日々の泡。

popholic diary

2023年6月24日~30日

2023/6/24

夜中に目が覚め、なんとなくspotify沢田研二聴き始めたらそのまま続々昭和歌謡が流れ出しついつい聴いてしまう。野口五郎渡辺真知子五十嵐浩晃「ペガサスの朝」とかめちゃくちゃ懐かしいな。「ザ・ベストテン」を見始めたのは小学2年のころだから1977年か。その頃からラジオを聴き始めてリクエスト番組やらで流れる曲をカセットテープに録音しては繰り返し聴いてた。そこから1985年ぐらいまでのヒット曲はほぼ覚えてるしなんとなく歌える。アイドル歌謡に演歌、ニューミュージックが入り乱れて思えば豊かな時代だったな。で結局寝てるのか起きてるのかわからないまま7時前には布団から出る。BSで「あまちゃん」。いよいよ東京へ。ユイちゃんが行けないのわかった上で観てるので切なさが増すね。

朝のうちにラジオなど聴き日記。西川のりお師匠の上岡龍太郎さん追悼話。ノックさん、上岡さんと3人で新・漫画トリオを結成するはずだった話。これは凄い!関西芸能史にまだこんな秘話があったとは。そこからのりお・よしお結成秘話へ。当時B&Bで洋七とコンビを組んでいたよしお。バックケースというコンビだったのりお。お互い今のコンビがうまくいっていない中、W不倫状態で新コンビ結成を決意。秘密裏に動き始めたところ、洋七からよしおがコンビ解消したがっていると相談されてしまうとか、師匠や肉親巻き込んでのコンビ結成話が面白い。漫才ブーム前夜の物語。いつか朝の連続ドラマでやってほしい。っつーか、エムカクさんの「明石家さんまヒストリー」を原作に数年後、数十年後必ずや「明石家さんま」を主人公にした朝ドラが作られるだろう。

でいつものごとく京都駅から歩いて京都シネマへ。結局また「なか卯」で親子丼。安定すぎて怖い。

まずは山口淳太監督、上田誠脚本「リバー、流れないでよ」を観る。劇団ヨーロッパ企画の映画第二弾。京都・貴船の旅館を舞台に、繰り返す2分間のタイムループ。記憶は持ったまま2分経ったらまた2分前に逆戻り。何度も何度も繰り返しながらその解決策を探るのだが、わずか2分を繰り返す中で様々な物語が展開していく。ワンシチュエーションの中にアイデアと工夫をこれでもかと詰め込み全く飽きさせない物語の展開と広がり。2分ワンカット撮影で演劇的でありながら映画でしか表現できないことをやっていて実に面白かった。少し不思議でなにより愛らしい。藤谷理子が演じる主人公ミコトや早織演じる同僚のチノをはじめとした登場人物一人ひとりにも愛らしさがあって、観ていてとっても幸せな気分になる。CGバキバキの壮大なSFも嫌いじゃないが、この映画にあるささやかだけど豊かなセンスオブワンダーと愛らしさにぎゅっと心を掴まれた。

ロビーで自販機のコーヒーを飲んで一服。続いてはサラ・ポーリー監督「ウーマン・トーキング 私たちの選択」を観る。自給自足で暮らすキリスト教一派の閉ざされた村。女性たちが寝ている間に何者かに襲われる事件が多発。男たちは「悪魔の仕業」だと否定し取り合わない。だが家畜に使う麻酔薬で意識不明状態にさせられた上で男たちからレイプされていたことが明らかになる。男たちが街に出かけて留守になる2日間。残された女たちは「赦す」「闘う」「村を出る」3つの選択肢を前に話し合う。というまさに「ウーマントーキング」を描く。薄暗い納屋で行われる討論が映画の大部分を占めるのだがスリリングで見応えがある。あまりに傷つき、痛められたが故に何もしないことを主張する者、怒りに囚われ殺すことさえ厭わないという者、共通する痛みを抱えながらも意見はまとまらない。だが、彼女たちは自分たちの為、子供たちの為、未来の為に何を選択すべきかを考え、語り合い、決断する。彼女たちの生活ぶりからずっと昔の話かと思いきや、舞台は2010年で実話をベースにしている。宗教で隔離された閉ざされた村での話とはいえ、現在の話でここまで極端でなくともここで描かれる問題は今もなお続いている。アメリカだけじゃなく世界中で、そして我が国にも。性被害者が声を上げれば加害者を擁護する声があがり、セカンドレイプにさらされる。今も何も変わっていない。映画では一つの結論が出る。結果はわからないが女たちはそこにかけ、残された村の外を知る唯一の男にあることを託していく。それは「教育」なのだ。女たちを、弱い者たちを、傷つけ痛めつけることが、男らしさであり、強さだと大人たちから学んでしまう子供たち。そこを正すことがまずは大事なのだと。

