日々の泡。

popholic diary

2014年10月上旬のTweet

2014/10/4

いまさらですが先月リリースされた、さかいゆう「サマーアゲイン」が素晴らしい。確信犯的MC.AT感と言いましょうか、今、この音で、この曲!ってのが最高!で昨日はそんなさかいゆうの滋賀でのライブを見させてもらったのだが、ライブでのこの「サマーアゲイン」の盛り上がりが凄かった。音源よりさらに熱量があって、ついに決定打でたなーって感じがしたなぁ。

ということで今日も映画。イ・ジョンホ監督「さまよう刃」観てきた。原作は東野圭吾。愛する娘を少年たちに殺された父・サンヒョンの復讐劇。これまた「魂の慟哭」を強いる重厚な物語。正義とは何か?をガツンと問いかけるヘビー級の作品だったな。理不尽な暴力を徹底的に描き、復讐に至る男の魂のさまよいを静かに丁寧に映し出す。そして容赦ないビターさで法の不条理を突きつける。サンヒョンを演じるチョン・ジェヨン、追う刑事を演じるイ・ソンミン。人間を突き詰めた二人の演技が素晴らしく、魂を揺さぶられた。「恨」を描かせたらやはり韓国映画は凄い。痛みや悲しみを背負った先に一体何があるのかを突き詰めようとする視線がある。ちょっとしたワンシーンの中に様々な悲しみを背負った人達を見せていったり、その確かな演出にも唸った。

それにしても日本で公開されてる韓国映画の異常なまでのクオリティ、熱量に改めて恐れ入る。エンタメ作から社会派作まで、今観とかないでどうする!?と本気で思う。「日本映画、あと10年は追いつけない」なんて言いたくもなる。

で昼食とりつつクールダウンしてもう一本。リチャード・カーティス監督「アバウト・タイム 愛おしい時間について」観る。いやーこれはもう実に「いい映画」だった。観た人誰もが人生を、今という時間を愛おしく大切に思える作品。素晴らしかった。主人公ティムは21歳の誕生日に父親からある秘密を告げられる。それは一家に生まれた男には「タイムトラベル」の能力がある-というものだった。そんな藤子F不二雄ライクなSF(少し不思議)ラブコメディ。英映画らしいユーモアとロマンチックで洒落た台詞を堪能。主人公ティムと彼が出会うメアリーとのラブストーリーからやがて家族の物語へ。父と子のかけがえのない時間。グッときたなぁ。家族のことを思い浮かべ、そこに流れていく「時間について」を考えた。この映画は全ての人にお薦めです!それにしてもメアリー役のレイチェル・マクアダムスが物凄くチャーミングで、最初の登場シーンからずーっと目を奪われたなぁ。大ファンになっちゃったよ。

2014/10/8

今日は遅すぎる夏休み。でやっぱり映画。ノア・バームバック監督「フランシス・ハ」観てきた。親友ソフィーとルームシェアする見習いダンサーのフランシス。モノクロの映像と絶妙な音楽使い。ポップでキュートだけど、時に残酷な若さや夢との決別の瞬間を描いていて胸に残る作品だった。若さとバカさが空回る時代。ふわふわと背伸びしながら日々を送るフランシスが、自分の身の丈を知り、やがて地に足をつける。身の丈を知ってしまうことは残酷だけれど、地に足をつけて初めて歩きだせる。きっと誰もが自分を観るようにこの映画を観るだろう。

そしてもう一本。イ・ジュヒョン監督「レッド・ファミリー」観てきた。真面目な夫、美しい妻、かわいい娘に優しい祖父。絵に描いたような素敵な一家は北朝鮮スパイによる「偽家族」だった。そんな偽家族が隣家との交流の中で次第に心が揺らぎ始める-ってな話。国家、家族、そして人間の物語だった。脚本を手掛けるのはキム・ギドク。韓国ならではの荒唐無稽でありながら微妙にリアルな設定。「偽家族」の心を揺らす、南の家族がケンカばかりのダメ一家ってのがいい。いがみ合い、ののしり合い、それでも繋がり愛し合ってる「家族」の風景。その愛おしい人間臭さが沁みる。笑いあり涙あり、映画としてのエンタメ性をしっかり持ちつつ、南北統一への祈りがギュッと込められている。そしてそれは南北だけにとどまらず世界のすべての国に向けられた祈りだ。隣のダメ一家のどうしようもないやりとりが、最後の最後で大泣きポイントに。コメディかと油断してたら大変なことになる。それと北の娘・ミンジを演じるパク・ソヨンちゃんがめちゃめちゃ美少女なので要チェック。何度も言うようだけど今上映中の韓国映画外れなし!

2014/10/9

日の「POP DIVER」で特集したアナログフィッシュの新作「最近のぼくら」が素晴らしい。「今」という瞬間が感じられるし、それでいて「残る」アルバムでもある。番組の為に繰り返し聴いたけどハッとする瞬間が何度もあった。こういうアルバムと出会うと音楽聴いてて良かったなと思う。