日々の泡。

popholic diary

峠のわが家

今日も晴天。いつものごとく仕事。外回りの途中、道の駅でコロッケパンを頬張る。一体、俺は何をやってんのだ。空にはひこうき雲
で今日は映画話。この前観た是枝裕和監督「歩いても歩いても」。
15年前に不慮の事故で亡くなった兄の命日。横山良多は妻と息子を連れて開業医だった父と母が暮らす実家へ。実家には賑やかな姉夫婦も。その二日間をカメラは淡々と映す。何が起こるわけでもない。でも、これが良かった。実に良かった。家族の中に流れる愛憎。激しいものじゃない。家族だからこその愛憎が滲み出る。でその愛も憎も込みで、家族なんだなと感じる瞬間。たまらんかったな。頑固な父、お喋りで常に動いてる母。ちょっと依怙地な次男、陽気な姉。なんだろうこの「ザ・実家」感。母が喋るもう何度も何度も聞いた家族の思い出話に苦笑したりするようなあの感じ。わかるわぁ。結婚して家を出て僕ももう10年以上がたつ。実家に帰るとどこかほっとする反面、居心地の悪さもある。そのあたりの感覚が実によく出てた。誰もがこれを見たら家族のことを考えるだろう。決してやさしいだけの繋がりじゃない。でもまた時が過ぎ、順送りで家族が繋がっていく。じわーと染み込んでくるような映画。母親役の樹木希林。(樹木希林といえば「honnin」誌の吉田豪によるインタビューは必読!あの吉田豪を完全に追い込む樹木希林。もはや読んでる方まで胃が痛くなるレベル。内田裕也をダンナにするなんて樹木希林て凄いなって思ってたけど、逆。樹木希林をヨメにした内田裕也が凄いと思ったな。)がとにかく素晴らしい。「東京タワー」のオカンよりはるかに良かった。それからYOUもいいんだ。母と娘の気安い間柄がうまく出てたなぁ。いや、ほんと、何も起こらない、光石研も出てこない(寺島進は出てくるけど)映画だけど、お勧め。一人で観て、ふっと家族のことを思い出してほしい。