日々の泡。

popholic diary

2003年11月下旬の話。

2003/11/16
休日。朝から床屋。1800円の格安ながら約3ヶ月ぶり。ほんとは毎日でもあのゆったりした椅子に座って美しい女性にシャンプーしてもらいたいところだが。「髪結いの亭主」は男の夢だなぁ。で家族の為に昼食作り。もう休日の昼ごはん(最近は夕食も)は俺の担当になってしまった。妻は全く動こうともしないもの。で昼からみんなで買い物。オープンしたばかりの電気店で「電気あんか」とか「CD-R」とか「乾電池」なんてどっちでもいいようなものを買い込む。レコード屋、本屋の次に好きなのは電気屋かもしれない。おやつに今秋初の「モンブラン」。やはりウマイ。モンブラン最高!夕食は作りこむのが面倒だったのでお肉買って焼肉。塩だれうまし。だいたい日曜は「ちびまる子ちゃん」「サザエさん」ときて「これが日本のベスト」見る。「これが太田のベスト3」が最高で家族で笑い転げる。風呂入ってからは「ビフォーアフター」。しかしこれリフォームというよりほぼ建て直しになってきてるね。こんな家に住みたいにゃーと思うものの、あの出来上がりのキレイさを保つのは至難の技だろうな。

2003/11/17
朝はちょっと寒くなってきたな。特別、何もない一日。日記でこう書くのが一番つらいんだよなぁ。寝る前に読む本は藤子不二雄A「Aの人生」。藤子不二雄Aという人もおもしろいんだよなぁ。抒情とブラックユーモア、その揺れ幅の広さ。で嫁のことを「ワイフの和代氏」と呼んだりどっか日本人離れしてておもろ。人生を楽しむって実は物凄く難しくて、それをちゃんとやってる大人ってほとんどいないんじゃないかな。この人はちゃんと大人として人生を楽しんでる感があってそこが凄い。

2003/11/18
夜、大阪まで映画の試写会。仕事で映画ただで見れるなんて、転職してよかったと思う。で映画はジムキャリー主演「ブルースオールマイティ」。いかにもハリウッドな笑いあり、ちょいほろっとさせつつみたいな王道のロマンティックコメディ。こういう映画はほとんど見ないのだが、まぁ普通に楽しむ。ついてない男が万能の「神様」になって・・・っていう話でアイデアレベルははっきりいってしれている。ハリウッド映画は確かにお金もかかってるし、エンターティメントしてるがアイデアということでは、手塚治虫や藤子F不二雄の短編なんかのほうがよっぽど深いしおもしろいと思う。で一つ感心したのは「ジムキャリー」である。やはりハリウッドで主演を張る男のブレのない演技、エンターティメントぶりは凄い。日本でこの役ができる俳優がいるだろうか?とふと考えるが思いつかない。悩んだあげく、やっと思い当たったのが「堺正章」。20年前のマチャアキならこの役できたかも・・なんて思う。

2003/11/19
今日も、一日お仕事。仕事もはやく終わって8時には家に着く。娘とお風呂に入って、トリビアとか見てという一日。今更ながら「新しい単位」という本を眺め、そのあまりのくだらなさに笑う。五月女ケイ子のイラスト最高だな。そうそうカーネーションの公式HP、トップページに鈴木祥子とのライブ写真が載ってるんだけど、真ん中にドカンと写ってる邪魔ッけな客の後頭部。友人からの指摘で見てみたら俺だった。

2003/11/20
今日は、朝から京都で仕事。昼はセルフのさぬきうどん。これ一見安そうだけど、天ぷらとかおにぎりとかつけていくと結局、普通の定食レベルの金額になるんだよね。こっちは安月給の身、妻から支給される昼食代は一食400円以下というキビシイもの。空き時間に烏丸御池の本屋へ。広くて気持ちいい。夜、「ダウンタウンDX」で「なかやまきんに君」くだらねぇー(褒め言葉)

