日々の泡。

popholic diary

「孤狼の血」

白石和彌監督「孤狼の血」を観た。

古い東映の三角マークから映画は始まる。昭和の終わり、広島を舞台にしたヤクザと警察の物語。いきなりのハードなリンチ描写。暴力で画く男たちの抗争。

普段、韓国ノワールものなどでハードな暴力描写は見慣れているが、日本映画でここまでやってるのは珍しい。

それにしても役者達がもう嬉々として演じているのがわかる。絶対、楽しいだろ、これ。泣き、叫び、怒鳴り、殴り殴られ、殺し殺され、役者なら一度は演じてみたいだろうな。

チェ・ミンシクみたいな役所広司はまぁこれぐらい余裕という感じ。実質の主役、松坂桃李は着実にキャリアを積んでるな。この人には好感しかない。今作でも怪物・役所広司に喰らいつく演技で良かった。朝ドラ「笑てんか」のことは忘れてあげてもいい。

石橋蓮司さんは相変わらずの怪演。自分が石橋蓮司さんを認識したのは40年近く前、「探偵物語」次週予告で松田優作にいじられてた頃。その時点で、すでにひと癖ある個性派俳優だったが、いまもってこの怪演ぶり。便器に放り込まれた生首状態の石橋蓮司!最高!

あと印象に残ったのは中村倫也。朝ドラとは真反対の役どころ。出る作品ごとに顔が違うカメレオン俳優。次の高橋一生というか、これから一気にメジャーな存在になっていくんだろうな。

それと清純派のイメージがある阿部純子も良かった。しっかりインプットされた。