日々の泡。

popholic diary

フォーエバー・ヤング

9時起床。朝からマンションの総会で2時間。昨晩、夜更かししすぎて眠いったらない。
昼は、娘のリクエストでバターライス。中学生の頃、よく夜食に作ったもんだ。バターと醤油のちょっとこげた香りが食欲をそそる。
午後はのんびりと。ムーンライダーズ特集のミュージック・マガジン誌読む。ライブレポート、鈴木慶一インタビュー、アルバム解説etcと労作。ではあるが、もはやムーンライダーズは語られすぎてる。ま、僕もしょっちゅう語ってるんだけど、それはもういいかなという気分。ムーンライダーズの音楽は、本来の意味でラディカルになってるから。これは聴いて感じるだけで十分なんだ。
そうそうミュージック・マガジン誌のアルバムレビュー、保母大三郎氏の「歌謡曲/ポップス」がめちゃめちゃやさぐれててオモロ。「夕方にはもう廃盤な〜大量生産される、この手の腐れポップス〜」「〜美少女ユニットの一枚目。とはいえ、美少女はいないし〜金ピカ先生以下、吉幾三以下の腐れラップ〜」「〜蒙古班が残ってるようなバンドの〜」などなど胸のすくような発言。いや、ま、音楽なんて好みだから…とはいえ、あきらかにクソみたいな音楽ってあるんだよ。毎日のようにクソみたいな音楽モドキ聴かされてると、時々本気でキレそうになる。時には毒も吐いときゃなきゃ、やってられねーんだよ!
でここで素晴らしい音楽を紹介したい。ヤン富田氏の新作「フォーエバー・ヤン ミュージック・ミーム2」。約10年ぶりとなるDOOPEESの新録曲、いとうせいこう高木完とのユニット・NAIVES(ナイーブス!最高な名前だな)の曲を収録。DOOPEESのアルバム「DOOPEE TIME」は95年のベストワンアルバム(俺認定)だからして、そりゃもう聴き倒した。白衣を着たヤン博士と、かわいい女の子・キャロライン・ノヴァク(ビジュアルは映画「Shall we ダンス」で役所広司の娘役を演じてた女の子。実際の歌はバッファロー・ドーター大野由美子さん。長らく「あの声は誰だ?」と様々な憶測が飛び交っていたが、ここにきて大野由美子であることが公にされた)、そしてスージー・キム。ヒッピホップ界のグル、スティールパン奏者、川勝正幸氏はヤン氏のことを「音楽界の河合隼雄的存在」と言ってたっけ。そんなヤン氏が実験の先に見出したキュートなポップス。それがDOOPEESだった。でそのDOOPEESが唄うは、かの名曲「だいじょうーぶ」!いとうせいこうのアルバム「建設的」に収められた高木完作詞、ヤン作曲のラヴァーズロックナンバー。いとうせいこうが見事なファルセットで歌い上げる、メロウで優しい直球のド名曲。もう何百回聴いたかわからない。前に会社のディレクターさんに頼み込んで番組の選曲を数曲させてもらったんだが、その時僕は真っ先にこの曲を選曲した。ヤン氏が爪弾くアコースティックギターにキャロラインのキュートなヴォーカル、もう泣いた。暗闇に一筋の光、頬にふれる柔らかな風、そんな音楽。でさらに続くNAIVESも最高なのだ。80年代初頭、僕が初めて聴いたラップはいとうせいこうだった。トラックはヤン富田、タイニーパンクス(藤原ヒロシ高木完)の共演。そりゃ衝撃だったさ。胸が高鳴った。かっこ良かったもん。当時、ヘビメタブームだったけど、何も感じられなかった。でもあの頃のヤン氏やせいこう氏には胸が男騒ぎした。文科系のパンク。知性とユーモア、クールと熱情。であれから20年以上。いとうせいこうポエトリーリーディングに、高木完のラップ。イマジネーションを刺激する、音、言葉。たまんねー気持ちになる。

フォーエバー・ヤン ミュージック・ミーム2

フォーエバー・ヤン ミュージック・ミーム2