2003/11/21
パルコで商談後、そのままタワレコへ。「READYMADE MAGAZINE no.2」と忌野清志郎「KING」購入。それから映画観にいく。今月、実に5本目!どうしたことか。イザベル・コヘット監督「死ぬまでにしたい10のこと」。原題は「my life without me」こっちのほうがいい。とても丁寧な映画でジワッと感動。死を宣告された女性が「死ぬまでにしたい10のこと」を一つ一つこなし、過ごす日々。出てくる人は皆、ごくごく自然にいい人たちで人生を誠実に生きている。主演のサラ・ポーリーが「God only knows」を歌うところがツボで少し泣いた。「死」という答えを持って誰しもが生まれてくる。その「答え」を忘れて過ごす毎日は何もなく、時々とても退屈に思える。それでも何も無い日常を地に足をつけて誠実に暮らすことは大切だ。「死」という答えを突きつけられた時、そのことの美しさに気がつくのだろう。で俺が死ぬまでにしたいことってなんだろうと考える。やっぱり考えるのは娘のことで、この主人公がやったように娘が二十歳になるまでの毎年の誕生日メッセージを残すこと。この日記を娘が大きくなった時読めるようにしとくこと。娘の為におすすめCDと本を選んでおくこと。娘のポートレートを描くこと。スペインには死ぬまでに行っときたい。できれば娘とガウディを見たい。あとはまぁ雄琴で豪遊とかかなぁ・・っていきなり下世話だな。そうそう、いい映画だったんだが、一言。パンフの作りが甘い。例えば、先に述べたようにブライアン・ウィルソンが作った「God only knows」がこの映画のポイントでもあり、ある種テーマでもあるのに、パンフには一言もこの曲のことを書いてない。パンフは映画のサブテキストみたいなもんなんだから、もうちょっと丁寧に作るべき。映画みて、あの曲誰のなんて曲なんだろうと思った人はいっぱいいるはず。その疑問に答える唯一のものがパンフなんだから、そこは押さえておかないと。

2003/11/22
休日。朝は娘と目玉焼きの朝食。妻はバイトなので娘に「どっか遊びに行こうか?」と聞くと「家で遊びたい」とのことで遊ぶ。昨日の残りのカレーは昼食。同じマンションのキョウカちゃんが遊びに来て、娘はキョウカちゃんとそのママと図書館へ行くことに。残された僕は宍戸錠「シシド」読む。中学2年の時、小林信彦「日本の喜劇人」という本と出会った。これは僕にとってはもはや「バイブル」で、この本と出会うことで、僕は「ウォッチャー」人生を歩むことになる。でこの本の中で丸々一章を割いて取り上げられている人物が「宍戸錠」なのである。70年生まれの僕が日活映画全盛期なんて知ってるはずないが、この一章を使って評された「宍戸錠」という怪優に俄然興味を持った。あの個性的な頬が「醜くなる」為の整形手術によるものだと知ったのもこの時で単純に「スゲェ」と思った。でこの「シシド」は小説という形態をとっていて、頬に入れた「オルガノーゲン」を取り除く手術をした「シシド」が、日活での日々を回想するところから始まる。「日活」という映画会社とともに二枚目のニューフェイスとして出発した「シシド」が「石原裕次郎」「小林旭」らとの出会いの中、独自の嗅覚と計算、そして運命によって俳優としてある熱をもって駆け抜けていく様がクールでそして少し気障な言葉で描かれる。これが実にオモロ。変な言い方だが「匂い」がいい本である。夜、テレビで映画「グリーンマイル」見る。名作「ショーシャンクの空に」スタッフによる作品。なかなかおもしろいがちょっと間延びしすぎかな。あのアイデアならもうちょっと絞り込んだほうが・・なんてね。でも十分グッとはきたよ。僕も大好きなアステアとロジャースの映画が出てきたときには特にね。でその後、続けてビデオで「マンハッタンラブストーリー」。今回もオモロだねぇ。喫茶店のおやじ役・きたろうが松岡昌弘演じる店長にコーヒーを「まずい」といわれて一瞬ズッコケる背中越しの演技が最高。今回、船越栄一郎ほぼ全篇出ずっぱりでの怪演でお腹いっぱい。疾走シーンの一瞬、新幹線で弁当食ってるカメラ目線の笑顔が最高。そして一話からいい味出しまくりの尾美としのりは今回もツボだったなぁ。このドラマは今30歳前後の人は特に笑えるんじゃないか。「共通言語」のおもしろさっていうのかな、例えば主演の「小泉今日子」を今20歳の人が見る目と僕ら30代が見る目では違うんだな。「尾美としのり」もそう。僕らの世代は絶対映画「転校生」見てるし、好きなはず。「尾道三部作」で青春のほろ苦さとか切なさを知ったんだもんね。チラッと出てきた「清志郎」とか、僕らの世代なら認識できる一種のシンボルだし。

