日々の泡。

popholic diary

2023年12月16日~22日の話。

2023/12/16

朝から義母宅の猫チビ太が便秘で弱っているというので動物病院へ。でっぷりと太って、チビ太の名にふさわしくないデカ猫なのだが、なんとも愛嬌のある猫でご近所の人気者でもある。しっかり浣腸してもらい義母宅へ。どっさり出たーっと通販のようにはいかないがちょろちょろと小出しするチビ太であった。

そのまま義母宅で食事して、妻と買い物。あっという間に半日が過ぎる。明日もまた休日出勤で仕事なのでせめて一本映画をと夕方、ユナイテッドシネマまで。八鍬新之助監督「窓ぎわのトットちゃん」を観る。正直、予告編観た時はまぁ観ないでいいかと思ってたのだがネットでの評判に興味を持って観に行くことに。結論から言って大傑作だった!原作は81年に出版された黒柳徹子が自身の幼少期を描いた大ベストセラー。当時、母が買って家にあったので子供の頃読んでるのだがもうほぼ忘れている。落ち着きがなく小学校を退学させられたトットちゃんが新しく通うことになった「トモエ学園」。電車が教室のちょっと変わったこの学校でトットちゃんが過ごした日々が描かれる。生徒の個性と自主性を尊重するトモエ学園の小林校長先生。強い信念のもとに運営される学園だが、時代は第二次世界大戦の最中。まだ幼いトットちゃんたちの学園生活の中にもやがて戦争の影が入り込んでくる。その描写が実に細やかで素晴らしい。あくまで背景としてそれはあるのだが、大人たちの世界にあったそれは徐々に徐々に子供たちの世界にまで広がってくる。ラスト近く映画のクライマックスとなるトットちゃんの疾走シーン。その背景にはもはや戻ることのできないまでに戦争に覆われた世界が広がる。僕らの世代にとって黒柳徹子さんはずっとテレビの世界にいる人だ。小学生の頃から「ザ・ベストテン」を観てた。早口でお喋りでひたすら明るくパワフルなおばさん。でも思い返してみれば、番組の中で黒柳さんは戦争や差別をすることの愚かさ、弱者に寄り添うことの大切さを常に伝えていた。映画は彼女の信念の核、その原点を丁寧に描いている。小児麻痺を患った泰明ちゃんとの出会い、彼から託された一冊の本、そして何よりトモエ学園で培われた自由な魂を彼女は忘れることなく今もなお大切にしていることがわかる。そしてそれをテレビを通して日本中に伝えていたのだ。で予告編を観た時ちょっと戸惑ったのはその絵。はっきり言って今どきのアニメ絵でもないし、なんとも言えない違和感があったのだが映画を見終えた今となってはあの絵がとにかく素晴らしい。うっすらと赤い頬に唇、昭和初期の少女雑誌のようなキャラクター達の絵柄。そして背景は誰もがトットちゃんからイメージするいわさきちひろさんの絵の世界を再現するかのような淡い水彩画のようなタッチ。映画の中に3ヶ所、まさにアニメーションでしか表現しえない幻想的でイマジネーションに満ちたシーンがある。トットちゃんたちの心に広がる美しく豊かな世界。実に素晴らしく感動した。

原作が発表されて40年以上、あまたあった映像化のオファーを断り続けた黒柳徹子さんが今、この作品の映像化にGOを出したのには意味がある。世界ではリアルタイムで戦争が起き、虐殺が起きている。今こそ世界が大切にしなければならないのは、トットちゃんがトモエ学園で培った自由な魂だと思う。勇ましく戦争を語り、差別を煽り、分断を生み出す、そんな大人たちや政治家のいかに多いことか。戦争や差別の愚かさを、弱者に寄り添う大切さを語り伝え続けた黒柳徹子さんの自由な魂を継承していく義務が自分にもあると思っている。ということでぜひ多くに人に観ていただきたい。幼いお子さんでもたとえ意味が分からないとしても、そこで描かれるちょっとした切なさや悲しみ、何より自由な魂というメッセージをしっかり感じとることはできると思う。むしろ小さなお子さんほど感じることができるかも。とにかく大プッシュ!おすすめです。

radikoで「爆笑問題カーボーイ」。ゲスト、ミキに「THE MANZAI」におけるビートたけし激怒事件をぶつけいじり倒す太田さんが最高。先週の放送ではたけしさん側の証言を聴きとった話をしていたがもう一方の当事者ミキから事件の真相を根掘り葉掘り。笑った。太田さんはやさしいなー

