日々の泡。

popholic diary

2022年7月2日~8日の話。

2022/7/2

娘の彼氏が引っ越しなので朝から荷物を運び届ける。我が家からは目と鼻の先。しかし暑い。ちょっと動いただけで汗だく。

で京都まで出て映画。映画の前に腹ごしらえ。またまた「なか卯」で昼食。だが今日はついに新作「塩だれ親子丼」にした。クーポンがあったのでかざすが6月末までのだった。まぁいい。ついに俺は一歩を踏み出したのだ。いいお味だった。満足。これでまた普通の親子丼に戻れる。

でMOVIX京都でリュ・スンワン監督「モガディシュ 脱出までの14日間」観る。1990年ソマリアモガディシュでは韓国と北朝鮮がロビー活動による外交戦を繰り広げていた。そんな中、内戦が勃発。両国の外交官達の決死の脱出劇が始まる!なんたるド迫力、手に汗握る驚きの実話。エンタメ活劇でありながらイデオロギーで分断された民族の悲しみが切ない。内戦勃発で敵対していた韓国-北朝鮮が切羽詰まった状態でいがみ合いつつも必要に迫られ互いに協力。その中でイデオロギーを超えた関係が生まれる。韓国外交官の家族と北朝鮮外交官の家族が食卓を囲むシーン。全く表現は違うが「スープとイデオロギー」ではないか。そういえば主演のキム・ユンソクさんは「スープとイデオロギー」に感銘を受けコメントを寄せている。

錦市場を通り抜け京都シネマへ移動。イ・スンウォン監督「三姉妹」を観る。ヒスク、ミヨン、ミオクの三姉妹はそれぞれに問題を抱えながら日々の暮らしに追われ疎遠になっていた。年老いた父の誕生日に久々に顔を揃える三姉妹だったが…。苦労を受け止め一人背負いながら卑屈に謝り続ける長女、強く気高くあろうとするあまり時に他者を激しく攻めてしまう次女、どうしようもない焦燥感に襲われ酒に逃げる三女。そしてその原因の根源である「父」と向き合う。3人3様の苦悩、痛み。長く抑圧されてきた三姉妹の心の叫びがドンと胸に響いた。

2022/7/3

妻と二人で大阪へ。JRのダイヤが乱れてたので少し早めに出て観劇。松尾スズキ作・演出、日本総合悲劇協会ドライブインカリフォルニア」を観る。田舎町のドライブインを舞台に、アキオとマリエの兄妹を中心に話を進む。喜劇のような悲劇であり、喜劇にしか見えない悲劇で、人間のおかしみが溢れている。しかしやっぱり生の舞台はいい。同じ空間、同じ空気、生身の役者たちから発せられる波動が感じられる。阿部サダヲ麻生久美子、最注目の河合優実といいものを観た。

夜は娘、娘の彼氏の家族と近所のレストランで食事会。若干の緊張もありつつ和気あいあいと。いい食事会だった。

2022/7/5

雨が本降りになる前にと会社出た途端、本降り。わずか数メートルでズボンも靴もべちょべちょ。重く激しい雨の中、家まで20分歩き続ける。帰り着いたらもうぐったり。

2022/7/7

外回り。昼は久しぶりにブロンコビリー。いつものように一番安いハンバーグランチのつもりだったが、たまには自分の機嫌を取ってやろうと思ってステーキランチを食ってやった。サラダバーもついてるぜ。大満足だ。もう今日の仕事はこれで終わりといっても過言ではないだろう。

radikoで「東京ポッド許可局」好きなウルトラマン論。マキタさん、鹿島さんと同じ1970年生まれなのでイチイチ話が分かる。タロウは父と母の実子、レオはM78星雲じゃない別の星で弟はアストラとか思い出したなー。タロウの主題歌とレオの主題歌が入った両A面のシングルレコードを買ってもらってよく聞いてたな。

2022/7/8

政治家が殺された日。その政治家のことははっきり言って評価も支持も全くしていないが殺しちゃダメだ。あらゆる疑惑がうやむやなまま、政治家は罪に問われることなく、悲劇の政治家として崇められる。選挙を前にテレビではここまでやるのかというほどの礼賛ぶり。ネットでは分断が進み、その死を利用する者たちで地獄の様相だ。政治家に振るわれた暴力は、その政治家のやり方や振る舞いに抗ってきた人々をも傷つける。言葉は奪われ、民主主義が、自由が、また離れていく。

とてもテレビやネットを観る気にもならず、ユナイテッドシネマでレイトショー。バズ・ラーマン監督「エルヴィス」を観る。スーパースター、エルヴィス・プレスリーと悪名高いマネージャー、トム・パーカーの物語。ケレンミたっぷりのド派手な演出でスーパースターの光と影が描かれる。ライブシーンにおける熱狂ぶり、エルヴィスを演じるオースティン・バトラーが素晴らしい。ステージで起こる魔法、沸き立つ色気、世界中の人々がエルヴィスに熱狂した理由がそこにはあった。それゆえ、ステージに囚われ、がんじがらめにされた晩年が切ない。見ごたえたっぷりで熱のある音楽映画であり神話であった。

 

今週聴いた音楽は

  • 「IM NAYEON」NAYEON
  • 「DOUBLAST」Kep1er
  • 「SKYE」SKYE
  • 「from our Memento Box」fromis_9
  • 「今、何処」佐野元春
  • 「Skyline」Bronze

