日々の泡。

popholic diary

ちいさい日曜日

8時半起床。家族は姪っ子といっしょに京都でやってる「ワンニャンフェスティバル」に出かけたので、今日は一人。「おじょママ」とか見ながら、オムレツの朝食。で10時過ぎには、ユナイテッドシネマ大津に居るという・・。
で今日はミシェル・ゴンドリー監督「エターナル・サンシャイン」観る。脚本チャーリー・カウフマン、主演はジム・キャリーケイト・ウィンスレット。喧嘩別れした恋人クレメンタイン(ケイト・ウィンスレット)が自分の記憶を消してしまったことをしったジョエル(ジム・キャリー)はショックのあまり自分も記憶を消そうとするが・・。というお話。まるで藤子F不二雄の短編のような、スウィートでビターなSF(少し不思議)ラブストーリー。抑えた演技のジム・キャリーが素晴らしい。現実と記憶が交差する複雑な構成、よくぞこの脚本をここまで完璧に映像化したなぁという映画としての出来もさることながら、やはり誰もが胸に持つ恋の喜びと痛みを主軸にきっちりと語ってみせた脚本の妙が凄い。つーか、俺、こういうのめちゃめちゃ弱いんだよねぇ。がっちり胸をえぐられたよ。記憶を消しても、惹かれあう魂と魂は、いつか必ずまた出会う。いくら傷ついても、恋をすることを止められない。いつか壊れてしまうものだとわかっていても。柔らかな光が差し込むようなラストシーンの優しさに感動。
でそのままヴィレッジヴァンガードタワーレコード紀伊国屋覗く。金欠ではあるんだが、落語特集の「笑芸人」16号と、真夜中の弥次さん喜多さん特集の「Cut」誌購入。
笑芸人」落語特集はこぶ平改め林家正蔵を大々的に。ちょうどこの前、辛口の友人となぜか「こぶ平」話。「正蔵襲名なんてもってのほか。器じゃない、なぜに断らないのか。お練までしたらダメ!」とまさにぶった切る友人に対して、「いや、いや認めてあげてよ」思わずこぶ平擁護に回ってしまった。ま、この段階ではとっさに・・というとこだったが、高田文夫氏との対談、小朝師匠のインタビューなどを読むにつけ、正式にこぶ平擁護に回ることにした。
昼はやきそばを一人作って、録画してたビデオチェックしながら昼食。
そして夜、京都のライブハウス拾得へ。西村哲也青木孝明、加藤千晶のライブに友人と。開場時間ぴったりに行ったら客二人だけ。とりあえず、するめを肴に梅酒のソーダ割り呑みながら、早速「エターナル・サンシャイン」勧めたりウダウダ話。開演20分前になってやとお客さん集まりだす。一安心。でライブスタート。まずは西村哲也氏。1月にもここでライブ観てるが相変わらず声がいい。ロッキンな歌声と、ゆるくも楽しい人柄がにじみ出たMCが最高。早くアルバム出ないかな。で次は加藤千晶さん。今日はこの加藤さんのライブ観たくてやってきたのだ。97年のアルバム「ドロップ横丁」00年の「ライラックアパート一〇三」は相当聴きこんでる。あの世界がどうライブで披露されるのか、もの凄く楽しみにしてたのだ。ギター・鳥羽修、ドラム・高橋結子とのトリオ編成で実に楽しいステージ。ちょっとジャズっぽかったりして気持ちがスウィングする。加藤さんの素直な歌声もいい。ここにある音楽は決して大袈裟なものじゃない、何百万枚と売れるものじゃないかもしれない。でも確かにここにある音楽は、僕の心に届き、幸せを与えてくれた。今日、会場にいた人みんなそう思ったんじゃないかな。思わず笑みがこぼれるような音楽。最高です。で次は青木孝明氏。10年ぐらい前に一度ステージを観てるが、その時は生真面目で堅い印象だったんだけども、今日ははじけてたなぁ。客席に降りて歌いまくる姿は、音楽の喜びに満ち溢れていたよ。パワフルでエンターティメントしててこれまた楽し。ラストは3人で「木綿のハンカチーフ」。加藤さんの声がぴったりはまって気持ちいい。ここにあるのは小さな音楽。音楽家によって作られた音楽がそのまま心に響く。町の小さなパン屋で作られた焼きたてのパンのおいしさ。ここにある音楽はそういったもの。これこそ贅沢で豊かな音の楽しみ方ではないか。終演後も友人と幸せな音の余韻を楽しみながら、一杯。青木さん本人から最新アルバム「ONE DAY」を、加藤さん本人から、久住昌之氏とのユニット「Chichi and Qooke」の手作りCD-Rを購入。「これ、へなちょこですよ〜」という加藤さん。実は数年前、HPで加藤さんのアルバムを激賞してたら、ご本人からメール貰ったことがあって思わずそんなことを話する。いや、ドキドキして、まともに目見れなかったな。西村さんに「グランドファーザーズ時代から聴いてますよ」と握手してもらう。そして一応、業界の隅っこ人、いつかお仕事したいと名刺渡す。こういう音楽を一人でも多くの人に届けるのが、僕のすべきことなんじゃないかと思ってる。