日々の泡。

popholic diary

救われる気持ち

アースダイバー早速ですが、中沢新一「アースダイバー」読了。「ほぼ日」での縄文話も相当おもろかったが、これは久々に興奮する読み物だった。縄文地図を手に、現在の東京-その土地が持つ記憶を探る旅。学術的に読めば「こじつけじゃねーの」って思う人もいるのかもしれないが、僕にはおもしろかった。地球の歴史に比べたら、人間の歴史なんてたかが知れている。所詮、人間なんて地球に住み着いた寄生虫みたいなもんだ。「地球に優しく」なんて思い上がりもいいとこなのかもしれない。地球にとっちゃ、人間が滅びようがそんなこと知ったこっちゃないだろう。土地の歴史、土地の記憶の前で、人は無力になる。そう言えば確かにその土地、土地の持つ雰囲気だとか、匂いってものがある。それはそこに住む人達によって形成されていくもんだと思ってたが、全く逆で土地が人を呼び寄せるんだな。人の力なんて土地の力に比べりゃ取るに足らないってことなのだ。にしてもこの「アースダイバー」、「異形の怪物としての金魚」とか、「生と死をつなぐ橋としての東京タワー」とかいちいち話がおもろい。全然難しくなくて、むしろこんなロマンティックで官能的な読み物はない!ってぐらい。グッとくるフレーズも満載で付箋貼りたくなるページ続出。とにかくこれ読むと、街を歩きたくなる。いつもとは違った目線で土地の匂いを感じながら。
会社帰り、先輩に誘われラーメン。近江鶏の塩ラーメン、美味しい。美味しいものを食べると幸せな気分になれる。美味しいものを食べて幸せな気分の人を見ると、これも幸せな気分になれる。普通にそういう風に思えて、それをつなげていければいいなと思う。単純だけど、たやすくはない。でもそこに行きたいのだ。