2022年6月25日~7月1日の話。

2022/6/25

7時起床。朝ドラ観終わりすぐ家を出てTジョイ京都まで。朝一の回で𠮷田恵輔監督「神は見返りを求める」を観る。底辺YouTuberゆりちゃんと出会った田母神は彼女の動画制作を手伝うことに。まるで神のように見返りを求めることなく献身的に支える田母神。限りなくダサくてイタい二人だが、だからこそ生み出される連帯感と多幸感。しかしゆりちゃんが人気YouTuberと知り合い一気に人気者になったことから話は一転。二人の関係はこじれにこじれ…という面白怖い大傑作!ゆりちゃんと田母神、前半のほっこり楽しいシーンから一気に豹変。一触即発のヒリヒリ感とイヤな方、イヤな方へ向かっていく地獄展開。もうやめてと言いたくなるような凄まじさ。妬み嫉みが煮詰まり爆発、そして行きついた先に訪れる一瞬の光からの…。しかし𠮷田監督、なんちゅー話を考えつくんだ。ポップ×毒気で現代社会があぶりだされていた。まるでジョーカーのようなムロツヨシ、天使と悪魔が共存する岸井ゆきの、主演二人が素晴らしい。表の顔と裏の顔、芸のある二人だからこそここまで出来たという感じ。あと一番のクソ野郎を軽ーく演じた若葉竜也も巧い。いやこれめちゃくちゃ面白いんだけど、上映ひっそりしすぎ。多くの人に観てもらいたいなー

でそのまま歩いて四条烏丸まで。いつものごとく「なか卯」で親子丼と冷やしはいからうどんのセット。違うメニューを頼もうと思いつつ、気づけば毎回同じメニューのボタンを押している。思想はリベラル、食は保守。

で2本目。京都シネマで「三姉妹」観るか、アップリンクホン・サンス観るか、悩んだ末今日はMOVIX京都で早川千絵監督「PLAN75」を観ることに。75歳から生死の選択権を与える制度「プラン75」が施行された世界の物語。78歳のミチはホテルの清掃員をしながら一人慎ましく暮らしている。しかし高齢であるという理由で突然の解雇。長年住んだアパートも取り壊しのため出ていかざる得ない。生死を選択というが、その実ほぼ選択権はない。身寄りもなくお金もなければ死ぬしかないのだ。プラン75を担当する役所の職員ヒロム。丁寧な仕事ぶりだが、長く疎遠だった叔父がプラン75を申し込んだことを知り複雑な心境に。老人と一括りされているが、そこにいるのは一人ひとりの人間だ。それぞれに人生があり事情がある。公園で孤独と貧困を抱えた人々に炊き出しを行う行政。しかしそこではプラン75のチラシが配られ申し込みが受け付けられている。優しく近づき死を宣告するのだ。超高齢化社会の中、誰もが「プラン75」を素晴らしい制度だと受け入れている。数年後、自分が死を選ばざるを得なくなった時、初めて気が付く。真面目に人生を生き、ただ静かに暮らすことさえも社会は許さない。生産性の低いお前は切り捨てられる存在なのだと優しい顔で冷たく突き放す。映画はもちろんフィクションだけど、今ここにあるリアルと地続きだ。映画ではプラン75に申し込んだ人には10万円の給付金が与えられる。そうこれはフィクションだ。もし現実にこの制度が施行されたなら、申し込んだ人に与えられるのはせいぜい1万円分のポイントだろう。

そこからさらに三条まで歩く。四条通りも河原町通も随分変わった。昔はよく買い出しに本屋やレコード屋を回ったもんだが、そのほとんどの店はなくなった。

大津に戻って商店街で散髪。いつも同じように頼むのだが、切る人の解釈で微妙に違ってくるのが悩ましい。なんかちょっと違うなーと思いつつ。

夜は久々にスパイスカレー作り。いつもはトマト缶だが、今日は生のトマトで作ってみる。だいぶ小慣れてきたが、いつもながら何かが足りない。パンチが軽い感じ。難しーなー。

2022/6/26

8時起床。近くの寿司屋で妻と娘と娘の彼氏といっしょに食事。ま、なんというかそういう年頃になったのか。でそのまま皆で京都の実家まで。7月から実家を出て一人暮らしする娘の彼氏。我が家から目と鼻の先のアパートに越してくる。ちょうど兄夫婦が東京から戻ってきてもろもろ電気製品やら家具がダブっているので譲り受ける。彼女の両親からお祖母ちゃんに叔父夫婦もいるとこに連れてこられた彼氏も大変だ。礼儀正しく人当たりも良いのでこっちは一安心だった。テレビやテーブル、カーテンやら諸々ありがたく譲り受ける。

2022/6/27

「アンタウォッチマン」で爆笑問題。光代社長も含めて、いいチームだなと思う。天才・太田に対して天然の狂人・田中という組み合わせはやはり絶妙。ダウンタウンもそうだけど、根本的に馬の合う友達が出発点でその関係性がふと顔を見せるとこがチャーミングなんだろうな。

2022/6/28

東野さんが「ホンモノラジオ」で面白かったと話していた特番「不夜城はなぜ回る」を観る。もともと趣味で夜、街を歩いて灯りがついているとこに訪問し何をしているのかを聞いていたというディレクターが、その趣味を番組化。夜中まで灯りがともるお寺にはベトナム人僧侶。ベトナム人留学生たちの駆け込み寺として多くの人々を受け入れ支援している。海辺の小屋には天然塩を作っている職人。自分の知らない世界を覗くことで、多様な世界を知る。どちらも深く、めっぽう面白かった。

2022/6/29

有休。ということでアップリンク京都まで映画を見に行く。映画前にマクドでサクッと昼食。俺だってビッグマックぐらいペロリだよ。しかし50になった今でもたまにマクドナルド食べたくなる。子供の頃、ハンバーガーやポテト、マックシェイクはほんとごちそうだった。たまに買ってもらえるとなると大喜びしたもんだ。その頃の感覚がまだ舌に残ってんだな。

ホン・サンス監督「イントロダクション」「あなたの顔の前に」の2本を。「イントロダクション」は一人の青年が主人公。父、母、恋人、そして友達とのちょっとした瞬間を切り取る。そのわずかな時間の中で、ほろ苦い人生の序章が描かれる。

