日々の泡。

popholic diary

2001年10月下旬の話。

2001/10/16~31

HP3周年を目前に控え「記帳簿」をUPした。翌日早速感想メールが到着。・・・見てみると親父からだった。それも「馬鹿なことしてないで、妻子に尊敬されるような生活を送りなさい」とのお叱りメール。
いや、いや、この日記、一応ワールドワイドウェブですから、ばかばかしさ二割増でエンターティメント化してるんですよ。しかし親に読まれるのはさすがに恥ずかしいな。でふと親父が今の俺と同じ歳のときどんなだったのかななんて思う。確か、親父は30歳で結婚、しかも相手は当時19歳の小娘であった我が母親。・・おい、おい、俺よりひどいがな!19歳ってモー娘の「なっち」といっしょっすよ。くーっ、うらやましい。・・とこういうこと書いてるから怒られるわけだ。ま、ばかばかしさ二割増ということで、ひとつ。

狂牛病がなにかと問題になってますが、どうしてもすき焼きが食べたくなる。昔は肉といえばすき焼きだったが、いつのまにか焼肉やしゃぶしゃぶで食べることのほうが多くなってきた。ふと、あの甘たるいすき焼きを卵をからめて食べたいという欲求が沸き起こる。で悩んだ末、和牛購入し、今夜はすき焼きに。・・うまい。味のしみこんだ糸こんにゃく、ねぎの香ばしさ、そしてなんといっても肉。子供の頃、すき焼きをやった翌日、残り汁にご飯をいれておじやにして食べたあの味が懐かしい。しかし、さすがに秋は食欲が旺盛になる。とりあえずうまいものが喰いたい!カーネーション直枝政広氏の傑作ソロアルバムの1曲目に収められたグレイトなロックナンバー「大食漢」が今の俺のテーマ曲だ。

時々、ふと穴に落ち込んでしまうことがある。自分という人間には何もない。一体、自分は何者なのか。時間だけがただ過ぎていく。ひどくブルーな気分。カーステレオからは砂原良徳の「LOVE BEAT」。そのストイックなリズムがやけに胸にしみる。

秋がやってきた。このちょっと物悲しげで感傷的な季節がたまらなく好きだ。センチメンタルな30男ほどたちの悪いものはないよ。こういう時にはカーネーションでも聞くか。夜の湖岸通りを「センチメンタル」なんて曲を聞きながら走る。「むかしぼくは笑うことさえもうまくできなかった/そしてきみはそれをその壁を越えようとしてきた/空も風も壊れた約束も全部袋につめて/息を殺してやってきた」泣けてくるねぇ。

あまり感傷的になってばかりもいられないので、CDショップで半額で売られていたフレッドアステア主演のミュージカル「TOP HAT」のDVD購入する。ハッピーなミュージカルで気分一新と行こう。

酒豪のT先輩と滋賀でお仕事。なんだかんだで3日連続、野洲駅前で飲む。システムに配属になって1年ちょっと。営業時代はもともと下戸ということもあり酒の席はほとんど断っていたのだが、T先輩に酒によって人間関係が円滑にいったり、仕事にもプラスになること多いにありということを身をもって教えられた。しかしこのT先輩、恐るべきタフさ。毎日相当量の酒飲みつつ、精力的に仕事をこなす、まさに怪物である。時には愛のムチ的説教、時には会社の裏事情を、時にはばかばかしい下ネタと、このバイタリティにはほんと頭がさがる。「凄い男」とはまさにこの先輩のような人のことである。
しかし僕みたいな「30にしてもやしっ子」がこの先輩のペースで飲み続けると、経済的にも肉体的にも破綻間違いなしなので注意しなければ・・。

久々に妻と大阪に出て、コント作家・故林広志氏作・演出の「NICKIE'S PAVILION」観る。出演は松尾貴史ラーメンズ、そして久々のガバメント・オブ・ドッグス。一つの街が生まれ、なくなるまでをオムニバスコントで綴る爆笑巨編であった。松尾貴史氏はやはり「プロ」だなぁという感じ。場がビシッと引き締まるし、なにより「芸」がある。ラーメンズはテレビで数回ネタは見た限りは、正直そんなに注目するほどのもんかなぁという印象だったが、認識を改めました。今回、作は故林氏なので純粋に演者としてだが、華があるし時折ふっと出るアドリブ的一言の間とセンスに感心した。G・O・Dは前の公演が4,5年前だからほんと久々。過去のライブからのベスト的なネタを織り交ぜつつ多いに笑わせる。今や劇作家として売れっ子の土田英生氏だが「非日常の世界に放り投げられおろおろする男」を演じさせたら抜群である。

相変わらずだが仕事帰りにタワーレコードに寄り道。空気公団のシングル「わかるかい?」、元トーキョーナンバーワンソウルセットのビッケと高野寛のユニットNathalie Wiseの「THE MARBLETRON SESSIONS 2001/06/11-06/14」、それと書籍コーナーにムーンライダーズの大特集を組んだ「ロック画報06号」発見したので合わせて購入。今年25周年のムーンライダーズ。12月にはオリジナルフルアルバム、ファースト「火の玉ボーイ」の再発、東京中低域による「火の玉ボーイ」完全カヴァーアルバム、ライダーズトリビュートアルバム、それに数々のプロデュース仕事をレコード会社ごとに集めたコンピ盤がシリーズで発売とファンには嬉しい悲鳴というか貧乏亭主にとってはほんとに悲鳴をあげそうだ。12月にでるであろうボーナス(でるんだろうな?)は全てライダーズ関連CDで消えてしまいそうだな、こりゃ。

「ロック画報」の100ページ近くに及ぶムーンライダーズ特集。サンプラーCDまで付いてのこの大特集に拍手。ライダーズがここまでの特集を組まれたのは91年の「POP-IND'S」誌Vol.6号以来じゃないか。ライダーズ本体はもちろん、メンバーのソロ活動からプロデュース作品、CM音楽までを詳細なデータとともに論じたこの特集。相当の労力だったろうな。ムーンライダーズは一回はまると抜けられないんだ、実際。ファンをマニア化させる何かがあるんだなぁ。僕も決してマニアではないけどライダーズに関してはなんだかんだで同じアルバムをオリジナル盤とか再発盤とか結局2枚~4枚とかもってるしね。そういえばこのHPも元はムーンライダーズを個人的に特集したくて始めたんだった。最初期には一部予告的に文章UPしてたんだけど、挫折していまや面影なし。この特集に触発されてまたやる気でてきたぞ!と自分を奮い立たせる意味でも言っておこう。

でまたタワー寄り道。コーネリアスの新譜「POINT」、イラストレーターTerry Johnsonこと湯村輝彦氏へのトリビュートアルバム「A TRIBUTE TO TERRY JOHNSON;PILLOW TALKS」、PREFAB SPROUT久々の新作「THE GUNMAN AND OTHER STORIES」そして書籍コーナーで「鈴木慶一キタキマユのグレイトフル・カフェ」購入。

コーネリアスの新譜「POINT」を聞いてふと頭に浮かんだのがムーンライダーズ84年作品「アマチュア・アカデミー」。アコースティックギターの清楚な響きとファンクなリズム感、全体的に音の質感がなんか似てるんだよね。