日々の泡。

popholic diary

2022年10月29日~11月4日の話。

2022/10/29

8時半起床。久しぶりに卵とハムのホットサンドの朝食。若干腕は痛いが特に熱もなく調子は悪くない。朝のうちにユナイテッドシネマへ。小泉徳宏監督「線は、僕を描く」を観る。大学生の霜介は絵画展設営のバイトで「水墨画」と出会う。そして水墨画の巨匠、湖山から声を掛けられ水墨画を学ぶことに。深い悲しみを抱える霜介だが水墨画と触れることでゆっくりと前を向き始める。ってな瑞々しい青春映画。何かと出会うことで扉が開き人生が動き出す。人生にはそんな季節がある。その青くて眩しい季節を映画は描く。地元・滋賀でのロケということもあって好感持てる作品だった。

帰宅してナポリタン作って昼食。後はおとなしく家で過ごす。ダイアンのユースケ扮する太秦の役者、岸大介が京都案内する「くーる京都」観る。笑い飯西田扮するジョーハットリがバカバカしい。岸大介をメインに据えたMr.ビーン的なコメディ、Netflixとかで作らないかな。

TVerで「あちこちオードリー」中田敦彦ゲスト回。TVの世界からドロップアウトしてからのもがき具合、若林とのスイングする会話がすこぶる面白い。「アンタウォッチマン」松村邦洋ゲスト回。多くの芸人がこぞって天才だと称賛する数多くのモノマネを発明したモノマネ界の革命児。「マルコポロリ」ZAZYとしんいち回。メッセンジャー、相原さんと永野のコンビがひたすらおもしろい。

夜は杉作さんのファニーナイトを久々にリアタイ。杉作さんの声を聞くとホッとする。

2022/10/30

8時半起床。午前中は妻と買い物へ。上海風焼きそばの昼食。午後から庭の木の剪定。伸びに伸びた枇杷の木を切る。この前かった電動のノコギリが活躍。しかし放っておいたらいくらでも大きくなっちゃうな。

夜、BSで「霜降り明星のゴールデン80's」観る。ゲストは野口五郎岩崎宏美せいやは80年代の話にも完全に対応していて、本当に好きなんだなと感心。野口五郎が選ぶ80年代ソングに尾崎豊の「I LOVE YOU」を挙げていてちょっと意外。歌詞や生き方の部分で語られがちな尾崎を音楽的な部分で分析・評価していて素晴らしい。野口五郎による古今東西のヒットソング分析なんて本があったら読んでみたい。

2022/10/31

夜、南海放送のZOOM配信、杉作J太郎さんと角田龍平さんの「J龍砲」。今僕が最も好きなラジオパーソナリティ、ラジオで語る「ラジ談師」である二人の対話。ラジオで喋ることについて、時に脱線しながらも、柔らかくまじめに語る。「勝ち馬に乗りたくない」という杉作さんの言葉に痺れる。常にLoserの姿勢と視点で、楽しくやる。目指すべき生き方だ。

2022/11/1

水道橋博士さん休養の報。日記の更新が止まっていたので心配していたのだが。とにかくゆっくり休んでほしい。

花房観音著「京都に女王と呼ばれた作家がいた 山村美紗とふたりの男」読了。ミステリの女王と呼ばれ、京都を舞台にした数多くの作品を残し、最も本が売れた時代に生きた山村美紗。華やかで、男たちからはもてまくり、本は売れに売れ、名声をほしいままにした彼女。誰もがその名を知りながら、誰も知らない彼女の人生。表層だけを見ればこれ以上ないほどの華々しい人生だが、そこには多くのコンプレックスを抱えた複雑な心があり、不屈の魂と血の滲むような努力があった。作者はミステリの女王が仕掛けた人生のトリックを一つ一つ解いていくように、彼女の歩んだ人生をその心の奥を探りながら辿っていく。京都の様々な場所に潜む歴史や意味を深く知る作者だからこそ書ける京都の描写が、この評伝に奥行きをもたらす。満身創痍で書き続け、本が最も売れた年に、帝国ホテルのスイートで執筆中に亡くなった山村美紗。そしてその死をきっかけに一人の男の存在が浮かび上がる。夫、山村巍の存在だ。近くにいた編集者たちさえほとんど知らなかった存在。西村京太郎とのスキャンダラスな関係、その裏に隠された夫・巍の存在。山村美紗が仕掛けた最大のトリックである。作者はそのトリックもまた丁寧に解き明かしていく。美紗の死後、夜な夜な枕元に立つ美紗に「私の絵を描いて」と懇願され巍は絵筆をとることになる。何枚も何枚も美紗の絵を描く巍。死してもなお美紗は巍を離さない。そして巍のもとにモデルとしてやってきた一人の女性。若き日の山村美紗にそっくりのその女性と巍は39歳という年の差を超え結婚するに至るのだ。なんという展開!そしてこの文庫の最後を締める解説は、その女性・山村祥さんの手による。この解説文もまた素晴らしい。巍から美紗への、美紗から巍への、巍から祥への、祥から巍への、そして時々西村京太郎から美紗への、それぞれの「想い」が万華鏡のように美しく絡み合う奇跡のような書であり、山村美紗の人生を、山村巍という存在を書き切った渾身の一冊。作者・花房観音さんもまたこの本を書くべく選ばれた人なのだと思う。必読です!