「あなたの顔の前に」は、長いアメリカ暮らしから韓国に帰国した元・女優の1日が描かれる。長く離れていた妹と過ごす時間、過去を辿りながら街を歩き、出演オファーを申し出る映画監督と会って話をする。会話の中で、彼女がなぜ帰国したのかが明かされる。そして観客は彼女が過ごした一日の意味を知る。

いつも同じようで見事に進化しているホン・サンス作品。物語はシンプルにそぎ落とされながら、深く余韻が残る。理解とも共感とも違う不思議な感覚に陥る。映画の登場人物の人生が、自分の上を通り過ぎていくような。

2022/6/30

暑い。営業車で外回り。エアコンを入れてても暑いな。遅めの昼食は一度行こうと思っていた餃子の満州園でチャーハンのセット。スープに餃子、から揚げまでついて1000円いかない値段。思っていた1.5倍ぐらいの量のチャーハン。チャーハン単品で十分だったなー。美味くて大満足。しかしお腹一杯過ぎて午後からは使い物にならなかった。いい年した大人とは思えん。

2022/7/1

7月。2022年も後半戦に。というか早いよ時が過ぎるのが。気が付いたら夕方。空っぽな金曜日だなー。

2022年6月18日~24日の話。

2022/6/18

早めに寝たのだが夜中何度も目が覚める。スマートバンドをつけて毎日睡眠の状況をチェックしてるのだが、眠りが浅く、眠りの質が悪いようだ。

で朝から映画館。今週もTジョイ京都まで。狩山俊輔監督「メタモルフォーゼの縁側」を見る。75歳の雪はある日、本屋で偶然手にしたBL漫画に心を奪われる。本屋でバイトする女子高生うららは密かにBLを愛好。BL漫画という共通項で二人は出会い、58歳の年の差を超えやがて友達になっていく…好きなものを好きということの大切さ。二人がわちゃわちゃとBL漫画で盛り上がるシーンの多幸感。そしてうららと雪はBL漫画を作ってコミケで販売することに。うららは漫画家を目指しているわけでもないし、その絵はお世辞にも上手といえない稚拙なものだ。それでも、自分の好きを形にしたいという想いで一歩を踏み出そうとする。結局うまくいかなくて、悔しくて、雪さんの作ったカツサンドを食べながら涙するうららの姿が愛おしい。小さな子供が転んで泣いて強くなっていくように、その涙が彼女を強くする。その一歩はうまくはいかなかったとしても、確かに意味があるものだ。

何かを好きになって、夢中になる。世界はひどく憂鬱だけど、その好きが自分を支えてくれる。世界を変えることはできないとしても、ほんのちょっと光を与えてくれる。ささやかなその光が生きる喜びになる。好きが扉を開き、ほんの少し世界が違って見えるのだ。心優しき映画だった。宮本信子はもちろん芦田愛菜が素晴らしくずっと見ていたかった。あとT字路sの音楽、二人が歌う主題歌もめちゃくちゃ良かった。芦田愛菜ちゃん、いい声でかわいくって驚いた。

radiko東野幸治の「ホンモノラジオ」。お相手には元放送作家で現MBSラジオ社長のチロリンさん。この前の「蛤御門のヘン」柳田さんによる北野誠論やエムカクさんゲスト回の高須光聖さんの「空想メディア」とリンク。吉本に独占される前、80年代関西のテレビ・ラジオ・演芸史は興味深いなぁ。それから「爆笑問題カーボーイ」。ダンシング谷村の話は笑った。

帰ってBSでナイツの番組。「おぼんこぼん」ヒストリー。ちょうどメルマ旬報の杉江松恋さんの連載「芸人本書く派列伝」で「おぼん・こぼん」を取り上げていたのを興味深く読んでいたので。伝説のプロデューサー・井原高忠氏率いる「赤坂コルドンブルー」で本格的な「芸」を身に着けた二人。関西出身ながら東京のど真ん中のショービズ、エンタメの流れをくむその独自の立ち位置や異質な芸風。演芸史に名を刻むべき二人なのだ。

録画していたNHKでやった小泉今日子特番の完全版。80年代のキョンキョンの恐ろしいまでの輝き。そして今もなおかっこよくて輝いてる。キョンキョン最高だなー。

2022/6/19

8時起床。卵のホットサンドとヨーグルトの朝食。録画してた町山さんの「アメリカの今を知るTV」。ここ数日、最高裁によって出された酷い判決に暗澹たる思いをしているが、アメリカもまた闇が深い。それでもアメリカはきっちり対抗しようとする動きが見えるが、日本の場合はそれすらかき消されてしまう。とんかつ屋の看板の豚。自分の腹を裂かれながら笑顔で美味しいよ!と笑う豚のように、経済はどん底、言葉は奪われ、人権は踏みにじられても、政権の側に立ってより弱いものを叩く。政権に捨てられてる側なのに。

アマプラで岸由幸監督「前科者」見る。元受刑者の更生を助ける保護司の物語。自身の過去に向き合いながら、懸命に元受刑者に寄り添おうとする主人公を有村架純、そして過去に囚われ闇に引きずり込まれる元受刑者に森田剛。ともに好演。社会からはみ出し、零れ落ちていくもの。本来そこをケアすべき政治や社会があまりに冷酷に、露骨に、暴力的に切り捨てていく。いま世界中で起こっている問題の根源がそこにある。

2022/6/21

ビバリー昼ズ、先週のダチョウ倶楽部ゲスト回を聴く。笑い飛ばしながら、悲しみもすべて包み込むような愛に溢れた高田先生のマシンガントーク。素晴らしすぎる。

2022/6/22

テレワーク飯はひやむぎと玉子丼。ちょっとテキトーに作りすぎた。ナイツの「ザ・ラジオ・ショー」高田文夫先生ゲスト。なんなんだこの回転の速さは!速射砲のごとく繰り出されるトークは古びるどころか爆笑に次ぐ爆笑。日本芸能史の生き字引にして、いまだアンテナビンビンで凄すぎる。

