日々の泡。

popholic diary

グッドタイムス&バッドタイムス

目覚ましが鳴る45分前、実家からの電話で起される。叔父が亡くなったという知らせ。今晩がお通夜で、明日が告別式。もうながく寝たきりだったからそうなのかという感じではある。もう一眠りしようかと思ったが、結局寝付けずに起きる。
カーテンを開けると、いつもの黒猫が朝飯を待っている。今では窓を少しあけると、なんのためらいもなく部屋に上がりこんで、ニャーニャーと催促する。ドライタイプの餌に加え、缶詰にミルク。僕のごはんが無いときはあっても、こいつの餌が切れていることはない。優遇されてやがんなと思い、トーストを焼く。
いつものように会社へ。少しターボかけて仕事して早退。帰宅して喪服に着替え京都の葬儀場へ。親族の控え室でお茶を一杯。久しぶりに会う親戚達と挨拶。考えてみればこんな時にしか顔を会わせる事もなくなった。今日は受付担当。つつがなく通夜は終る。妻と娘は先に帰して、明日の打ち合わせやらなんやら。そして両親を京都の実家まで送る。
亡くなった叔父は父親の兄。早くに父親を亡くしてから、姉、母、そして兄を看取った僕の父。これで自分が属していた家族が誰一人いなくなったわけだ。どんな気持ちなんだろう。もちろん父には、妻がいて子供(僕のことね)がいて孫(我が娘のことね)がいるんだけど、自分が子供として属していた家族はもうないのだ。助手席の父がぽつりと言った-寂しいな-。不純物の全くないその言葉は、紛れもなく父の心から湧き出てきた言葉だろう。明日で69歳になる父親でも、やっぱりそう思うんだな。
その言葉にね、子供である僕は胸を打たれた。
両親を実家で降ろして、そのまま大津へ。真夜中の国道を一人、車走らせる。家族のことを思いながら。