2023/12/17

日曜。朝のうちにNHK+で「大奥」の最終回。実に見応えのある良きドラマでむしろこちらこそ大河ドラマにふさわしい出来だった。男女逆転世界で描かれる大奥の物語は男女逆転することで男であること、女であることから物語を解放する。映画「バービー」同様、その先に踏み込んでいくのだ。「男」でもなく「女」でもなく、最後に残るのは「私」である。

で午後からイベント仕事。現場が比較的近所なので歩いて。しかし一気に寒くなったなー。

帰宅し大河の最終回を。結局どうにもならなかったね家康というところか

2023/12/18

仕事終え、JRと地下鉄乗り継ぎKBS京都まで。なんとラジオに出演することに!自分の人生でラジオでお喋りする日が来るとは1週間前まで思いもしなかったが、まさかのお誘い、それも放送開始以来毎週欠かさず聴いている角田龍平の「蛤御門のヘン」からのオファー!いやまぁ嬉しいのは間違いないが、いざ出演となるとこれがもう、なにせ今までラジオ番組作ったり、売ったりはしてきたが、出るのは初めてなもんで。

でいざKBS。京都出身でラジオと言えば近畿放送(KBSの旧名)だった。なにせ小学校低学年の頃から山崎弘士さんの電リク聴いてたし、池田幾三のザ・トゥディ聴きながら夏休みの宿題とかやってたラジオっ子。ハイヤング京都で深夜ラジオに目覚め小学生ながら眠い目をこすり聴いていた自分にとってはまさにラジオの聖地。ラジオ好きが高じてラジオ局で働く自分が、ラジオの原点である場所でお喋りすることになるとは。まさに人生の伏線回収ではないか。

スタジオに到着し角田さんとしばし談笑。なんだかんだで角田さんと出会って10年ほどになる。「オールナイトニッポンポッドキャスト」での軽妙のお喋りに魅了され、番組制作していたころには何度かご出演して頂いた。年下ながら僕にとってはラジオスターの一人である。サヤマディレクター、そして演芸墓堀人、放送作家の柳田光司さんも到着し、白紙の進行表を前にふんわり段取りのみでいきなり収録開始。自分もディレクターとして番組を作っていたことがあるが、さすがAMなかなかのストロングスタイル。

で始まってみると収録も忘れまさに下宿喋り状態で楽しくお喋り。ラジオや映画の話を自分の拙い喋りはともかくお二人の話は面白くリスナー状態で聴き入ってしまった。実に楽しい90分で人生のいい思い出になったなー。

2023/12/19

昨日の出来事が嘘だったかのように日常に戻る。ラジオは売るより喋る方がはるかに楽しいなーなんてことは言えないよ絶対。真面目に働く。

2023/12/20

ということで放送日。サブカルおじさん登場。…活舌悪く不明瞭な自分の喋りの下手さ加減に落ち込みつつ、Xでのリスナーさんたちの温かな反応に救われる。いやでもこんな幸せなことはない。40年以上ラジオ聴き続けて、人知れず文章を書き始めて20年以上。好きなことをやり続けてるといつかこんな日が来るんだな。

ということでradikoタイムフリーなら12/27までお聞きいただけます

番組ポッドキャストにも挙げていただいているので、こちらはどなたでもお聞きいただけます。

www.kbs-kyoto.co.jp

2023/12/21

いいことがあれば悪いことがある。という訳で体調崩し寝込む。なんたるわかりやすさ。高熱にうなされぐったり…

2023/12/22

引き続き寝込む。熱は多少安定もずっと布団の中。映像を観る気力もなくビバリー昼ズ中川家のザ・ラジオショーなど流しながら夢うつつ。