2022/6/23

radiko中川家の「ザ・ラジオ・ショー」フワちゃんゲスト回聴く。中川家×フワちゃんの化学反応。妙なスイング具合でめちゃめちゃ面白かった。

2022/6/24

退社時間、飛び出しでユナイテッドシネマへ。是枝裕和監督「ベイビー・ブローカー」を観る。クリーニング店を営むサンヒョンと「赤ちゃんポスト」のある施設で働くドンスは赤ちゃんポストに預けられた赤ん坊をこっそり横取りし裏流しするベイビーブローカー。ある雨の日、一人の若い女が「赤ちゃんポスト」に赤ん坊を置いていく。いつものごとくその赤ん坊を連れ去る二人だったが、思い直して戻ってきた若い母ソヨンと成り行きでいっしょに養父母を探す旅に出ることに。そのつかの間の時間がそれぞれに事情がある3人、そして彼らを追う刑事にもまた変化をもたらす。彼らは誰もがどこか欠けている。そして互いにその欠けた部分に優しくそっと手を添える。歪な疑似家族は旅を通して「生」について問いかけ揺れながら答えを探そうとする。「万引き家族」の変奏曲であり、その先を探る物語。映画が提示した答えは理想かもしれない。だがすべての子供たち、すべての命に向けた祈りにも似た「願い」がそこにある。欠けた部分をあざ笑い、欠陥品だと切り捨てる社会と、欠けた部分にそっと手を添え救い上げる社会とどっちを僕らは選ぶのか。誠実で切実な願いが込められた映画だった。

しかしソン・ガンホカン・ドンウォンペ・ドゥナイ・ジュヨンという信頼と実績の俳優たち。ちょい役までもが韓国映画やドラマで見知った名優たちと豪華スターだらけ。そんな中、我らがIU、イ・ジウンが堂々たる名演で映画を象徴する。いや、しかし韓国エンタメのど真ん中、キラキラの大アイドルにして大スターのIU、ドラマ「マイ・ディア・ミスター」でもそうだったが、そのイメージとは真逆の役がなぜかぴったりとはまる。私も随分長い間、IU病みを患っていたが、もうしばらく治りそうもないぜ。

 

今週聴いてた音楽は

 

2022年6月11日~17日の話。

2022/6/11

なんか夜中に何度も目が覚めて何となくすっきりしない朝。8時起床。スクランブルエッグとトースト、ヨーグルトの朝食。

朝から映画館へ。久しぶりにTジョイ京都へ。ヨナス・ポヘール・ラスムセン監督「FLEE フリー」を観る。アフガニスタンで生まれ育ったアミン。内戦の果て故郷から命懸けでロシアに。そこでもまた逃げ隠れながら生き延び、家族と別れデンマークへ亡命。そんな彼の壮絶な人生を彼や周辺の人たちの安全を守るためにアニメーションで描く異例のドキュメンタリー。ゲイである自身のセクシャリティもあり、幼いころから自分を隠し息をひそめて暮らしてきたアミン。権力の暴走と横暴で国は混乱し、祖国から脱出せざるを得ない人々。行く先々で彼らは難民と呼ばれ、様々な暴力や危険にさらされる。研究者として成功し、今は恋人とともに暮らすアミン。それでも彼の気持ちはすっきりと晴れることはない。故郷を奪われるということは、自分自身のルーツ、根っこを奪われるということなのだ。

でそこから歩いて京都シネマまで移動。途中、サイゼリアカルボナーラの昼食。やっぱりボロネーゼにしたら良かったかな?とか頼んでから悩みだす。

ヤン・ヨンヒ監督「スープとイデオロギー」を観る。自身のオモニ(母親)を被写体に彼女に人生を娘である監督が知っていく。帰国事業で息子を北朝鮮に帰したオモニ。借金してまで北朝鮮に暮らす息子たちに仕送りし、自身も何度も北朝鮮に足を運んできた。娘である監督は、なぜオモニがそこまで北に肩入れするのかわからない。相容れないイデオロギーがそこにはある。だがある日オモニは自身が体験した「済州4.3事件」についてぽつりぽつりと話し出す。韓国軍によるアカ狩り、一般人を巻き込んだ大虐殺事件。オモニが目にした壮絶かつ凄惨な事件現場。監督はオモニ、夫とともに済州島に向かう。そこには数えきれないほどの事件の犠牲者たちのお墓が立ち並ぶ。映画を見ている僕までも息をのんだ。決して韓国軍を許すことなく北に肩入れしていったオモニの「訳」がそこにはあったのだ。イデオロギーの分断が、罪のない人々、個人個人の人生を踏みにじり、歪めていく。オモニは最晩年までその体験を胸の奥に隠し懸命に生きてきたのだ。監督の夫であるライターの荒井カオル氏がオモニのところに挨拶にやってきた際に振舞われるのは大量のニンニクを詰めた鶏をじっくり煮込んだスープ。イデオロギーの違いはあれど、人と人は温かで美味しいスープの前で繋がりあえる。その絶品のスープに彼女の人生が、彼女の願いが浮かび上がるようだ。

映画を見終えてしばし椅子から立ち上がれなかった。素晴らしい作品だった。

「FLEE フリー」「スープとイデオロギー」どちらも国の分断が個人の人生をいかに深く傷つけるかを痛感させられる作品だった。「戦争」の下には無数の人々の人生がある。その一つ一つの人生を想えば、簡単に戦争ができる国になどと言えるはずがない。

2022/6/12

NETFLIXでマイケル・リアンダ、ジェフ・ロウ監督「ミッチェル家とマシンの反乱」を見る。ミッチェル一家はちょっと変わり者のファミリー。映画学校に合格が決まった娘ケイティを大学まで送り届けるべく、家族そろってのドライブ旅行へ。しかしその道中ロボットの反乱に巻き込まれ…ってなアニメーション作品。いや、これが素晴らしかった。ポップでキッチュでほろりと泣ける。お互いを思いつつも、うまくいかない父と娘。ドタバタでめちゃくちゃなロボットとの攻防の中、人類を救おうと立ち上がり、壊れかけた父娘の絆を取り戻す。くーっ、娘を持つ父としてはもう涙腺が崩壊。よき映画だった!

