日々の泡。

popholic diary

タイムマシンにお願い

今日も雪がチラチラ。8時に目覚ましかけてたものの、あまりの寒さに布団から出られず。結局10時になってノソノソと布団から這い出す始末。娘が宿題やってる間に掃除機かけて、それから二人でちょっとブックオフに。昼飯食って一休みってとこで、訳あってちと会社へ。車の中からふと歩道を見てみると、吹きすさむ雪の中を必死の形相で自転車を走らせる男性が。よくみるとめんちかつ(id:nota10)さんだった。ご近所ならではのミラクルに思わず笑ってしまいました。
で夜、映画を一本。滋賀会館シネマホールで永田琴監督「Little DJ 小さな恋の物語」観る。
1977年の函館が舞台。野球とラジオが大好きな少年・太郎は海辺の病院に入院することになった。太郎は病院でお昼の放送のDJを勤めることになる。そんな時、太郎は一つ年上の少女・たまきと出会い、小さな恋が芽生える。しかし病魔は太郎の身体を…なんつーお話。はっきりいって、薄っぺらな難病もの、お涙頂戴ブームの昨今において、このストーリーだけ見るとプイ〜ンと匂うぐらい臭くって、とてもじゃないけど観る気しない。僕も普通ならスルーするとこなんだが、辛口のミルクマン斉藤氏が褒めててなんか気になった。で観てみたんだが、これが…良かった。それもかなり。きゅんとなった上に、まんまと涙のカツアゲをされてしまった。まずは永田琴監督、この名前は覚えとこう。ベタベタな映画だったら嫌だなと思ってたがファーストシーンで大丈夫だと思った。だっていきなり掟ポルシェがDJ役で大事マンブラザーズ流すシーンなんだもん。ストーリーは臭いが、臭み抜きがしっかりしてあって気持ちのいい仕上がり。主役の神木隆之介君は卑怯なぐらい巧いな。子役じゃなくて俳優として演じきれてるからなぁ。たまき役の福田麻由子ちゃんも特別美少女じゃないが、あぁ確かに同級生にこーいうかわいい子いたなぁっていうとこが巧く出てた。難病お涙頂戴ものなので着地点はある種見えてるんだけど、そこをピークに持ってこず、誰もが思い当たる初恋の胸キョン感を丁寧に描いてるとこが女性監督ならではの繊細さ。子持ちの童貞と呼ばれる身としては、どうしてもキュンときちゃうな。それと大人の描き方がいいんだ。主役の太郎と同室になる病人が光石研松重豊!もうこの二人、観る映画観る映画出てんだけどいい。この二人が写ってるだけでポイント高いよ。実際この二人が物語を印象づけるいい役なんだ。それから音楽。病院でDJをすることになった太郎が一曲目に流すのがシュガーベイブの「SHOW」。センス良すぎやろ、この中学生!と突っ込みたくもなるが、これもツボ。それから、さすがにこの年なのでラジオ小僧だった少年時代を思い出しつつも父親目線になってしまう。両親役の石黒賢西田尚美も抑え目ながらここ一番でキュキュキュッと物語を引き締める好演。石黒賢に泣かされるとは。でも、まぁ小学校の時からマイラジオを常に布団の横に置いてた上に、なんの因果か今現在ラジオ局で働く身としては、グッとくるポイント多かった。なんか妙に「ちゃんとやろう」って気になったな。とにかく食わず嫌いになりがちな映画だろうけど、これはお勧めします。