2023/8/12
朝から部屋で日記。YouTubeで博士×町山対談を観る。昼前に家を出て、MOVIX京都まで。今日の映画はエスキル・フォクト監督「イノセンツ」。ノルウェー産サイキックスリラー。9歳の少女イーダは両親そして自閉症の姉・アナとともに郊外の団地に越してくる。姉の世話にかかりきりの両親、小さな心に不満を抱くイーダ。そんなイーダに声をかけてきたのは同じ団地に暮らすベン。移民である彼は団地内でも孤立して、母親からも邪険に扱われている。そしてもう一人は心優しきアイシャ。彼女もまた不安定な母と暮らし孤立している。ベンはものを触れることなく動かせる能力を、アイシャはアナと感情や思考を共有できる不思議な力を持っていた。それぞれがそれぞれに心に鬱屈をためた4人、心に芽生えた小さな悪意や無邪気な残酷さが「力」によって増幅されていく…。しょっぱなから不穏な空気が流れずっと心臓を掴まれているような感覚。何度もやめてくれーと目を背けた。とにかくもうずっと緊張感が続くので疲れた疲れた。しかし疲れたけど確かにこれは面白い。孤独の渦に飲み込まれ悪意を増幅させるベン、それを止めようとするアイシャ。力を持たないイーダはベンの暴走を止まられるのか。そしてアナの力はどう覚醒するのか。4人の子供たちが小さな心の中に抱える不満、不安、怒りや悲しみ、そして葛藤。静かなせめぎあいに息をのむ。いやーしかしもうホント疲れた。終わった瞬間全身の力が抜けたよ。
ケンタッキーで軽くランチして、丸善書店へ。地元はもちろん、京都も本屋が随分少なくなった。小学生の頃から暇があったら本屋に行っていた。本屋巡りが日常だったのになんとも寂しい限りだ。で江口寿史先生の画集「step2step」、とんぼの本「This is 江口寿史」を購入。どちらも地元には売っていなかった本だ。持ってるだけで嬉しい本。
でMOVIXにてもう一本。ピーター・ソーン監督「マイ・エレメント」を観る。火・水・土・風の4つの「エレメント」が暮らすエレメントシティ。火の街に暮らす、火の女の子エンバー、ある日偶然出会ったのは水の青年ウェイド。正反対の二人だがやがて互いに好意を抱く。だがエンバーは両親から他のエレメントと関わらず、火の街で店を継ぐように言われている。家族と恋人の間で揺れるエンバーだが…。ってなお話。まずは火と水という形を持たない主人公、全編を通じてゆらゆら揺れる二人を表現するCGアニメの最新の進化ぶりに感激。で韓国系の監督が両親のことを描いたという個人的な物語が、いま世界に必要なこととして刺さってくる。移民であり差別的な扱いを受ける「火」、上流社会に暮らす「水」。だがお互いを知ることで心は通い合う。多種多様な人種が互いに尊重しあい、理解しあうことで新たな世界を構築する。でも決して説教臭い話ではなく、素直にラブロマンスとしても楽しめるし、アニメ表現の豊かさが実に気持ちのよい作品。さすがですな。
radikoで「爆笑問題カーボーイ」を聴きつつ、京阪電車でのんびり帰宅。「爆笑問題カーボーイ」、街裏ぴんくのホラ話に爆笑。
で夜も博士×町山対談。本の話。町山さんが小林信彦について性格が悪すぎて…ってのはわかる。中学生の時「唐獅子株式会社」読んで以来、今まで最も読んできた作家。今も本棚の1段はずらっと氏の文庫本が並んでいる。自分自身、こうして観たものや聴いたものを日記の形で文章にしているのは小林信彦の影響下にあるとはっきり言えるのだが「オヨヨ裁判」とか「ビートルズ論争」とかは確かにね…。この人、敵に回したら絶対やばいと思わせる、ややこしさがビシビシと感じられる。「天才伝説横山やすし」における西川きよしの描かれようとか、怖いもん。ま、でもそこがいいんじゃない!とも思う。
2023/8/13
朝から買い物。「マルコポロリ」は130R。板尾さんとほんこんさんの関係性をいじり倒す東野さん。煽り焚き付け振り回す。面白過ぎた。で京都へ。実に4年ぶり、学生時代の友人、先輩たちと飲み。夕方4時からバカ話の楽しいばかりの飲み会。みんな50過ぎだけど学生の頃からなんも変わってないね。同期の4人と一つ上の先輩4人。なぜか学生の頃から気が合って気楽な関係。もちろんそれぞれ会社や家庭では別の顔なんだろうけど、会えばすっと戻れるのがいいね。楽しかった。
2023/8/14
普通にお仕事。今日は休みとってる人も多く少し静か。溜まっている仕事を一つ一つ片付けていく。台風が近づいているので雨降る前に帰宅。
2023/8/15
台風。さすがに徒歩通勤は厳しいので車通勤。お盆&台風で予定の仕事も早く終わったので午後は休みにして帰宅。とは言え特に何かあるわけでもなく、半分テレワークみたいな状態になってしまった。