今、社会を観ていて思うことに重なる。強い者、力のある者たちのふるまいはどうだ。力がすべてと、力を振りかざし、弱きを挫き、切り捨て、自分たちの力だけを守ろうとする。それを見て育つ子供たちはどうなるのか。人の声に耳を傾けずに、的外れな「論破」で力を誇示する。弱い者たちが声を上げることをあざ笑い、強い者に尻尾を振る。弱い者たちがさらに弱い者を叩く。そんな大人たちのふるまいを子供たちは学んでしまう。力のある者はわかっている。「教育」こそが邪魔なものだと。権力や暴力、あらゆる力をちらつかせて、知性を徹底的に排除しようとする。考える気力すら奪おうとする。残念ながらもう手遅れかもしれないとすら思う。それでも、いや、だからこそ僕たちも彼女たちのように考え、言葉を尽くし、声を上げなければならない。

で映画館のロビーでまたもや某超有名俳優さんを発見。京都に長期滞在中なのだろうかサンダル履きでフラッとミニシアターで映画を観てるなんて最高だな。

2023/6/25

7時起床。眠くないこともないのだが二度寝も出来ない。朝から買い物行って、妻の実家寄って、昼は焼きそば。

NETFLIX大石静宮藤官九郎脚本によるドラマ「離婚しようよ」観始める。信頼と実績の松坂桃李演じる2代目のバカ政治家。現実のカリカチュアと言って笑いたいけど、現実にはもっとバカがうじゃうじゃいるからなー。とりあえず2話分見てまた来週。

夜、妻と娘が祇園花月に出かけたので一人でレトルトカレー。秘蔵の新宿中村屋のカレー。ウインナーを焼いてトッピング。小さすぎる贅沢。

アマプラでドキュメンタリーを一本。「ミッドナイト・ファミリー」を観る。メキシコで闇救急車を営む一家を追ったドキュメンタリー。闇救急車?って思うんだけど、メキシコでは人口900万人に対して公共の救急車が45台未満ということで、闇救急車の需要が高いのだそう。でまぁその前提がそもそもハードなんだけど、警察の無線をキャッチし事件現場に急行。闇救急車同士で患者を取り合い、救命処置を施しながら病院に向かうハードな毎日に映画は迫る。賄賂を求める警官や支払いを踏み倒す患者も多く、常に金がない状態の闇救急車一家。彼らの行いは善行なのか悪行なのか。政治の腐敗、社会の歪が重くのしかかる。とても興味深くシビアなドキュメンタリーだった。

2023/6/26

ヤンヨンヒ著「カメラを止めて書きます」読了。「ディア・ピョンアン」「愛しきソナ」そして「スープとイデオロギー」家族を捉えたドキュメンタリー三部作。その間にあったカメラに収まらなかった家族の物語。カメラを通して描かれた映画は、家族であると同時に監督としての目線があり、より客観的である。しかしここに記された文章はより生々しい家族の記録であり、ヤンヨンヒという一人の人間の葛藤が刻まれている。「ディア・ピョンヤン」に映されるアボジは愛嬌たっぷりで、監督との丁々発止の会話は時に笑いに包まれる。だが、そこに至るまでにどれだけの衝突があり断絶があったのか。親子でありながら決して相いれないイデオロギー。「スープとイデオロギー」に到達するまでの長い葛藤。病に倒れたアボジの壮絶な闘病生活。そこに知らされる長兄の死。襲い来る様々な出来事に何度も倒れながら、その都度自分自身に問いかける。この本はその問いかけの歴史である。家族とは何か、自分は何ものなのか。そして覚悟を決め、カメラを回す。映画の中に、問いかけへの答えが浮かび上がる。だが問いかけは終わることがない。答えの先にはまた新しい問いかけが生まれる。映画を観て、本を読むことで、監督の問いかけは僕たちにも伝播していく。自分について、家族について、国について。そんな風に考えるきっかけを与えてくれる一冊でもあるので、ぜひ映画と併せて多くの人に触れてほしい。

2023/6/28

にしても朝から暑いな。汗だくになって通勤して、会議では冷や汗。キビシーッ。

TVerで「だが情熱はある」最終回。ドラマが現実に追いついて、のみ込んでいくのが面白い。現在進行形であることをこんな風にに表現するんだと感心。

2023/6/29

暑い。そろそろ自転車通勤に切り替えたいのだが夜は雨の予報で仕方なしに徒歩通勤。

にしても自衛官セクハラ訴訟。控訴した加害者たちの言い分、まんま「ウーマントーキング」の加害男性たちみたいだ。周りに戒める者はいないのか。呆れてしまう。

2023/6/30

やっと金曜。朝から一仕事終え、午後は代休。先月通院予約してたのが仕事の都合でキャンセル、再予約でやっと取れたのが今日。いったん帰宅し、ささっと昼飯食べて病院へ。予約してても結局1時間強の待ち。血圧の薬処方してもらうだけなのだが一苦労。薬局で薬受け取り、ついでに商店街の床屋で散髪。その間にも仕事の電話対応にメール対応。結局こうなる。