2022/6/13

猫のロチが手術。腫瘍ができておなかの横に大きな傷ができたままでここんとこ食欲もなく心配してたが、手術を終え復活。帰ったとたんバクバク食べだし一安心。

新しいPCを購入。メインで使っていたデスクトップはVistaでもはや役に立たず、妻のために以前買ったノートPCでしのいでたんだがあまりの動きの遅さに辟易。スペースや予算の問題もありいろいろ探してたんだけど、ちょうど狙ってたコミック本ほどの大きさのミニPCがタイムセールで2万円ほどになったので即購入。いやー快適。実際、ブログ書いたりネット見たり程度しか使わないのでこれで十分。ストレスが軽減されたなー。

2022/6/14

しかし「ちむどんどん」。なかなかちむがどんどんしてくれない。主演の黒島結菜の「アキサミヨー」ってのがかわいくて好きなのだが、ドラマとしては停滞。前作「カムカムエブリバディ」が良すぎたってのもあるんだけど。でも高島政伸はやっぱりおもしろいなー。いつか中井貴一高嶋政伸のドタバタコメディが見てみたい。三谷幸喜の傑作「バッド・ニュース☆グッド・タイミング」なんか二人でやったら面白いんじゃないか。

2022/6/15

テレワーク日。テレワーク飯はインスタントのカレーうどん。豚肉とネギを一緒に煮込んで。だんだん作るのがめんどくさくなってきた。

2022/6/16

急なアポが入り午後から大阪へ。移動の電車のお供はradiko。角田龍平さんの「蛤御門のヘン」は花房観音さんゲスト回。救急車で運ばれ入院されていた花房さん。心配したが舌鋒鋭く見事に復活。良かった。中川家の「ザ・ラジオ・ショー」ゲストはオダウエダ。清掃のバイト先に入ってきたのがリットン藤原さんという先週のゲスト、リットン調査団に話がつながっていったのに笑った。放送作家高須光聖さんの「空想メディア」、ゲストは明石家さんま研究家、我らがエムカクさん!かって高須さんがやっていた深夜放送をすべて録音しチェックしていたというエムカクさん、恐るべし。

2022/6/17

蒸し暑い一日。そろそろ梅雨か。金曜日だというのに特に何もない。っつーか基本何もない毎日を過ごしている。当たり前か。とりあえず死ぬまでは生きようと思っているが、確実に死に近づいてるなーと感じる今日この頃。

 

今週聴いてた音楽は

2022年6月4日~10日の話。

2022/6/4

8時起床。ベーコンとレタスをトーストで挟んで朝食。部屋でIUのアルバム聴きながら日記を書く。

で散歩がてらユナイテッドシネマまで。ジョセフ・コシンスキー監督「トップガン マーヴェリック」見る。確かにこれは満足度高い。気持ち良いストーリーに迫力の映像、観終わった後の高揚感。スカッとさわやかだもん。この気持ち良さはザッツ・エンタティメントって感じ。何より映画館で観る意味がある。でっかいスクリーンで、ドカーッと観るのが正解。トム・クルーズの観客ファーストぶりには頭の下がる思い。

映画観終わりradikoで「蛤御門のヘン」鈴木涼美さんゲスト回聴きながらしばし散歩。実に気持ちのいい天気。

帰って遅い昼食。昨日の残りのカレーでカレーオムライス。で夕方まで再び部屋で音楽聞きながら日記を書く。やはりちゃんと毎日書かなきゃぼんやり忘れちゃってるな。

NHKドラマ「17歳の帝国」最終回観る。理想だけでは終わらせないその先の着地点を示唆するラストはすっきりまではしないけど、誠実だと思う。

2022/6/5

8時起床。昨晩から仕込んでおいたフレンチトーストの朝食。平和堂で買ってきたバゲットを卵液に浸して一晩冷蔵庫で寝かしといたのだ。卵液が沁み込んでトロトロ。美味しい。自画自賛

妻と買い物へ行って、昼はパスタ。TVerで「アンタウォッチマン」ベイブルース特集。あの時代、確かにベイブルースは頭一つ出ていたし、次世代のエース格だった。これからという矢先、あの若さでの死とは、なんて神様も意地が悪いんだろう。

続けて「ダイアンの絶対取材しない店」。ダイアンおもろいなー。前にTVで渋谷凪咲ちゃんがユースケのボケを待ちきれない東京のTVに怒っていたが、その通りだと思う。その点、二人でのロケで存分に本領を発揮するこの番組は楽しめる。

アマプラでキム・ホンソン監督「メタモルフォーゼ/変身」を観る。名脇役、ペ・ソンウ主演による悪魔祓い映画。人の姿に変身する悪魔が家族の中に紛れ込みってな、なんとも不気味なアジアンホラー。ひたすら無茶苦茶な状況に陥っていく家族。しかしさすがにうかつ過ぎるやろと思いつつ、まぁ楽しみながら。

2022/6/6

朝から雨。いまだに月曜の雨は憂鬱な気分になる。K-POPガールズグループのバトル番組「Queendom2」最終回。実に3時間!生放送での最終ステージでお祭り騒ぎ感あり。お気に入りの2組が最終残って嬉しい。そしてじらしにじらして優勝は!いやーここ数週、娘といっしょに楽しめたのが何より嬉しい。しばしYouTubeで動画観つつ余韻に浸る。ヒョリン先輩はじめ出場チームみんな好きになったなー。メンバー一人一人の個性も出ててよかった。結局K-POP聴いてる時が一番幸せなんだー、僕ぁー。

