日々の泡。

popholic diary

HIMAWARI

そんな訳で昨日のライブ話。大前チズル生誕50年記念ライブ@RAG。大前さんを知ったのは西村哲也さん率いるPORK PIE HATSのキーボーディストとして。ロッキンな西村さんの音楽を支え、彩るグルーヴィーなプレイは毎回最高。そんな大前さんのバースディライブとくればそりゃ行くでしょ。PORK PIE HATSのベーシスト、中島かつきさんの軽妙な司会と重厚なベースプレイをお伴にライブスタート。ジャズ、ソウル、ロック、ポップス…と様々なボーカリスト、ゲストプレイヤーが入れ替わり立ち替わりステージを展開。大前さんのピアノは時に力強く演奏を引っ張り、時に流麗に音楽を彩り、時に包み込むように音楽空間を築く。まさに大前さんの歴史と今を感じさせるステージ。いつも若々しい大前さんだが、その腕に刻まれた年月が音楽の幅となり深みにちゃんとなっている。なによりこれだけの人-ステージの上も、客席も-みんなが大前さんが奏でる音楽によって結びつき集まってんだ。大前親分の下にどんどん人が集まってくる感じ。音は人なりっちゅーか、懐の深さを感じたな。
で我らが西村さんももちろん登場。大前さん、中島さんとのGREEN PORK PIE HATS仕様で、これまたド渋い選曲で聴かせる。「HIMAWARI」なんて曲は二人のサポートによってグルーヴ度が桁違いに増加する。こじまいづみさんをコーラスに招いた「キッチンミュージック」も素晴らしかったな。そうそうMCで「西村会」話をしてくれた大前さん。そのさりげない気遣いに感激。
それからこじまいずみさんの華やかなオーラには圧倒されたな。歌声の届き方が半端じゃない。大前さんリクエストのPerfumeカバーの半端ないかわいさにもやられた。あと着物姿で現れたMAKOTOさんも一瞬にして空間をモノにするパワーが素晴らしい。生まれ持ってのスター性っちゅうのかな。さすがだな。普段クラブミュージックはあまり聴いてないのだけど、ハンドレッドバーズチームの演奏には身体が自然と揺れた。音を奏でることの喜びが溢れてたな。
でアンコールラストで聴かせた大前さんのオリジナルナンバーが凄かった。アヴァンギャルドとエンターティメントを行き来する迫真のピアノプレイ。ミュージシャンの血と骨、大げさに言っちゃうと音楽が存在する意味を感じさせる演奏。大前さんの凄味を目の当たりにした。
そんなわけで実に3時間。それでも全く飽きることなく楽しめた。スムーズなステージ展開、全体の構成ここにも大前さんらしい気遣い、楽しませようという高いプロ意識が感じられたな。それにしても50歳、かっこいい!これぞ大人でしょ。