日々の泡。

popholic diary

2021年7月17日~23日の話。

土曜日。朝一でユナイテッドシネマまで。

待ちに待ったMARVEL映画。ケイト・ショートランド監督「ブラック・ウィドウ」を観る。1年待った甲斐あり!単体作品としても、MCU作品としても素晴らしかった!ナターシャという謎めいたキャラを深く掘り下げ、彼女の心をしっかりと描くことで、アベンジャーズにおける彼女の行動の真意、そこに至る心情までもが浮かび上がる。
シビルウォー」と「インフィニティウォー」の間、彼女に何があったのかを描くという変化球でありながら、人間ドラマであり、スパイアクションであり、ファミリー喜劇でもあるという。そして見事に次世代にバトンを渡すという重要な任務を果たす。バトンを渡されるのはフローレンス・ピュー!ピューピューだよっ!ということで「ファイティングファミリー」「ストーリーオブマイライフ」に続く最強の妹役。全世界の妹、フローレンス・ピューがついにMCUに参戦。エンドクレジット後のあのフリ。期待しかない!

一旦帰宅し一休み。しかし一気に暑くなった。

近江八幡まで直枝政広ライブを観に。近江八幡駅から会場の酒遊館までは徒歩30分。汗をかきつつのんびりと歩く。ライブは会場の雰囲気もありどこかリラックスムードで、いつになくノスタルジックな雰囲気もあった。直枝さんのライブはいつも何か答え合わせをしてるような感じがある。今自分が求めているものや進むべき方向を答え合わせするような。最近の自分は少々疲れている。改めて自分の足元を見てみる、そして少し振り返って自分の歩んできた道を見てみる。そこから見えてくるものが確かにある。直枝さんの歌声を反芻し夜道を歩く。全くライブの感想になってないが、直枝さんの歌はなんというかもっと深いところに入り込んでいる。人生のサウンドトラックなのだから。

日曜。朝から実家へ。色々と母の手伝い。というほどのこともできていないが。いっしょにご飯を食べて、話をして。

月曜。まだ夏の序の口なれどすっかり夏バテ。10時には寝てしまう。

火曜、水曜。連休前なので諸々仕事に追われる。

で木曜、休日。朝から京都シネマへ。

まずはマイテ・アルベルディ監督「83歳のやさしいスパイ」を観る。舞台はチリのとある老人ホーム。入所者の虐待が行われていないかを潜入捜査するために送り込まれたスパイは83歳の老人セルヒオ。というドキュメンタリー。沁みた、泣けた、素晴らしい映画だった!紳士的で心優しきセルヒオはいつしか老人ホームの人気者に。一人一人に寄り添い会話をする中で、それぞれの孤独を知っていく。彼もまた妻を亡くし心に孤独を抱えている。「老人」ではなくそこにいるのは長い人生を生きてきた名前のある一人、一人なのだ。

自分ももう50。娘も働き出して子育ても終わった状態。実家には70を越えた母が一人。100を越える祖母は施設に。「老い」という問題が日々大きくなっていく。先日近くの駅で起きた人身事故。翌日の新聞には71歳の女性による飛び込み自殺だったと書かれていた。また別の日には82歳の男性が飛び込み自殺の記事。70年、80年を生きて彼らが選んだ最期に思いを馳せる。何でこんなことになってしまうんだろう。こんな世界あまりにも悲しすぎる。

続いてもう一本はデレク・ツァン監督「少年の君」。大学受験を控える優等生チェン。だが彼女は酷いいじめにあっている。ある日出会った貧困の中に生きるチンピラ、シャオベイ。二つの孤独な魂はやがて惹かれあうが…。ギリギリの場所で出会った二人の今にも壊れてしまいそうな危うく、だが尊い世界。真っ赤な血が噴き出してきそうな胸の痛みを分かち合い、互いが闇の中で見つけた光になる。息をのむような繊細な映像詩。これは紛れもない傑作!これもまた沁みた、泣けた。チョウ・ドンユイ、イー・ヤンチェンシー、二人の若き主演俳優の面構えがとにかく素晴らしかった!

映画館への行き帰りにはradikoで諸々気になった番組を。宮藤官九郎ゲストの「ビバリー昼ズ」。高田先生との丁々発止のやり取り、面白いなー。

「JUNK 爆笑問題カーボーイ」。小山田問題について実に80分にわたっての語り。他人事ではなく自分事として、90年代あの発言をスルーしてしまった社会について、言葉の重さを知る人が、真摯に言葉を尽くしている。意見の違いがあったとしてもその言葉は耳を傾けるに値するし、心を動かす。言葉は重いのだ。

「TOKYO SPEAK EASY」キャイーン×玉袋筋太郎回。「浅草キッド」と「爆笑問題」を間近で見ながら、二組のハイブリッドとして漫才を構築したキャイーン。玉さんからスリリングな話を聞き出そうとする天野君。そしてウドちゃんが場を和ます。

しかし90年代が語られる時代になったんだなー。ってもう2020年代だもんね。自分の中では90年代ってついまだ最近のような気もするがそんなわけないか。ただ思えば90年代って就職、結婚、子育てと自分事に手一杯で社会について考える暇もなかった感がある。

金曜。今日も休み。病院勤めの娘は今日も仕事。娘を送り出し、妻も出かけたので、朝のうちに少し買い物と散髪。午後には映画をまた一本。

イ・ヨンジュ監督「SEIBOK ソボク」を観る。国家の極秘プロジェクトで誕生した人類初のクローン、ソボク。人類に永遠の命をもたらすクローン・ソボクの護衛を命じられたのは余命宣告を受けている元エージェントのギホン。生と死をテーマにしたどこか哲学的なSFアクション。永遠の命を持つソボクと死が目前に迫るギホン。「生きる」とはどういうことなのか、二人は互いの存在を知ることでその意味を知る。壮大でド派手な演出もありつつ、あくまで人間ドラマとしての後味が残る。どこか手塚治虫的な世界観を感じた。

でやっぱりどう考えてもこのタイミングでオリンピックをやることには違和感を感じる。というかここまで金と政治の臭いしかしない汚いオリンピックがかってあっただろうか。本当に酷い国になってしまった。いや、してしまったというべきだろう。

 

今週聴いていた音楽

  • 「ONE」冗談伯爵
  • 「I am a Woman too」Minah
  • 「おとな」YeYe
  • 「[&]」LOONA

 

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