2022/6/7

火曜は会議の日。しかし50過ぎても怒られる側。営業職&中間管理職はきついぜ。まったくタフな奴じゃなかったら、とっくにイカれてる。幸せになりてーなー。

2022/6/8

テレワーク。なかなか集中力が続かない。昨日見たマツコの知らない世界に影響受けて、朝から煮卵を仕込んで昼はインスタントラーメン「これ絶対美味いやつ」。味はまぁ普通だった。

部屋では一日radiko流しっぱなし。町山さんの「アメリカ流れ者」、中川家の「ザ・ラジオ・ショー」はリットン調査団ゲスト。悲哀が面白さに転じてて最高。ダイアンの「TOKYO STYLE」、桑田佳祐の「やさしい夜遊び」では「時代遅れのRock'n'Roll Band」話。世良公則との関係や野口五郎の人柄などいい話連発。小学2年生の頃、テレビで初めて「ザ・ベストテン」を観た日のことは今も覚えている。9時には布団に入って寝るという決まりがあったのだが、何でだったか忘れたけど一度家族で観た日があってその時の一位が世良公則&ツイストの「銃爪」。いやー驚いた。かっこいい!子供ながらにそう思ったね。それからお願いして毎週木曜日だけは9時からの「ザ・ベストテン」を観ていいことになった。あの頃聴いた雑多な音楽、歌謡曲、アイドルポップスにロック、演歌が今の自分の血となり肉になってると思う。音楽が大好きになってお小遣いで買ったのがサザンオールスターズの2ndシングル「気分しだいで責めないで」だった。疾走感のあるビートが何とも気持ち良くって何度も繰り返し聴いた。桑田さん、今も現役バリバリで第一線なんだから強い。

2022/6/9

久しぶりに大阪営業。会社戻るのも面倒なので時間休とって阿倍野ハルカスで開催中の「江口寿史RECORD展」へ。江口先生が手掛けたレコードジャケットの数々を展示。その原画もたっぷり。これしかないという線で描かれる極上のイラスト。魂削って描いてるのがわかる。あと原画に描かれたレタリング文字が美しくって感動した。手塚治虫の遺伝子を感じる。江口先生はイラストレーターである前に漫画家なんだなと思った。小学生の頃、どれだけ江口先生の絵を模写したことか。パイレーツ、ひのまる劇場、ひばりくん…。あの頃は毎日毎日絵を描いて過ごしてたな。あー最近は何も見ても、何を聴いても、昔を思い出す。

大阪を歩きながらradikoで「蛤御門のヘン」。柳田光司さんの演芸浪漫回。北野誠さん本人を前にした北野誠論。北野誠さんのバックボーンを紐解きながら、北野誠がいかにMAKOTOになり、北野誠になっていったかを徹底考察し本人にあてていく。めちゃくちゃ面白い!島田紳助松本人志の間には北野誠がいた!学生時代からラジオレギュラーを持ち、映画「ガキ帝国」で本格デビュー、同世代の嘉門達夫雀々、笑瓶としのぎを削り、サイキックで鶴瓶の呪縛から解き放たれる。ラジオ=下宿話というのも目から鱗。柳田さんの真を突く考察が、いつしか誠さんのセラピーになるような展開に。演芸墓掘り人・柳田さんの真骨頂。極上にして唯一無二の北野誠論。新書化希望!

www.kbs-kyoto.co.jp

2022/6/10

やっと金曜。妻から「自転車盗まれてる!」とLINE。以前にマンションの駐輪場をふらふら物色してるおっさんが居て注意したことがあるのでやられたと思ってたら、夕方になって「あった」との連絡。聞いてみたら、昨日仕事帰りに自転車で近くの郵便局に寄って、そのまま忘れて歩いて帰ってきたんだと。どぶろっくのネタじゃないんだから…。っつーかむしろそっちの方が心配になるわ。

 

今週聴いた音楽は

2022年5月30日~6月3日の話。

2022/5/28

ソファで寝落ちしていた娘。結局6時過ぎに目覚めたようで風呂入って髪を乾かしている。そのドライヤーの音で眼ざめる。7時起床。ゆで卵を作ってサンドウィッチの朝食。で土曜日は映画館へ。いつものごとく京都駅まで出て、京都シネマまでは歩いて。

「私のはなし部落のはなし」を観る。3時間20分の長尺ながら、見始めると一切だれることもなくじっくりと見入った。「部落」の歴史、その成り立ちから現代に至るまでをわかりやすく伝えながら、当事者たちが自身の言葉で語る。差別される者、差別する者が「私のはなし」として語る。そもそもが曖昧で実体がなく、現在では法律や制度上にも存在しない「部落」「部落民」。なぜ今も部落差別だけが残り続けるのか。知れば知るほど、その問いかけが浮かび上がってくる。同じ空の下に生まれ、同じ血が流れているにも関わらず、路地一本の線引きで末代までもが差別に苦しめられる。社会は時にその曖昧な差別意識を利用し、社会構造を維持しようとする。映画は丁寧に当事者たちの声を拾い上げていく。線引きされた路地は舗装され、今はその存在すらなくなっていても、差別は今もなお残り、現在進行形の問題として当事者たちに降りかかっていることがわかる。そしてその当事者というのはこの国に暮らす全ての人のことなのだ。私も、あなたも、この差別意識の当事者なのだ。差別をなくすのは私やあなたの意志が必要不可欠なのだ。力作である。恐れず観て欲しい。

