日々の泡。

popholic diary

2019年12月のTweet

2019/12/3

遅ればせながらダニー・ボイル監督「YESTERDAY」を観た。もしもビートルズのことを自分以外みんな知らない世界だったら?という大がかりな仕掛けながら、キュートなロマンチックコメディというリチャード・カーティス脚本らしい爽やかな後味。リリー・ジェームズがいいね。

2019/12/6

大津アレックスシネマでヤングポール監督「ゴーストマスター」観てきた。キラキラ映画の撮影現場を舞台にした血みどろ壁ドンホラームービー。愛すべき映画バカ達の愛すべきバカ映画。三浦貴大演じる主人公が「桐島~」で映画秘宝読んでた神木隆之介のその後みたいに思えてきた。

2019/12/10

アンディ・ムスキエティ監督「IT/イット THE END」を観た。あれから27年後、大人になった負け犬達が再びITと向き合う。思春期に置いてきたもの、自分の中で蓋をしてきたものと正面から向き合うのは怖いもの。そんな恐怖を見事に描いている。それにしてもキャラデザインは漫☆画太郎先生なのか

ソン・シンイン監督「幸福路のチー」を観た。台湾発のアニメ作品。今はアメリカで暮らす1975年生まれのチー。祖母の死をきっかけに昔暮らした幸福路に帰ってくる。人生の岐路に立つチー。大人になることで失ったもの、置いてきたもの…ファンタジックでノスタルジック、でも今を描く傑作!チーの人生を辿りながら、台湾の近現代史、差別やフェミニズムといった問題をも含めて描く。独特のゆるさを持った絵柄と想像力に満ちたアニメーションのダイナミックな動き。なんて豊かな作品なのか。素晴らしかった。

2019/12/12

イ・ジェギュ監督「完璧な他人」を観た。3組の夫婦と一人。ホームパーティの場でひょんなことからそれぞれのスマホに届く着信やメールを全員に公開するゲームが始まる。楽しいパーティはやがて修羅場へと…ってな大人のブラックコメディ。完璧な悲劇であり完璧な喜劇。震えながら笑った!イタリア映画「おとなの事情」の韓国リメイク作。世界各国でリメイクされているだけあってさすがに面白い脚本。それをチョ・ジヌンやユ・ヘジンといった揃いも揃った芸達者達が嬉々として演じるんだから面白さも倍増。言葉、表情、視線一つで絶妙な悲喜劇がツイストしまくる!

2019/12/15

「いだてん」。クドカンのたけし愛がヒシヒシと伝わってきて嬉しい。俺たちが愛し憧れたビートたけしのあるべき現在地を観せてくれた。とでも言おうか、ま、その、嫌いになりたくないんだよ、やっぱり。

ケン・ローチ監督「家族を想うとき」を観た。家族の為に宅配ドライバーとして独立したリッキーだが、個人事業主とは名ばかりの過酷な労働条件に次第に追い詰められていく。家族の為に懸命に働けば働くほど、家族の絆が引き裂かれていく。弱者が搾取されていくシステム。厳しく辛い映画鑑賞だった。朝早くから夜遅くまで必死に働く父と母。もがけばもがくほど沼に沈んで抜け出すことができない。弱者を最初に見捨てたのは国。そして社会がそれを見習う。もはや指し示す希望も無いエンディング。この映画に「感動作」なんてコピーはいらない。無力感に打ちひしがれ掌を観ろ。次に切り捨てられるのは自分だと薄々誰もが勘付いている。システムを牛耳る人たちに自分を同化させて忘れようとする人、決してそうならないと他人を蹴落とそうとする人。疑問に感じながらただ目の前の仕事に懸命な人。システムを壊す一票があるはずなのに上手く使えないでいる

2019/12/21

4週連続の休日出勤イベント仕事もやっと終了。冬の外仕事が耐えられなくなってきたなぁ。映画観に行きたいところだが、今日はテレビ。先週に続きNHKみをつくし料理帖」のスペシャル。いいドラマだったなぁ

