日々の泡。

popholic diary

2023年5月6日~12日の話。

2023/5/6

朝から妻とロチャ坊の亡骸を火葬場まで。ペット専用の焼き場でお線香をあげ最後のお別れ。

帰宅し、日記を仕上げる。ロチャ坊のことを書いてたら泣けて泣けてしょうがない。

気晴らしに少し散歩してユナイテッドシネマまで。「マリオ」は家族連れでいっぱいなので成島出監督「銀河鉄道の父」を観る。宮沢賢治と彼を支えた父の物語。2時間半ほどあるんだけど一人の生涯を描くにはやはり短い。なんというか連続ドラマの総集編を見せられてるような。例えば妹との別れなどは重要で感動的なシーンになるはずだが、賢治と妹との深い繋がりを十分描けていないので表層的に見えてしまうのだ。それは全編通じてそうで、賢治の苦悩や挫折、物語に向かう想いなどが十分観見えてこない。考えの浅い薄っぺらい人物に見えてしまうのだ。結局全部を描こうとするため一つも描けていない状態になってしまう。もっと大胆に取捨選択しても良かったんじゃないだろうか。いい役者揃えてるのによくある演技に終わってしまっている。だって役所広司菅田将暉もこんなもんじゃないことは皆わかってるんだから。

夜は久々にスパイスカレー作り。ちょっと塩が多すぎたかな。微調整が難しい。安定しないなー。

夜、アマプラで映画を一本。ドキュメンタリー映画「ワイルドキャット」を観る。戦場で多くの死に触れたことで心を壊してしまった退役軍人の青年ハリー。彼はアマゾンの野生動物保護センターで生態学者のサマンサと暮らしながら、保護されたオセロット(山猫)の赤ちゃんを育てている。しかしそんな中、育てていた赤ちゃんオセロットが密猟ハンターが仕掛けた罠によって死んでしまう。悲しみと怒りに支配され自分をコントロールできなくなるハリー。そしてまたオセロットの赤ちゃんが保護されてくる。キアヌと名付けられた赤ちゃんオセロットをハリーは懸命に育てる。だがそれはやがてやってくる別れへの序章。キアヌを育てるのは再びジャングルへ返すためだからだ。山猫との暮らしで心を癒していくハリーだが、その別れで再び心は壊れていく。不器用で繊細であり、悲しみに苛まれ、自らを傷つけるハリーの姿は観ていてつらい。勇ましく戦争を語る者は、戦争によって心が壊された者の痛みを想像したことがあるのだろうか。

2023/5/7

雨。午前中に妻と買い物。昼はパスタ。

で午後は映画を一本。今日もドキュメンタリーで「アルピニスト」。カナダ生まれの23歳の青年、マーク・アンドレルクレールを追ったドキュメンタリー。彼はたった一人で、下見もせず、命綱無しで世界中の名だたる山々、その断崖絶壁に挑む登山家。以前、登山家アレックス・オノルドを追った「フリーソロ」というドキュメンタリーを観て、命綱無しで断崖絶壁を登りきる姿に驚愕したが、そのアレックス・オノルドが驚くほどの登りっぷり。ただただ楽しむために登るという感じで、記録や記憶にもこだわらず、一人でひょいひょい登っていく。登り終わって初めて世界が気づくという自由ぶり。雪山、氷壁すらアイスアックスであっさりと登っていく。まぁその驚愕の映像たるや。フリーソロのアレックス・オノルドはどこか哲学者のようであり求道者という感じだったが、マークはまるで違う。ただ楽しいから登っていると言いつつも、常にここじゃないどこかを探しているような目をしている。ラストのあっけなさすら「らしい」。新しい場所を探しに行ったんじゃないかとすら思う。

2023/5/8

休み明け。ま、調子悪くて当たり前。帰って飯食ってぼんやりしてあとは寝るだけ。ロチャ坊がいなくて寂しい。

2023/5/9

朝ドラ「らんまん」は神木龍之介と志尊淳のコンビが爽やかで、清々しい気分になる。思えばさわやかさとは縁遠い人生だった。じめじめと陰気臭い少年だったからなー。

2023/5/10

TVerでドラマ「だが情熱はある」を観ている。主役二人の芸達者ぶりが良いのだが、さすがに柳沢慎吾の関西弁は無理がある。いや、柳沢慎吾は大好きなのだが、なぜ「大阪のお節介なお巡りさん」といういわばちょっとした役をあえて関西弁ネイティブじゃない人を使う理由がよくわからない。

2023/5/11

「私のバカせまい史」でコロッケと中尾ミエの涙の抱擁に思わずもらい泣き。「お笑いスター誕生」世代なので。当てぶりの形態模写だったコロッケが、数年の潜伏期間を経て声帯模写をマスターしてきたときには確かに驚いた。そしてその後のとんでもない進化ぶり。そこにあったであろう血の滲むような努力を思えば、中尾ミエじゃなくとも泣けるぜ。

2023/5/12

若き日のせんだみつお湯原昌幸が表紙の「昭和40年男」お笑い特集、思わず購入。幼少の頃、せんみつ湯原コンビが好きだった古い古い記憶が蘇る。ほかにも高田先生や井上順、関根勤伊東四朗などテレビ演芸史上貴重なインタビューなども。

radikoで聴く「SAYONARAシティボーイズ」がちょっとした癒しになっている。老人3人のとりとめのない無駄話。だけどその中に生きるヒントがある。今週はなかなかにきつかった。向いてないことをやり続けるには体力も精神力もいる。そしてそのどちらもが弱っている。

しかし今週の日記、薄いなー。