で帰りも京都駅までは徒歩で。途中のマクドナルドで少し遅いランチ。エビフィレオバーガーのセット。エビフィレオは初めて。レタスとドレッシングが美味しいが、やっぱり普通のハンバーガーが一番好き。

radikoで「蛤御門のヘン」カミソリ負け弁護士軍団回。法律のプロが柔らかく下世話に事件を解説してくれるのが楽しい。「爆笑問題カーボーイ」は桑田佳祐 feat.佐野元春世良公則、Char、野口五郎「時代遅れのRock'n Roll Band」について、危険球を交えながら熱く語る二人が楽しい。

YouTubeで「ヒルカラナンデス」。プチ鹿島さんが水道橋博士さんとの関係について語る。先輩であり恩人である博士さんに対してとてもいいにくいであろう話。それでも覚悟を持って口にするにはそれだけのものが鹿島さんにはあるのだろう。僕は両方のファンだから、正直とても複雑な心境だ。ボタンの掛け違い。事実は一つでも視点の違いで全く違う解釈が生まれる。言葉を発した人と受け取った人で意図や意味が全く逆に伝わってしまう。確かにこういうことはよくあって、えっ?そんな風に思われていたの?と愕然とすることがあるし、逆にこっちはこう受け取っているのに、本人は全くそう思ってないんだなーとあきれることもある。言葉のプロである二人でもこのすれ違いが起こる。本当に言葉は難しい。

夜、なんとなく寝付けずにSpotifyでいろいろ音楽を聴く。もう20年近く前、小西康陽さんが書いた和田アキ子の「生きる」って曲が最近ずっと頭の中に流れていて、繰り返し聴く。今になって沁みる。

2022/5/29

8時起床。玉子とハムのホットサンドの朝食。久々に妻と買い物。そのまま宅急便の取次ぎもしている妻の実家へ寄って荷物の発送。先日ブログに書いた古い「ロッキングオンジャパン」を買い取ってくれるという方が現れ送付。古くから僕の日記を読んでいただいている方でありがたいし、嬉しい。ちょうど叔母たちが来ていて畑でとれた大量の玉ねぎを頂く。スーパーで玉ねぎの高さに購入を断念したとこだったのでありがたい。ちょうどカツオのたたきを買っていたのでたっぷりのスライス玉ねぎといっしょに食べよう。

昼はこれも貰い物の冷麺。今年初冷麺。しかし今日は随分暑い。午後も妻と買い物。ホームセンターで猫砂買って、GUでビジネスシューズを。

夜、NHKサウンドクリエイターズファイル」野宮真貴さんの80年代語り。初のデュエット曲として紹介した武川雅寛さんプロデュースの沢田研二曲は初めて聴いた。しかし野宮さんの40年に及ぶ活動。自分も80年代からずっと聴き続けているが、まさにオルタナティブポップの女王。特徴のないのが特徴と言われたその歌声は今も変わらず素敵だ。

2022/5/30

月曜。どうも調子が悪い。今に始まったことでもないが。今日も「Queendom2」を娘と。「ドーランの 下に涙の BraveGirls」。ポール牧師匠ならそう一句詠んだだろう。個人的にはWJSNのステージが一番だと思ったが、自分たちのストーリーをステージに込めたBraveGirlsが多くの支持を得たのはよくわかる。いいステージだった。しかし「Queendom2」、登場グループ全部が損をしていない。ヒョリン先輩の存在もあり、皆がそれぞれ切磋琢磨して良いステージを作ろうという気概が伝わってくる。


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2022/6/1

昼間、営業で時間調整がうまくいかず昼ごはんとれず。いつも昼一で営業の時は商談終わってからゆっくり食事をと思うのだけど、商談が思いのほか長引き時間は午後3時。ここが思案どころ。即どこかに飛び込んで食べてしまえばいいものを悩みに悩んだ末、あらゆるレストランやファストフード店を見送りランチ難民に。結局4時に会社に戻っちゃった。くーっ、一食楽しみを失ってしまった。

radiko中川家「ザ・ラジオ・ショー」ものまねの古賀シュウさんゲスト。夢グループの社長ものまね、おもしろい!

2022/6/3

会社帰りに映画を一本。中西健二監督「大河への道」。立川志の輔師匠の落語が原作。日本地図を完成させた伊能忠敬大河ドラマへと奮闘する市の職員。だが伊能忠敬は地図が完成する3年前に亡くなっていたということを知り…現在と江戸時代が交差する松竹印の笑って泣ける人情喜劇。気を張らずに観ることができる分、緩いしぬるいのだが、僕はとにかく中井貴一のコメディ演技が好きなので、そこは大いに楽しめた。大ボケ担当の松山ケンイチを突っ込みつつ、小さな動き、表情一つで笑わせる中井貴一最高。周りに振り回され真面目に困れば困るほど面白い男。中井貴一主演で徹底的に笑わせる乾いたドタバタコメディーを観てみたいな。

 

今週聴いた音楽は

 

2022年5月21日~27日の話。

2022/5/21

珍しく家族全員休みで寝坊。9時起床。バタートーストとハムエッグ、ヨーグルトの朝食。TVerで見損ねていた「アンタウォッチマン」伊集院さんゲストの芸人ラジオ特集、滋賀では放送してないダイアンの「絶対取材しない店」などチェック。

京都シネマまで映画を観に。京都駅からいつものように烏丸通を北へ歩く。途中、「なか卯」でお昼ご飯。いつものごとく親子丼とミニはいからうどんのセット。何回食べても親子丼美味しいなー。ほかのメニューも食べようと思いつつ、ついつい同じメニューになっちゃう。

