国の国民的名優アン・ソンギさん主演作「祝祭」「ラジオスター」観てからのトークショー。今日は一日アン・ソンギ三昧!

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映画「ラジオスター」上映の時、突然アン・ソンギ先生登場!自分の主演作の中でも特にお気に入りだというこの作品。一緒に観ましょうと客席に座られる先生!かっこいい!アン・ソンギ先生と一緒に映画を観た!なんて一生自慢できる。