久々の更新です。
ということで2015年極私的ベストアルバムを
1位「楕円の夢」寺尾紗穂
2位「YELLING」柴山一幸3位「Coffee Bar Cowboy」藤井隆4位「Rice&Snow」Negicco5位「Obscure Ride」cero6位「WONDERLAND」sébuhiroko7位「肖像」杉瀬陽子8位「Portrait in Rock 'n' Roll」ウワノソラ'679位「UNO」Rei10位「NEW RHYTHM」シンリズム
とこんなんでましたけど。実際のところ、ここ数年は購入するのはもっぱら韓国音楽でアレもコレも聴けてない状況ではありますが、それでもまぁ仕事柄幅広くは聴いてるかな。新しいアーティストと出会いたいという思いは常にあるのだけど、十分とはまだまだ。
そんな前置きはさておき1位にあげたのは僕の年間ベスト常連の寺尾紗穂さん。音楽に社会性を求めることは基本ないのだけど、この社会に生きている限り無視できない。2015年という時代、その社会を考えた時やはりこのアルバムを1番に挙げざるをえなかった。とは言ってもそこには当然、時代を越える優れた音楽性。いや、“優れた”なんて気取ったいい方じゃダメだな。もっと単純に、胸に突き刺さる音楽がある。思慮深く社会を見つめる目と確かな熱量がある。なんというか音楽家としてだけでなく人として信頼できる。うん、ちょっと格が違うというのかな。なにしろとんでもなく強くて優しいよ、この音楽は。
で柴山一幸「YELLING」は今年一番熱くなった音楽。同世代の音楽家の奏でる音楽に背中押される気分。嫉妬じゃないけど、なんか俺もやらなきゃって思わされた。ここにもまたとめどない熱量があったな。
藤井隆「Coffee Bar Cowboy」とNegicco「Rice&Snow」はとにかく音と曲が好み!今年よく聴いたアルバムの双璧。ソングライター藤井隆の才能に驚き、Negicco3人の歌声のアイドル性と多幸感に包まれた。どっちも名盤!
続くceroにsébuhirokoはまさに“今”の音。世界を広げてくれるような新しさを感じた。ワクワク感っていうのかな。なんか、次の一歩に進んだって感覚が音の中にあって、それは音楽を聴き続ける理由でもある。
杉瀬陽子「肖像」は生真面目な前作も良かったがより軽やかでバラエティに富んでいて、彼女の持つユーモアとかかわいらしさがより鮮やかに表現されていて素晴らしかった。
そしてナイアガラサウンドを工夫とセンスで軽やかに再現して見せたウワノソラ'67。そのサウンドにも驚かされたが、僕は楽曲の物語性にこそ惹かれたなぁ。優れたソングライターは優れたストーリーテラーである。作家とシンガーの幸福な出会い。一曲一曲が持つ物語の世界に連れて行かれた。ここではないどこかへ連れて行ってくれる音楽だった。
若きギタリストReiにも驚いた。エモーショナルでブルージー、それでいて抜群に新しい。超大型新人!ビシビシに才能を感じたなぁ。続くシンリズムもまさにそうで、“最近の若いモン”の伸びやかで眩しいばかりの才能に驚かされる喜び。もう僕は若くはないけれど、だからこそ感じられる喜びもある。そして若き彼女、彼には僕らなんか軽く飛び越してもっともっと世界に向かってその才能を広げていってほしい。
とこんな10枚を選びました。あっそうそう、慶一さんと直枝さん、小西さんのアルバムについては外しました。この3人は殿堂入りで人生の指針。当然多くのことを感じ、考えさせられました。
あとその他に印象的だったアルバムは「パラード」ザ・なつやすみバンド、「à la carte」藤原さくら、「Blue Avenue」花澤香菜、「ア、町あかり」町あかり、「僕とジョルジュ」僕とジョルジュ、「井手健介と母船」井手健介と母船、「Almost A Rainbow」Analogfish、「世界各国の夜」VIDEOTAPEMUSIC、「Three to 2,1」HAPPLE、「図書館の水源郷」図書館、「You Love Me」星野みちる、「逆光で見えない」日食なつこ、「The wonderful voyage 」さとうもか、そして「YELLOW DANCER」星野源。
で、いつもと同じ締めの言葉を。
ベストアルバム、順位は付けたものの、あくまで「今」選んだらそうなったということで、とにかくどれもお薦めできる素晴らしいアルバム。もちろん好みは人それぞれなのだけど、誰かがこれを読んで、気になったアルバムを聞いて、音楽を好きになってくれたら、とても嬉しい。