でまずは斉加尚代監督「教育と愛国」を観る。いかに政治が教育現場に介入してきているのかを丁寧に追うドキュメンタリー。第一次安倍政権で教育基本法が改正されて以降じわじわと政治介入が進んでいく現実にはぞっとする。「正しい日本人」を作るべく「自虐」史観を排し、研究者が調べ積み上げた事実ではなく、政治家たちが望むファンタジーとしかいいようのない歴史を教科書に忍び込ませる。政権に近い保守派の東大教授は「「正しい日本人とは?」の問いに「左翼じゃない」と言い放つ。大喜利じゃなく真剣に。この考えを基に教科書が作られ教育現場に降りてくる。まるで喜劇のようだが、この現実は悲劇でしかないじゃないか。国が犯した過去の過ちを正しく分析し、反省し、未来のために活かすことがなぜ「自虐」なのか。僕にはさっぱりわからない。過去を反省し、より良き未来を考えることがなぜ「反日」なのか。僕には本当にわからない。でもそんな考えを持つ人たちが権力を持ち、巧妙で陰険で暴力的ともいえる手段でじわじわと教育を変えていく。その考えがわからない人間は、左翼とカテゴライズされ排除されていく。本当に酷い国になってしまった。ぶつけようのない怒り、子供たちへの申し訳なさ、暗い未来をただ諦め受け入れるしかないのかという絶望感に打ちひしがれてしまう。

コーラを飲んでクールダウンしてもう一本。続いては李相日監督「流浪の月」を観る。ある理由で家に帰れない10歳の少女更紗。ある雨の日、孤独な大学生・文と出会い、彼の家に招かれる。居場所がない二人が過ごす幸福な時間はやがて終わりをつげ、二人は誘拐犯とその被害者と呼ばれるようになる。そして15年後、二人は再び出会ってしまう。ってなお話。人は自分の理解できる範囲でしか人を観ようとしない。人々の理解からはみ出した二人は、誰からも共感されることもなく、好奇の目に晒される。男と女、その間にある心、そして身体。自分たちの理解できる範囲で、自分たちの常識の範囲で。二人はそこから零れ落ちている。どこにも「帰れない二人」なのだ。だから二人は共鳴する。愛とか恋とかいう関係からもはみ出し、零れ落ちた先で。撮影監督ホン・ギョンビョのしっとりと濡れた画が寄る辺ない二人の心情を現す。信頼と実績の松坂桃李と確かな演技の広瀬すずが素晴らしいが、更紗の恋人を演じる横浜流星が素晴らしい。自分の感情を殴ることでしか表せない悲しきDV男を見事に演じきっていて、助演男優賞もの。見応えのある映画だった。

2022/5/22

朝からマンションの理事会。暮らし始めて27年。マンションもさすがにガタがきているが、それ以上に自分にガタがきている。そんなことを想いつつ。

妻が出かけたので昼は簡単にチャーハン。で今日も映画。ユナイテッドシネマで吉野耕平監督「ハケンアニメ!」を観る。新作アニメの監督に抜擢された新人・斎藤瞳。同クールの同時間に放送されるもう一方のアニメを監督するのは天才と呼ばれる王子千晴。果たして覇権をとるのはどちらの作品か。ってな話。いや、これは思いのほか面白い映画だった!アニメ制作の現場、プロデューサーに製作スタッフ、声優、宣伝・広報に至るまでそれぞれに欠かすことのできない仕事を見せつつ、二人の監督による二つのアニメ作品をしっかり説得力を持たせるべく作り込み、やがて二人の仕事とアニメとが重なっていく。ルックの新しさもありながら、ど真ん中のお仕事ムービーで爽快さが残る快作。吉岡里帆、やっと代表作が出たなーという感じで素晴らしい。でも一番の儲け役はクールなプロデューサーを演じた柄本佑だなぁ。あれはずるい。観た人みんな彼のファンになっちゃうんじゃないか。

で夜は娘と「Queendom2」。贔屓のWJSNが素晴らしいパフォーマンスを見せてくれて大満足。実力はありつつ、今一歩爆発しないままだったWJSNだがしっかりとその強さを見せてくれた。いやーやっぱりこういうの観てる時間だけは日ごろのもやもやから一時でも解き放たれるな。


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2022/5/25

テレワーク。中川家の「ザ・ラジオ・ショー」ゲストのミキとのやり取りが面白い。「東京ポッド許可局」伏線が一切回収されないあれ何だったんだ?話、面白い。

野宮真貴さんの番組にポータブルロック。いやはや2022年にポータブルロック3人がラジオで喋ってるなんて、夢みたいだなー。なんとなくの結成から湾岸スタジオでのデモテープ作り…若き音楽家達の青き時代。野宮真貴のソロデビュー時にプロデューサーを務め、「ポータブルロック」という名前を付け、実家に作った「湾岸スタジオ」で若いミュージシャンを育てる--改めて鈴木慶一さんの偉大さを想う。しかしその時まだ慶一さんは30歳ぐらいなんだから。

昼は日清のインスタント焼きそば。袋麺の焼きそばって結局フライパン二つ使わないといけないことない?一つで豚肉とキャベツを炒めて、もう一つで麺を茹でて。みんなどうしてんの?

2022/5/26

雨が降り出す前にと急いで退社したのに、会社出たとたんぽつりぽつりと振り出したかと思うと一気に土砂降り。さすがにこの雨の中25分かけて歩いて帰るのは辛いので途中のネットカフェで雨宿り。大人のサブカル誌「文春」読みつつ少し時間潰してから帰宅。来るべき新作の為に「トップガン」をアマプラで予習。昔テレビで観たような気もするが…。ザ・80’sだなー。

2022/5/27

今日は一日オンラインでの会議が続く。昔は会議で大阪や京都、時には東京へ出ていたがもうすっかりオンラインが普通になったなぁ。ま、時間的にも効率はいいんだけど。しかし今思えば、たまの会議、会社から出て電車に乗ってという時間がいい息抜きでもあった。便利になるということは息が詰まることでもあるな。

先週見損ねたのでNHKプラスでドラマ「17才の帝国」を。それにしても山田杏奈ちゃんは江口寿史先生が描く美人画から抜け出してきたようだな。

 

今週聴いた音楽は