2022/11/2

YouTube東映公式チャンネルで配信された鈴木則文監督1977年作映画「ドカベン」を観る。漫画を漫画の表現のまま実写化した快作にして怪作。看板から飛び出してくる象徴的なオープニング。夏子はん役のマッハ文朱のやりすぎメイク、殿馬役に川谷拓三というサプライズキャスティング、山田&岩鬼の漫画そのまんまぶり、永島敏行の流れるような棒読みと癖になる作品。いろんな意味で面白かった。

2022/11/3

祝日。夕方から仕事が入ったので、なんとなく外出する気が失せ一日テレビ。

NETFLIXで「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」。ラスト2話観終わる。実に実にいいドラマだった。主人公ウ・ヨンウをはじめ恋人になるイ・ジュノ、上司のチョン・ミョンソク、親友のトン・グラミ、同僚のチェ・スヨンにクォン・ミヌ…忘れがたき愛すべきキャラクター達。成長の物語であり、胸がきゅんと来る恋愛ドラマであり、親子の絆を描いたかと思えば、政治的な駆け引きもありつつ、社会をも映し出す。様々な要素が無理なく絡みながら、結果優しい気持ちにさせてくれた。いやーいいドラマだった。

TVerで「マツコの知らない世界」クリームパンの世界。僕も必ず焼き立てパン屋ではまずクリームパンを買う。子供の頃から自分で作るぐらいカスタードクリームが大好き。「相席食堂」特別版のダイアンのキャンパス相席。面白くはあったし、ダイアンのファンなんだけど、やはりキャンパスで出会った女学生に対して「彼氏はいるの?」としつこく聞いたりする「お約束」のノリは、自分の中ではもう無しだ。笑いながらも明らかに困惑する女性、自分の娘がおっさんにそんな風に聞かれてたらやっぱり嫌だ。おっさんが若い女性に対して「彼氏いるの?」しか話題も、言葉も持たないってそれじゃだめだと思う。自分も数年前だったら何気なくそんな話をしていたかもしれない。今はもう絶対それは言わない。

NHK+で「スープとイデオロギー」のヤン・ヨンヒ監督のドキュメンタリー「こころの時代~宗教・人生~ オモニの島 わたしの故郷~映画監督・ヤンヨンヒ~」観る。その言葉の一つ一つが重く、強く、見入った。クラシック音楽を愛しながら、プレゼントとして「北」に送られた長兄が壊れていく様、病気療養のため一時帰国した兄との「政治的な」会話、「北」を夢の国だと信じるしかなかった母…イデオロギーが交差する「家」。それでもヤン・ヨンヒ監督はそこから逃げない。北を語ることをタブーにするな、私を腫れもの扱いするな、私は腫れものじゃない。監督の怒りや悲しみ、反骨心や過去・現在・未来、あらゆる想いが込められた魂の言葉に震える。

2022/11/4

BS-TBS中森明菜の特集番組。「ザ・ベストテン」など多くの映像で振り返る中森明菜中森明菜のデビューは小学生の頃。子供ながらに大人びた憂いのあるお姉さんという印象だったが、今見ると童顔でなんとも幼くかわいらしい。それが数年後、「難破船」を歌う頃には、どれだけの修羅場を潜り抜けてきたのかというほどの顔つきに変わっている。スーパースターとして光に当たった分だけ、影は色を黒くする。歌声、表情から、傷だらけで歌い続けてたんだなと感じた。いつか表舞台に出てきてほしいとも思うが、これ以上傷ついてほしくもない。懐かしい映像を観て、ただ幸せであってほしいと思った。