日々の泡。

popholic diary

2013年9月上旬のTweet

2013/9/2

話変わって、今日の「あまちゃん」。実に思慮深い、真摯な表現で唸った。あの瞬間、その後の心の動きを鮮明に思い出す。震災の数日後、3時間の生放送。混乱する気持ちから逃げずに、誠実な放送をと言い聞かせてディレクションした。

2013/9/3

で今日聴いてたのはマキタスポーツ推定無罪」。芸人にしては音楽性が高すぎる。ミュージシャンにしては芸があり過ぎる。天才はいつでも越境者なのだ。笑いが嫌いな音楽ファンも、音楽が嫌いなお笑いファンも、どっちも好きな人も、どっちも嫌いな人も、まずは聴いてほしい。これは多くの人に聞かれて完結するアルバム。才能の渋滞を解消するにふさわしい開かれたアルバムなのだ。それにしてもマキタさんの声、そのロックシンガーとしての色気が凄い。例えばラジオから流れてきたら、その声に多くの人が引っ掛かると思うな。

2013/9/7

大阪で会議の後ライブへ。寺尾紗穂@ムジカジャポニカ。ステージに寺尾さんが現れてピアノの前に座る。そして音を発した瞬間、空気が変わる。一音でその場の空気を変えてしまう音楽の力がある。彼女が弾くピアノにはまるで古代人が刻んでいるようなリズムが宿ってる。凛とした佇まいから発される音は、多くの弾き語り系女性SSWのそれとは似て非なるものだ。癒される~なんてものとは真逆。なんというか根源的なという意味でラディカルで、しっかりと根を張った逞しさがある。そんなことを考えてる時に「やつらの足音のバラード」のカバーが始まった。寺尾紗穂さんの音楽は、ここ20年ぐらいで出会った音楽の中でも、その強度はズバ抜けている。圧倒的な強さを持っている。それでいてしなやかなのだ。その音を聞いて、心が動くのを止めることが出来ない。たとえ言葉がわからなくてもそうなるだろう。地球上のどこにいても彼女の音楽は響くだろう。

仕事の事はあまり書かないようにしてたが、今日は自分が関わる番組でDJさんをそそのかしマキタスポーツさん「推定無罪」特集を敢行。来週月曜は韓国インディーの雄、10CMのコメントをオンエア。さらに水曜にはYeYeちゃんがゲストに!これからは出会いに照れずに積極的に動いていきます。

2013/9/11

今日は担当番組のゲストにYeYeさん。ブース越しにYeYeさんの生演奏を聴きながら、あぁこれこそが俺のやりたかったことだと思った。どこかで誰かが、ふいにつけたラジオから流れる見知らぬ音楽と出合う。ラジオは「いつか必然になる偶然」を生みだす装置なのだ。で一足先に聴かせてもらったYeYeさんのニューアルバム「HUE CIRCLE」。多くの人が聴いて驚くと思う。ある程度のクオリティは予想できるだろうが、それをはるかに超えているのだ。風通しの良いポップと密室的なマッドが同居している。渦巻く才能が渋滞を起こしてる。ちょっと凄いよ。

2013/9/13

会社帰りに映画を一本。スティーヴン・ソダーバーグ監督「サイド・エフェクト」観てきた。キッチリとした映画を観たという感じ。役者の確かな演技、抑制が効いた的確な演出、緻密な脚本。申し分ないはずなのに、ちょっとこっちが乗り切れなかったな…。もちょっと万全の体調で観てたら違ってたかも。受けきれなかったのが残念。でもルーニー・マーラの危うい魅力は良かったな。

で明日は5時起きでお仕事。あまちゃん音楽会観て、寝よ。能年ちゃんの笑顔のキラキラ具合がハンパない!眩しすぎる!

2013/9/15

一日雨。映画観に行けなかったので、家で蔵出し。大林宣彦監督07年作「転校生~さよならあなた」、08年作「その日の前に」を観る。ともに「死」がメインテーマとなる作品。改めて観ると震災を挟み「この空の花」に結実していく「生と死」の物語がより立体的に浮かぶ。点と点が線になり、層を作る。映画「転校生」では寺尾紗穂さん、「その日のまえに」ではクラムボン。それぞれの音楽が名助演。そしてどちらも山田辰夫さんが素晴らしかった。09年に53歳の若さで亡くなった山田さん。その姿もまた物語になる。