日々の泡。

popholic diary

2022年4月2日~8日の話。

2022/4/2

朝ドラ起床。土曜は総集編だけど次週の予告を観る為だけにいつも観てる。いよいよ来週は最終週。薄焼き卵とハムをはさんだホットサンドとヨーグルトの朝食。で京都まで出て映画。いつものごとくradikoで「蛤御門のヘン」聴きながら。ゲストは小説家の塩田武士さん。キーワードから物語を作っていく話、おもしろい。京都駅から烏丸通を北上して四条烏丸までは歩く。少し肌寒いがいい天気で気持ちいいい。

京都シネマケネス・ブラナー監督「ベルファスト」観る。1969年ベルファスト。9歳の少年バディは家族とともに暮らしていた。しかし街ではプロテスタント武装集団によるカトリック住民への攻撃が始まり、分断と破壊が進む。ケネス・ブラナーが自身の幼少期を描く「ケネスくん、ハイ」といいましょうか「ちびケネスちゃん」といいましょうかってな作品。9歳の子供の日常。そこには笑顔もユーモアも、家族や隣人たちとの温かい関係もある。しかし大人たちの不条理な暴力が日常を脅かし始める。ノスタルジックなモノクロの映像。優しくユーモアの溢れる祖父母の存在が胸を締め付ける。街を出ていく者、街に残る者、そして命を失った者。国も時代も違うけどなぜだか涙が溢れる。モノクロの世界に鮮やかな色彩を与えてくれるものは映画。それは少年の心に、しっかりと刻み付けられる。ケネス・ブラナー監督の魂の核を観たような気持ち。素晴らしい映画だった。

続いてもう一本観るべく出町柳の出町座まで。地下鉄で今出川まで出て今出川通りを東に向かう。ちょうど同志社大学の入学式で、初々しい新入生とその親たち、サークルの勧誘ビラを配る学生でいっぱい。上映時間まで少し時間があるので、お昼はお気に入りのパン屋でパンを買って鴨川べりで食べようと計画してたのだが人の多いこと。豆大福で有名なふたばは長蛇の列。パン屋もほぼ売り切れ。最後の一個のクリームパンとカレーパンを買って鴨川に出るも花見の人でいっぱい。いつもならゆったりとベンチに座れるのだが。とりあえず階段横でそそくさとパンを頬張る。カレーパンだと思ってたらピロシキだった。ま、いいけど。

で出町座にて城定秀夫脚本×今泉力哉監督「猫は逃げた」を観る。「愛なのに」と監督、脚本が入れ替わっての作品。漫画家の亜子と週刊誌記者の広重は、お互い浮気相手がいる状態で離婚直前。だが飼い猫の「カンタ」をどっちが引き取るかで揉めているさなか、カンタが家出してしまう…。夫婦とそれぞれの恋人、4人の関係がねじれ拗れていく様がドロドロではなく、ふわっとユーモアに包まれて描かれる。不器用で不真面目で、愛にだらしなくて、でも憎めない。この愚かしさこそが人間なんだと思う。4人が顔を合わせての白熱?する会話シーンが最高。にしても猫かわいい映画だったなー。猫がそこにいるだけで、緊迫した場面でもふっと猫にもっていかれちゃう感じ。我が家にも猫がいる。例えばちょっと妻と険悪な雰囲気になったとしても、そこに猫がいて呑気にふぁと欠伸をすればそれで世界は平和になる。

異動中はradikoで今田、東野のFUNKY LIPS。めちゃくちゃ面白い!Wコージの相乗効果は健在、今や日本を代表するMC二人の変わらぬやんちゃさと年を経ての陽気な緩さがたまらない。

しかし久々の京都、まん防がひとまず明け、桜のシーズンということもあって市バスも満員。コロナ以降、ここまでの満員状態には遭遇してなかったので若干ひるむ。やはり木足と同じようには思えない自分がいるな。

夜は「らじるらじる」で鈴木慶一さん出演のNHKラジオを聴き逃し配信で。いやはや便利な時代。11年ぶりの新作が間近のムーンライダーズ。休止の理由、復活の理由、短い時間ながら濃い話だった。ムーンライダーズはずっとファンに優しいバンドなんだよ。思えば僕がムーンライダーズにはまったのは高校生の頃でちょうど10周年のタイミングだったが、それからさらに35年。もう一生聴き続けるんだろうな。どっちにしろ偉大なバンドだ。

