日々の泡。

popholic diary

本当の嘘

昨日の「時効警察」。ゲストは森口瑶子さん。地味な女優さんだけど、この人めちゃめちゃ美人だよねぇ。もう10年以上前から、CMやらドラマで見つける度にじーっと見てたんだけど、いかんせん名前言ってもパッと浮かぶ人が少ないようなので自己消化してたんだよ。我が脳内で依然編纂中の「世界美女100選」では、結構最初のほうのページに載ってる。で園子温・作の今回は「時効警察」にしては湿っぽく重めだけど、はっきり言って好きな世界です。ナンセンスとセンチメンタルが混在してるってのが、実は僕の文章の理想形であるのだ。しかし、麻生久美子はちょっとやりすぎだったね。…でもカワイーから許すっ!
そのままボケーッと「ますだおかだの角パァ!」。なんだかんだ言って毎回見てるような…。松竹らしい垢抜けないユルさ具合が割と好き。TKOの木本が、なすなかにし・中西に放った「チャンス感がない」には笑った。
で今日は9時起き。娘と目玉焼き。で朝から保育所状態に。子供らを遊ばせながら、雑誌読んだり、ビデオで「ガキの使い〜」「リンカーン」などチェック。昼は残り物のトンカツを使ってカツ丼作る。なかなか美味い。午後からもダラダラとテレビ。不意打ちの漫才番組「うめこの漫才」。実に30分丸々「矢野・兵頭」で押し切っちゃったよ。でこの漫才がいい。洗練とは真逆の方向で、面白さを開花させる矢野・兵頭。日常のウダ話を漫才として成立させる二人の呼吸と技術。完全に頭OFF状態で見てて、普通に声出して笑っちゃったもん。オモロイナー。
夕方、妻と娘は同じマンションのチビッコ&奥さん軍団でお好み焼きパーティーなんだとか。そんな訳でもはや別宅・滋賀会館シネマホールへ。
豊田利晃監督「空中庭園」観る。「家族の間では秘密をつくらない」というルールのもと、まるで秘密のないように見える家族。だがやがて綻びだす家族のルール。小泉今日子演じる主婦・絵里子は闇をないことにすることで、光をつかもうとしてきた。完全な笑顔の裏で、知らず知らずのうちに拡がっていく深い闇。家族みんながそれぞれに闇を持っているのに、ルールに固執し目を背ける絵里子。この小泉今日子が素晴らしい。心底、素晴らしい。完璧な笑顔の裏の、深い闇。見事に表現していた。ほんと怖いぐらいに。で途中これこそホラーじゃないか!と思うぐらい怖いんだよ。小泉今日子はじめ、母親役の大楠道代(この人は、凄い。強烈な存在感。バースデーケーキを前に、小泉今日子と彼女が対峙するシーンの緊迫感たるやゴジラキングギドラの比じゃない)、娘役の鈴木杏、夫の愛人役ソニンに至るまで、もう女って怖ぇーって震えたね。フラフラと浮遊するようなカメラワークが、静かに緊張感を高めていく。そしてラスト、闇を見つめることでその先の光を見出した絵里子の姿に深く感動。泣いちゃったよ、これには。それから軽くていい加減な夫(板尾創路、好演!このキャスティングは最高)が娘に「お母さんを愛してあげなよ」と言われ、飄々と、でもある種の自負に裏打ちされた凄みを持って応える台詞(ネタばれになるから言いませんね)に共感。このシーンの板尾は素晴らしいよ。しかしこれは家族という脆く不確かな存在、人間の持つ光と闇を真正面から捉えた骨太で見応えのある映画。小泉今日子の名演も含め、名作の太鼓判押しとこう。
でも昨日書いたことと、見事に符合する内容の映画で、ちょっとドキッとしたな。秘密は誰にでもある。赤裸々に書いてるこの日記だって、全部嘘かもしれないよ。っつーか、本当に一番言いたいことは言えないもんでしょ。