2003/11/23
早起きしようと思ってたのに結局起きたのは10時。ボケーッとしてたらもうお昼。家族で草津まで買い物。電気屋とスーパーとユニクロ。結局、妻と娘の買い物に付き合う感じで。なんとなく「Dr.スランプガシャポンやるが、以前にあたったのと同じ。ここんとこフィギュアはダブリをつかまされることが多くやる気がうせる。おもちゃ屋に並ぶシルバニアファミリーがえらいことになっている。子供向けの家やら学校やらのミニチュアおもちゃなんだが、今までは「くま」「うさぎ」「ねずみ」ファミリーぐらいのかわいいものだったが、新たに「もぐら」「いのしし」「ふくろう」「かわうそ」「はりねずみ」などなど、あげくに「カエル」までと恐ろしいぐらいファミリーが増殖しててびっくり。この「カエル」がまたかわいくないんだ。で帰ってきて遅めの昼食。なんか一日ダラダラでもう夕方。お好み焼きの夕食を家族で食べて「これが太田のベスト3」に爆笑する。といういつもの日曜。夜、ちょっとした仕事で一時間ばかり外出。で帰ってきて風呂入って、PCに向かって就寝。日曜の過ごし方をもちょっと考えなきゃなぁ

2003/11/24
「READYMADE MAGAZINE」付録の小西康陽監督「ロマンチカの夜」DVD観る。悪くはない、いや、むしろいいんだけど予想の範疇は越えない。なんというか、もう、こういう感じはいいやという心境。それより、小西康陽の作った「歌」が聴きたい。結局、ピチカートファイヴの新曲を今でも僕は待ってるんだ。昼から仕事。某有名ミュージシャンが公開スタジオに出演の為、警備しに行く。雨の中、「撮影は禁止です」などと言いながら。すっかり身体冷えてしまう。で一日終わり。帰って風呂入って、なにもすることなし。テレビもつまんないし。で10時には寝てしまう。

2003/11/25
ざくっと仕事してぷらぷら歩いて帰宅。片道20分の徒歩通勤にもすっかり慣れた。もう満員電車には乗れないね。夜は娘に絵本を一冊読む。親に似てかどうかしらないが、娘も本好きで「本、読んでぇ」が寝る前の口癖。で娘を寝かしつけてオヤジが読んでるのが、みうらじゅん「飛び出せ自分マニア」だって、バカだねぇ。で宣伝会議から出てる「みうらじゅん大図鑑」も読む。みうらじゅん仕事がほぼコンプリートされた大作。「パノラマ地獄」が懐かしい。当時、毎月買ってた「宝島」はサブカルの教科書だったけど、みうらじゅんの連載は一番の楽しみだった。なんだかんだで18年ぐらい僕もみうらじゅん仕事追っかけてるが、みうらじゅんがここまでの存在になるとは思わなかったな。個人をつきつめた先のエンターティメント。真剣にかっこいいと思う。

