日々の泡。

popholic diary

2022年10月8日~14日の話。

2022/10/8

8時半起床。うまく起きれなかった。ハムエッグとレーズンロール、ヨーグルトの朝食。でアップリンク京都へ。まずは一本、ライリー・ステアンズ監督「デュアル」を観る。突然の病で余命宣告されたサラ。サラは残された遺族の為にとクローンを作り出すプログラム「リプレイスメント」を決断。サラは残された日を、作られたもう一人の自分=クローンとの引継ぎに充てるも思いがけず奇跡的に病は完治。すでに引継ぎはほぼ完了しているが、クローンとの共存は禁止されている。もし両者が生存を希望した場合はどちらかが死ぬまでの決闘裁判を行わなければならない…ってなSFスリラー。主演はカレン・ギラン。二人のカレンが武器を持つポスターから自分VS自分の殺し合いアクションかと思いきや「思てたんと違う」。クローンに恋人や家族、何もかもを奪われてしまったサラは決闘裁判の日に向けて殺しの訓練を受け始める。当初は何もかもを奪われ復讐心に支配されていたサラだったが、都合のいい彼女を求める恋人、自分を押し付けてくる毒親から解放され逆に活き活きと本来の自分の姿を取り戻しはじめる。その反対に何もかもを奪いうまくやっているように見えたクローンだったが恋人や親に合わせるうちにかってのサラのように生き辛さを植え付けられる。映画は不穏な空気が漂い、ギリギリと神経を責め立てるように進む。そして二人が選んだ結末は…後味が悪い絶望が残るラスト。少し不思議でどこか諦念が漂う藤子F不二雄の短編のよう。後からいろいろ考えてしまうタイプの映画だった。

それから地下鉄で今出川まで出て出町座へ。まずは近くのパン屋「ボナペティ」へ。2時過ぎだったのでお目当てのパンはもうなかったけど、とりあえず腹ごしらえ。でナ・ホンジン原案・プロデュース、バンジョン・ピサンタナクーン監督「女神の継承」をやっと観る。舞台はタイ東北部。祈祷師・ニムを追うドキュメンタリー番組制作の体で映画は始まる。やがてニムの姪であるミンが謎の体調不良に見舞われ、人格が変わったかのように暴力的で不可解な行動をとり始める。彼女に憑りついたのは女神か悪魔か。いやー面白かった!ここまでやるかというおどろおどろしさ。ミンを演じる女優ナリルヤ・グルモンコルペチは超絶美少女なのだけど、ほぼ四つん這いに白目で血みどろ。最終的に〇〇や××を喰いちぎっていた。凄い。ナ・ホンジン監督作「哭声/コクソン」での印象的な呪術シーンをより濃厚に膨らませた壮絶さ。まさにこちらは藤子不二雄Aのブラックでひたすら不気味な短編のよう。

夜は「キングオブコント」。濃縮された演劇。脚本、演出、演技どれもがハイレベルで素晴らしい。個人的には「や団」が良かった。

2022/10/9

今日も8時半起床。もうちょっと早く起きたいとこだったけど、ま、寝られる日に寝ておこう。午前中、妻と地元のお祭り、大津祭りへ。3年ぶりの開催。天孫神社でベビーカステラを買って、妻とプラプラと歩きながら見物。止まっていた町が動き始めた感じ。

午後は今日も「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」。ウ・ヨンウはソウル大ロースクールを首席で卒業、弁護士試験でも高得点を得た天才弁護士。だが彼女は自閉症スペクトラムであり日常生活には様々な困難が伴う。大好きなクジラの話をしだすと止まらないし、毎日食べるのは海苔巻きだけ、回転ドアをうまく通ることもできない。そんな彼女が大手弁護士事務所「ハンバダ」で新人弁護士として成長していく物語。出生にまつわる秘密、同僚との恋、自閉症者であるがゆえの差別や偏見、法廷で取り上げられる数々の社会問題などなど一つのドラマの中にいくつもの要素が入っていて、笑い、泣き、きゅんとしたかと思うと深く考えさせる。ウ・ヨンウが務める事務所を大手事務所にしたところがうまい。弱者を守るだけでなく時には大企業側に立ち弁護する必要もある。苦い勝ちもあれば負けてすっきりすることもある。そんな中で彼女はゆっくりと成長していくのだ。彼女を取り巻く個性的な登場人物もみなそれぞれに多面性があり魅力的だ。ウ・ヨンウを演じるパク・ウンビンをはじめ役者陣も素晴らしく、もうずっと観ていたいドラマですっかりはまった。残り2話まできたが観終わりたくない。

2022/10/10

休日。8時起床。朝のうちに妻と買い物。午後アマプラでベンジャミン・リー監督「画家と泥棒」を観る。チェコ出身のハイパー・リアリズム画家バルボラ。ある日ギャラリーから彼女の絵が盗まれる。やがて捕まった犯人のカールにバルボラは接触し、あなたをモデルに絵を描かせてほしいと依頼する。窃盗の被害者である画家からの思いがけない依頼に戸惑い訝し気だったカール。しぶしぶモデルを務め完成した絵画を観た瞬間、ギャング団に入り、8年もの刑務所生活を送ってきたカールの目に涙が溢れる。自分の肖像画を前に子供のように泣きじゃくるカール。それ以来「画家と泥棒」には奇妙な友情が芽生える。そんな二人を追ったノルウェードキュメンタリー映画。二人の友情は深まるほどに危うくなっていく。画家は彼を描くことにのめりこむあまり生活が破綻しはじめ、泥棒は再び犯罪に手を染め交通事故の末、大怪我を負う。愛情に飢え、痛みを抱えた二人が「絵」を通じて深く深くつながっていく。実に興味深いドキュメンタリーだった。

2022/10/12

中川家の「ザ・ラジオ・ショー」オープニングでさんまさんの話。寝ているとき以外はすべて「明石家さんま」。そして寝ている姿をだれにも見せないという徹底ぶり。お笑い界という異界に生きる怪物の生態を中川家が嬉々として喋る。面白くないわけがない。番組ゲストは藤井隆。同期であり、ため口で喋る中川家とのやり取りが新鮮。藤井隆の狂気がにじみ出る常識人ぶり。こちらもすこぶる面白い。

2022/10/13

朝から外回り。昼は久々にブロンコビリーでハンバーグランチ。ドリンクバーのクーポンがあったのでしっかり使う。食前にコーラ飲んで、食事中にウーロン茶飲んで、食後はコーヒーにジェラート。貧乏性丸出しで恥ずかしい。

宇多丸さんのムービーウォッチメン。「NOPE」「LOVE LIFE」「さかなのこ」「ブレッド・トレイン」「秘密の森の、その向こう」を答え合わせ的にまとめ聴き。映画は観るのはもちろんだけど映画評を見聞きするのも楽しい。美しい評論には発見があるし、自分の見方をアップデートしてくれる。

2022/10/14

一日バタバタと忙しい。最近はあれこれやりすぎると何か抜けてしまうので慎重に。昔はそんなことなかったが、最近は自分の記憶に自信が持てない。