日々の泡。

popholic diary

バカヤローは愛の言葉

久々に更新するぞ、バカヤロー。ということでまた映画話。

北野武監督「アウトレイジ・ビヨンド」。おもしろかったぁ。面白さにもいろいろあるけど、唸っちゃうようなおもしろさ。軽く前作越えてきちゃうもんな。

怒鳴り合い、殺し合いのバイオレンス映画ながら、知的好奇心をくすぐられるようなおもしろさ。理数系やくざ映画。左脳が喜ぶ感覚。いわば「殺し合いのピタゴラスイッチ」なのだ

ピタゴラ装置のごとく、殺し合い合戦がどこに転がってどういう結果をもたらすかの筋道、その組み立ての計算が完璧。その上でのエモーショナルな怒鳴り合い。人の出入り、言葉の応酬の確かさは芸人ビートたけしの真骨頂。

それにしてもバッティングセンターでの×××シーンは凄かった。映画史に残る名シーン。恐怖と笑いの表裏一体ぶりに唸った。

前作に続き音楽は鈴木慶一さん。素晴らしすぎた。慶一さん、世界中からオファー殺到するんじゃないか。完全に新しくてかっこいい映画音楽の新しい地平に到達。

ということで北野武監督「アウトレイジビヨンド」。完璧な設計図のもと構成された物語。しかしそれはただ「巧い」ってもんじゃない。その根底に流れるのはたけしの男気であり、無常感そして生きざま。80年代に青春を過ごした男の子にとってビートたけしは特別な存在であり、一種の思想なのである。2012年の今もまた、こうしてたけしの生きざまに痺れてる。