2003/11/26
京都で一仕事。昼は吉野家で牛丼プラス半熟玉子。これが300円台でたべられるんだから、安いよなぁ。祭りの綿菓子より安いんだから。で仕事終え帰りにちょっとパルコのタワーレコード。小遣いもらった途端使っちゃう。クラムボン「imagination」、スケッチ・ショウ「ループホール」、ラリーパパ&カーネギーママ「LAST ALBUM」購入。

2003/11/27
仕事後、会社の先輩達と飲む。下ネタから仕事の話まで。11時過ぎまで飲んでぶらぶら歩いて帰る。これが楽なんだよなぁ。ところで忌野清志郎「KING」が素晴らしくいい。一曲目「Baby何もかも」にとにかくやられた。胸が熱くなる傑作。「清志郎はロックスターである前に根っからのソウルマンだ」と評したのは20代の最後にして清志郎ライブ初体験した時の僕だが、「彼は根っからのブルースマンなんだ」と訂正しとこう。こう書いてる今も「Baby何もかも」を何度もリピートして聴いている。あぁ、この胸の熱さは何だ。小細工はいらない、欲しいのは本物の音楽だけなんだ。

2003/11/28
今日も帰りにタワー寄り道。ちょうど帰り道の途中にあるんだもん。で布施明オリジナルラブ「踊る太陽」収録曲をカバーしてると聞きこれは買わねばと布施明「のすたるぢや」購入。それとムーンライダーズ全員参加の鈴木慶一東京ゴッドファーザーズo.s.t.」購入。ついでに紀伊国屋で「ダウンタウン」のインタビューが載った「クイックジャパン」購入。二人とものインタビューって珍しいんだよね。で帰って「マンハッタンラブストーリー」ビデオで。酒井若菜ちゃんに心惹かれるなぁとか思いつつも、キョンキョン尾美としのりのやりとりに笑う。

2003/11/29
今日はパルコでちょっと仕事。大津界隈半径5kmで仕事も遊びもこなしてる状態だな。あいにくの雨で濡れながら。帰りにコンビニに寄って、久々に心惹かれるフィギュア発見。海洋堂の「サイボーグ009ヴィネット」。早速購入。帰って夕食作り。鯖の味噌煮、白菜とあぶらげ煮びたし、出し巻きと和食で攻める。でデザートに娘と「フルーチェ」作って食べる。おいしい。後は部屋で一人PCに向かって。布施明「のすたるぢや」、なかなかはまっていて良い。布施の大陸的な伸びやかな歌声が気持ちいい。この曲を布施明に歌わせた奴は偉い。数年前、布施明の名曲「君はバラより美しい」を改めて聞きなおし、まるで初期オリジナルラブみたいと思ったもんだが。こうなったら布施明にポップソングカヴァーアルバム出して欲しい。オリジナルラヴ「月の裏で会いましょう」とか小沢健二天使たちのシーン」とかカーネーション「No Goodbye」、コレクターズ「世界を止めて」、キリンジ「エイリアンズ」とかピチカートの「きみになりたい」なんかいいんじゃないか。

2003/11/30
休日。どうも朝起きれなくて10時起床。妻が珍しく焼いてくれたパンケーキの遅い朝食。外は天気悪く出かける気もしない。娘は同じマンションのお友達と遊んでるし、嫁は髪を切りに行った。僕は音楽聴いて本読んだりPCいじったり。タワーのフリーペーパー「bounce」に載ったaiko蒼井優ちゃんの「no music no life」ポスターにグラッとくる。こういうのを見ると絶対生まれ変わるなら女の子がいいと思う。そんなことをボケーと考えたりしてるうちにもう夕方。今日は何作ろうかなと考えてる自分が怖い。鳥の唐揚げとポテトサラダにする。鶏肉は十分下味をつけてっと・・・とか言いつつ。最近、思うのはとりあえず「酒」と「しょうが」でおいしくなる!ということ。味付けは下品にがモットー。