大沢誉志幸の初期作品がサブスク配信開始したのでずっと聴いている。中二の時、紳竜司会の「ヤングプラザ」でそのパフォーマンスを観て度肝抜かれて、黎紅堂ですぐに借りた「CONFUSION」。すっかり気に入って次の正月に貰ったお年玉握りしめて初期作3枚まとめ買いした。大沢さんは最初のポップスター。大沢さんは今こそ評価されるべき。ソウル~ファンクを日本のポップミュージックに血肉化させた最重要人物でしょ。数年前にマーク・ロンソンの「Uptown Funk」が流行った時、大沢誉志幸が80年代にやってたやつ!って思ったよ。

2019/12/22

サブスクで80年代によく聴いてた曲をいろいろ辿る。好きだった白浜久が加入してた頃のARB。元々ソロアーティストだった白浜さんがARBのギタリストとして加入した時には驚いたなー。加入後のアルバム「ONE and ONLY DREAMs」は社会派ロックの超名盤。「灰色の水曜日」とか今こそ響く曲

M-1。ミルクボーイ優勝。日頃からNGK祇園花月に通うお笑いファンの妻と娘。ミルクボーイは当然の前提でどのネタを出してくるかで議論。最中よりデカビタの方が良かったかもとか、コーンフレークからの餅が面白いなどと言っていた。

2019/12/23

ジェイク・カスダン監督「ジュマンジ ネクスト・レベル」を観た。「ブレックファスト・クラブ」的な青春映画の傑作だった前作から「ネクスト・レベル」にアップグレードした続編。前作の4人に主人公のお爺さんとその旧友が加わることでコメディ要素が強まり、かつ青春モノから老境モノに。ドウェイン・ジョンソンの堂に入ったコメディ演技にジャック・ブラックケヴィン・ハートの爆笑名人芸、カレン・ギランのキレキレアクション、さらに新加入は「クレイジーリッチ」のオークワフィナ。そりゃ楽しいわ

2019/12/26

周防正行監督「カツベン!」を観た。若き活動弁士の恋あり笑いありのドタバタ活劇。正直ゆるいし、シャープな切れ味はない。でも肩の力を抜いて、のんびり、ほっこり楽しめた。爽やかなかわいげがある主演の成田凌も良かったが、珍しく悪役を演じた高良健吾井上真央が良い。

2019/12/28

ノア・バームバック監督「マリッジ・ストーリー」を観た。舞台演出家の夫・チャーリーと女優の妻・二コール。「離婚」という最後の「共同作業」に挑む二人を描く。愛しきれず憎みきれない。愛と僧の狭間で帰れない二人の姿に泣きながら笑い笑いながら泣く。大傑作だった。自分が吐いた相手を傷つける言葉に自分自身が一番傷つけられてしまう。かって愛し合った記憶に苦しめられながら、やがて気づき、築かれる新しい関係。愚かしく愛おしい男と女を演じるスカーレット・ヨハンソンアダム・ドライバーがとにかく素晴らしい。

それにしても時間の過ぎるのが早い。去年の今頃はまだ10月だったし、なんなら10年前の今頃はまだ8月だった。そんな感じ。

2019/12/30

韓国の音楽を聴き始めて今年で丸10年。全く飽きることなく毎日毎日動画をチェックし音源を聴いているが、今年は悲しいニュースが多すぎた。振り返るのが辛い。

フェルナンド・メイレレス監督「2人のローマ教皇」を観た。保守派の教皇ベネディクト16世のもとに改革派のベルゴリオ枢機卿が辞任を申し入れに訪れる。考え方の違う二人が言葉を尽くしながらお互いを理解し合っていく。穏やかでユーモアのある会話の中にそれぞれの信念が浮かぶ。これまた傑作でした。過去に犯した罪、だからこそ生まれた信念。他者との会話の中でその信念すらもアップデートしていく。迷い、悩み、考え、言葉を交わし、行動する。不寛容で何もかもを切り捨てていくような現在の中で、とても大切なもの描いている。人間の豊かさがはっきりと感じられる作品。