日々の泡。

popholic diary

2023年9月16日~22日の話。

2023/9/16

朝から映画館へ。京都シネマでチョン・ジュリ監督「あしたの少女」を観る。学校から指定された大手企業のコールセンターで実習生として働き始めた高校生のソヒ。当初の話とは違い、厳しい労働環境の下で過酷な労働を強いられるソヒ。コールセンターで企業の矢面に立たされきつい言葉を顧客からは投げつけられる、成績を貼り出され上司からは激しい叱責を受け、成績が上がっても成果報酬は与えられない。両親も学校も現状を理解できず通り一遍の言葉を与えるだけ。勝ち気で前向きだったソヒは徐々に疲弊し追い詰められていく。そしてついにソヒの心は壊れてしまい自ら命を絶ってしまう。2017年に実際起こった事件をモチーフにした作品。映画の後半はペ・ドゥナ扮する刑事ユジンが彼女がなぜ自殺に至ったのかを捜査していく。そこに浮かび上がってくるのは極端な競争社会。会社も学校も労働庁も、社会の仕組みそのものが経済に飲み込まれ競争の原理で人々を壊していく。皺寄せは弱い者へ弱い者へと向かい、ついには10代の少女にまで及んだのだ。ユジンは怒りを爆発させる。だがその声はどこにも届かない。映画は憤りを抱えたままに終わる。それはこの問題が今もまだ続く現在進行形の問題だからだ。映画の原題は「NEXT SOHEE(次のソヒ)」。またソヒを見捨てるのか、それともソヒを守るのか。

ソヒを演じるのは新人キム・シウン。溌溂とダンスを踊るシーンから疲弊し打ちひしがれ、疲れ切った先で最後の一線を越えてしまう姿まで見事にソヒとして生きる。ペ・ドゥナ演じるユジンは彼女の無念さを想い、彼女をそこまで追い込んだ社会への怒り、憤りを心の奥から燃え上がらせる。それは監督はじめ制作陣の気持ちだろう。このことを多くの人に訴え世界を変えなくてはという使命感がこの映画を作らせたのだ。この問題は決して隣国だけの話ではない。今まさに我々も進んでいる道じゃないか。だからこそ目をそらさずにしかと観るべき映画だ。

ashitanoshojo.com

続いてはウェス・アンダーソン監督「アステロイド・シティ」。1955年、砂漠の街アステロイド・シティが舞台。っつーかアステロイド・シティの物語を舞台化してのその裏側というかもう複雑すぎる入れ子構造で、翻弄されたうえに完全に振り落とされた。完全に作り込まれデザインされ切った画、スカーレット・ヨハンソントム・ハンクスエドワード・ノートンスティーヴ・カレルなどなど山ほど出てくる豪華スター、ずっと観ていられるし、一つ一つのシチュエーションやエピソードは何となく理解できるものの、トータルではもうちんぷんかんぷんだった。いやはや不思議な映画体験でしたわ。

烏丸通を京都駅まで歩いて、途中のマクド月見バーガー月見バーガーってそんなに言うほど美味しいかな。普通のハンバーガーの方が好き。

2023/9/17

日曜。いつものごとく妻と買い物。で午後はDisny+で韓国ドラマ「ムービング」観始める。面白っ!超能力ハイスクール青春ドラマな展開にキュンとしたのもつかの間、ハードコアなサイキックバトルがあったかと思うと、大人のラブロマンス、さらにファミリーヒストリー的な人間ドラマが展開される。ハン・ヒョジュ、リュ・スンリョン、チョ・インソンキム・ソンギュン、チャ・テヒョンリュ・スンボム…とオールスターキャストがフレッシュな若手俳優を支える。くーっ!でとりあえず4話まで見て本日は終了。

夜は妻とたこ焼き。久々に食べたくなって家で作る。美味しい。美味しいと嬉しい。

YouTube「町山&藤谷のアメTube」 で町山さんと藤谷文子さんの「アステロイド・シティ」解説を聞く。なるほどなー。しかし、こりゃ難しいわ。

2023/9/18

祝日。妻と義母といっしょに湖岸ドライブして「めんたいパーク」へ。休みだけあって人でいっぱい。フードコーナーは長蛇の列。とりあえず明太子買う。ちょうどガラポン抽選会やってて義母が見事に2等を引き当て、贈答用明太子をゲット。で明太おにぎりを食べて、近くのJA直売所で義母が探していたネギ苗を買って、ジェラート食べて帰宅。

我慢しきれず「ムービング」。8話まで。どえらいオモロいなー。

2023/9/21

YouTubeで𠮷田豪の「豪の部屋」Night Tempゲスト回観る。流暢な日本語でクールにサクッと斬っていく様が面白い。日本の一部アイドルシーンについて、おっさんたちが過去の成功体験に基づいて、今もまだ同じメンツで同じことをやり続けお金を回してる様を「カルテル」とバッサリ。僕が日本のアイドルシーンにイマイチ乗れないのはまさにそれ。いつまでそのノリでやってんだよというとこ。そしてそのノリがクリエイティブ部分にまで及んでいるのがつらいんだよね。K-POPと比べるとそれがよくわかる。

2023/9/22

今週はちょっと日記端折っちゃった。秋口は諸々仕事が忙しく、明日も休日出勤になったのでおとなしく帰宅。夜は「ムービング」。今週は平日も毎日一話ずつ見続けている。大人たちそれぞれの過去が明かされていく。名優リュ・スンリョンに泣かされる。脚本、演出、演技とどれをとってもクオリティ高くてクラクラする。

𠮷田豪さんのTweet(ポストか)で気になりradikoタイムフリーで杉作J太郎の「ファニーナイト」。女優の石井くに子さんゲスト回。杉作さんと石井さんの楽しいお喋りからの…。某事務所の問題。被害者とその家族の心の傷の深さに触れ胸が苦しくなる。罪深すぎる。そしてある記者に対するずっとあった違和感の正体も。