NHK+で見損ねていたこの前の「どうする家康」なんとかまだ見ている。ムロツヨシの秀吉がイイネ。続けて「Dearにっぽん」Negiccoの回を観る。3人揃って母親になったNegicco。日本のアイドルは追っかけてないのだけど、Negiccoだけはなんだかんだと聴き続けてる。人の善さが滲み出る3人のキャラクターに楽曲の良さ。それが聴き続けてる理由。で夜は久々にスパイスカレーを。最近はレシピを見ることもなく、ざっくりテキトーに作れるようになった。味は常に70点ぐらいという感じだが、カレー作りはもはや娯楽である。
2023/8/16
夏休みを1日。今日は自分の機嫌を取る日。radikoで霜降り明星のANN、せいや欠席で粗品が一人で掛け合いする(いったいどうやって録ってるの!?)驚愕回を聴きながら散歩。まずは商店街の床屋、オープンして1番に散髪。すっきりして近くの図書館で涼みつつ雑誌などななめ読み。少し歩いて食べたかったソフトクリームを買って湖岸で湖見ながら一休み。帰宅して、YouTubeをTVに映してNewJeansのLollapaloozaのライブ映像を観つつ昼食。しかしNewJeans素晴らしいパフォーマンス。英語でのMCなど観てたらもう感動しちゃう。50過ぎのおっさんが見てもこうなんだから、小中学生とかから観たらそりゃもう憧れるだろうな。
アマプラで映画を一本。チョン・ゴウン監督「小公女」を観る。ウイスキーとタバコ、そして彼がいれば幸せなミソ。家事代行の仕事をしてるが儲けは少なく生活は厳しい。ウイスキーもタバコも、家賃も値上がり。ウイスキーとタバコは必要、結局彼女は家を捨て学生時代のバンド仲間の家を転々とすることに。あるものは仕事に追われ昼ごはん代わりに点滴を打つ、あるものは夫や夫の両親の世話に追われ、あるものは妻に逃げられマンションのローンだけが残って…。幸せってなんだっけ?を問う良作。一杯のウイスキーとタバコ、ミソにとっての幸せ。彼女はそれを決して手放さない。誰と比べることもなく自分の哲学があり、選択があり、そこに幸せがある。現実的にはそうはいかないことが多い。だからこそ軽やかな彼女の生き方に惹かれてしまう。ミソを演じるのはイ・ソム。以前から好きな俳優さん、様々な役を演じてるけど今作の彼女は特に素晴らしかった。
で少し散歩して、本屋のカフェでアイスコーヒー。売り物の本や雑誌を持ち込んで読むことができるので芥川賞受賞作、市川沙央「ハンチバック」掲載の「文藝春秋」をコーヒー飲みながら少し読んでみる。これはちゃんと読もうと購入して帰宅。
2023/8/17
なんとなく月曜感のある木曜。暑さもあり疲れがどっと。みっちり仕事して、帰宅して風呂入ってご飯食べたら何もやる気がしない。
2023/8/18
金曜。仕事で一日数字とにらめっこ。根っからのボンクラサブカル文化系おじさんなのでつくづく向いてないなーとため息。
帰宅して水道橋博士さんの生誕祭を配信で。吉田豪さんが聞き役となりデリケートかつ突っ込んだ話を。自分のOSをアップデートしていくことの難しさ。特に自分より下の年齢、立場の人と対するとき、自分では気づかないままハラスメントをしてしまっているという難しさ。言った方の記憶と言われた方の記憶ではどうしても齟齬が生まれる。自分自身が当事者であるのだから客観的であろうとしても限界がある。例えば文字に起こされた言葉だけ見て問題がなくとも、その言葉が発されたトーンやその時の表情や振る舞い、態度、行間に漂う空気で感じ方は大いに変わってくる。自分も昔、よく先輩に飲みに連れて行ってもらった。酒飲みの先輩からしたら楽しく後輩と飲んでストレス発散だったと思うが、こっちからしたら数時間にわたる説教トークで地獄の時間だった。立場が変われば感じ方も違う。自分はもう年齢的にも立場的にもそこにいるだけで、若い人からしたらうざい存在だろう。もちろん自分では飲み会では仕事の話はしないとか、自分語りは極力避けようとか思ってはいるが、それでも滲み出てしまってるだろう。話を聞きながらいろいろ考えてしまう。でもやっぱり自分は博士さんのファンだし、何度もここに書いてるように「僕の好きな先生」だと思っている。答えにくい質問にも、むき出しの姿勢で真摯に正面から答える博士さん。これからも博士さんの言葉を聞きたいし、文章を読みたい。
映画「バービー」を観た杉作J太郎さんの感想が嬉しい。ファニーナイトでも熱く楽しく語っていて最高。
映画Barbie。東映ゲリラ部隊の流れにあるとさえ思える一石十鳥の娯楽作。プロデューサー&主演のマーゴット・ロビーが自らの美も醜も不安も栄光も苦悩も誓いもすべてを込めた超力作。性別や年代を超えたマーゴットの愛と優しさ。その結晶。笑って泣いて気がつけば悔いのない力強い世界がそこにある。
— 杉作J太郎 (@OTOKONOHAKABA) 2023年8月18日
杉作さんも「僕の好きな先生」の一人だ。