2022/4/3

7時起床で「ボクらの時代」シティボーイズをチェック。これまた偉大な3人組。小学生の頃「お笑いスター誕生」で観たのが最初。そして1996年の「丈夫な足場」以降は年に一回のシティボーイズライブに妻と一緒に観に行くのが慣例になっていた。ただそれも2013年の「西瓜割の棒、あなたたちの春に、桜の下ではじめる準備を」が今のところの最後になってしまった。3人が揃って、ただ喋ってるだけでもうコントのようでもあるのだが、できるならもう一度ライブが観たい。番組では戦争の話も。斉木さんの話がいい。人間なんてどう頑張ってもせいぜい生きられるのは100年程度。核爆弾競って作ってお互いの頭の上にぶら下げて。なんてくだらないゲームを繰り返してるんだろう。そんなんだよ。たかだか100年に満たない人生。殺し合うなんてナンセンスだろう。

午後、NETFLIXでドキュメンタリー「私の帰る場所」を観る。アメリカのホームレス事情をカメラは捉える。そこにいるのはもしかしたら明日の自分かもしれない。彼らは決して特別な存在ではない。ほんのちょっと足を踏み外しただけで社会はあっさりと人を切り捨ててしまう。今日一日を生きるのに精一杯な人がいる。一生かかっても使いきれない金をたんまり持って、どぶに捨てるように金を使う人がいる。どこかがおかしい。

用事から帰ってきた妻が、観なあかんやろと「よしもと伝説の一日」配信チケットを購入。ネットにつなげたタイミングで、EPO「DOWN TOWN」が流れ出し、ダウンタウン登場!ぴったり間に合った。そして至福の30分。2022年のクイズネタ。松本人志の頭の中に広がるイリュージョンはさらなる高みと広がりを見せ、浜田雅功が戸惑い、怒り、呆れ、その言葉と表情で巧みに観客を掴む。劇場はもちろん、配信で観ている者も含め全員がダウンタウン二人の世界に引き込まれる。二人がしゃべる30分間、ダウンタウンが場を、世界を制圧するのだ。完全なる漫才。完璧なる漫才。笑いながら言葉にならない感動があった。中学生の頃からずっと観てきた。「なげやり倶楽部」なんて番組から、高校時代は「4時ですよーだ」で、大学時代は「夢で逢えたら」。そして「ごっつ」はまさに日曜日よりの使者だった。日曜日のあの1時間にどれだけ笑わされ、どれだけ救われたことか。嫌いになんかなれないよ。

2022/4/4

それにしても大好きなエンタメの世界ではもやもやとする嫌なニュースが流れる。聖人君子たれだなんて思っちゃないし、求めてもないけど、それでもやっぱり気分は悪い。

2022/4/6

テレワーク。中川家、ダイアン、東野幸治とラジオ聴きながらお仕事。テレワーク飯はちゃちゃっとチャーハン。午後は結局会社へ。随分春らしい気候になった。桜は満開。

2022/4/7

藤子不二雄A先生死去。子供の頃、お互い漫画が好きで気の合った3歳年上の親戚のこうちゃんの家に行くと「魔太郎がくる」のコミックスがあった。ドラえもんオバQパーマンなどを読んでいた僕は同じ藤子不二雄先生の作品ということで手に取って衝撃を受けた。明るくPOPなドラえもんと違って、暗くて夢に観ちゃいそうな後味の悪さ、でもついつい読んじゃう魔太郎。こうちゃんの家に遊びに行くたびに怖いもの見たさもあっていつも「魔太郎がくる」を手に取った。小学生の高学年ぐらいの頃の話。まだ藤子不二雄先生はコンビを解消する前だったので藤子先生、振り幅凄い!って単純に思ってたな。そして「まんが道」。これもこうちゃんの家にあって、よく読んだ。数年後、大学生の頃には愛蔵版「まんが道」全4巻を購入し熟読。トキワ荘語り部、抒情と毒気と遊び心のA先生。秘めた狂気と乾いたユーモアのF先生。二人の藤子不二雄が僕に与えた影響は大きい。

2022/4/8

朝ドラ「カムカムエブリバディ」最終回。昨日の放送での大団円、そしてラストはボーナストラックのような楽しく嬉しいご褒美回。親子3代100年の物語を描くことで、古舘伊知郎言うところの「人生には予告編がある」、そして水道橋博士言うところの「星座」が浮かび上がる。もちろんこれはドラマだから鮮明に描くことができるわけだけど、誰もが目を凝らせば少なからず人生には予告編があるのだと思う瞬間、星座のように繋がっていく奇縁があるのだ。いい朝ドラだった。

で朝から外回り。お昼、大津に住んで26年。以前からずっと気になっていた商店街の外れにある食堂に入ってみる。カウンター席が10席ほど。ちょうど僕が入って満席に。年配の店主がたった一人でさばく。カウンターから見える厨房で流れるような熟練の手さばきでどんどん料理が仕上がっていく。僕が頼んだのはハンバーグ定食。観よ、この完璧な姿を!

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めちゃくちゃ美味しかった!これには大満足。この一食で今週の俺は報われた。

 

で今週聴いた音楽は