日々の泡。

popholic diary

2022年6月18日~24日の話。

2022/6/18

早めに寝たのだが夜中何度も目が覚める。スマートバンドをつけて毎日睡眠の状況をチェックしてるのだが、眠りが浅く、眠りの質が悪いようだ。

で朝から映画館。今週もTジョイ京都まで。狩山俊輔監督「メタモルフォーゼの縁側」を見る。75歳の雪はある日、本屋で偶然手にしたBL漫画に心を奪われる。本屋でバイトする女子高生うららは密かにBLを愛好。BL漫画という共通項で二人は出会い、58歳の年の差を超えやがて友達になっていく…好きなものを好きということの大切さ。二人がわちゃわちゃとBL漫画で盛り上がるシーンの多幸感。そしてうららと雪はBL漫画を作ってコミケで販売することに。うららは漫画家を目指しているわけでもないし、その絵はお世辞にも上手といえない稚拙なものだ。それでも、自分の好きを形にしたいという想いで一歩を踏み出そうとする。結局うまくいかなくて、悔しくて、雪さんの作ったカツサンドを食べながら涙するうららの姿が愛おしい。小さな子供が転んで泣いて強くなっていくように、その涙が彼女を強くする。その一歩はうまくはいかなかったとしても、確かに意味があるものだ。

何かを好きになって、夢中になる。世界はひどく憂鬱だけど、その好きが自分を支えてくれる。世界を変えることはできないとしても、ほんのちょっと光を与えてくれる。ささやかなその光が生きる喜びになる。好きが扉を開き、ほんの少し世界が違って見えるのだ。心優しき映画だった。宮本信子はもちろん芦田愛菜が素晴らしくずっと見ていたかった。あとT字路sの音楽、二人が歌う主題歌もめちゃくちゃ良かった。芦田愛菜ちゃん、いい声でかわいくって驚いた。

radiko東野幸治の「ホンモノラジオ」。お相手には元放送作家で現MBSラジオ社長のチロリンさん。この前の「蛤御門のヘン」柳田さんによる北野誠論やエムカクさんゲスト回の高須光聖さんの「空想メディア」とリンク。吉本に独占される前、80年代関西のテレビ・ラジオ・演芸史は興味深いなぁ。それから「爆笑問題カーボーイ」。ダンシング谷村の話は笑った。

帰ってBSでナイツの番組。「おぼんこぼん」ヒストリー。ちょうどメルマ旬報の杉江松恋さんの連載「芸人本書く派列伝」で「おぼん・こぼん」を取り上げていたのを興味深く読んでいたので。伝説のプロデューサー・井原高忠氏率いる「赤坂コルドンブルー」で本格的な「芸」を身に着けた二人。関西出身ながら東京のど真ん中のショービズ、エンタメの流れをくむその独自の立ち位置や異質な芸風。演芸史に名を刻むべき二人なのだ。

録画していたNHKでやった小泉今日子特番の完全版。80年代のキョンキョンの恐ろしいまでの輝き。そして今もなおかっこよくて輝いてる。キョンキョン最高だなー。

2022/6/19

8時起床。卵のホットサンドとヨーグルトの朝食。録画してた町山さんの「アメリカの今を知るTV」。ここ数日、最高裁によって出された酷い判決に暗澹たる思いをしているが、アメリカもまた闇が深い。それでもアメリカはきっちり対抗しようとする動きが見えるが、日本の場合はそれすらかき消されてしまう。とんかつ屋の看板の豚。自分の腹を裂かれながら笑顔で美味しいよ!と笑う豚のように、経済はどん底、言葉は奪われ、人権は踏みにじられても、政権の側に立ってより弱いものを叩く。政権に捨てられてる側なのに。

アマプラで岸由幸監督「前科者」見る。元受刑者の更生を助ける保護司の物語。自身の過去に向き合いながら、懸命に元受刑者に寄り添おうとする主人公を有村架純、そして過去に囚われ闇に引きずり込まれる元受刑者に森田剛。ともに好演。社会からはみ出し、零れ落ちていくもの。本来そこをケアすべき政治や社会があまりに冷酷に、露骨に、暴力的に切り捨てていく。いま世界中で起こっている問題の根源がそこにある。

2022/6/21

ビバリー昼ズ、先週のダチョウ倶楽部ゲスト回を聴く。笑い飛ばしながら、悲しみもすべて包み込むような愛に溢れた高田先生のマシンガントーク。素晴らしすぎる。

2022/6/22

テレワーク飯はひやむぎと玉子丼。ちょっとテキトーに作りすぎた。ナイツの「ザ・ラジオ・ショー」高田文夫先生ゲスト。なんなんだこの回転の速さは!速射砲のごとく繰り出されるトークは古びるどころか爆笑に次ぐ爆笑。日本芸能史の生き字引にして、いまだアンテナビンビンで凄すぎる。

2022/6/23

radiko中川家の「ザ・ラジオ・ショー」フワちゃんゲスト回聴く。中川家×フワちゃんの化学反応。妙なスイング具合でめちゃめちゃ面白かった。

2022/6/24

退社時間、飛び出しでユナイテッドシネマへ。是枝裕和監督「ベイビー・ブローカー」を観る。クリーニング店を営むサンヒョンと「赤ちゃんポスト」のある施設で働くドンスは赤ちゃんポストに預けられた赤ん坊をこっそり横取りし裏流しするベイビーブローカー。ある雨の日、一人の若い女が「赤ちゃんポスト」に赤ん坊を置いていく。いつものごとくその赤ん坊を連れ去る二人だったが、思い直して戻ってきた若い母ソヨンと成り行きでいっしょに養父母を探す旅に出ることに。そのつかの間の時間がそれぞれに事情がある3人、そして彼らを追う刑事にもまた変化をもたらす。彼らは誰もがどこか欠けている。そして互いにその欠けた部分に優しくそっと手を添える。歪な疑似家族は旅を通して「生」について問いかけ揺れながら答えを探そうとする。「万引き家族」の変奏曲であり、その先を探る物語。映画が提示した答えは理想かもしれない。だがすべての子供たち、すべての命に向けた祈りにも似た「願い」がそこにある。欠けた部分をあざ笑い、欠陥品だと切り捨てる社会と、欠けた部分にそっと手を添え救い上げる社会とどっちを僕らは選ぶのか。誠実で切実な願いが込められた映画だった。

しかしソン・ガンホカン・ドンウォンペ・ドゥナイ・ジュヨンという信頼と実績の俳優たち。ちょい役までもが韓国映画やドラマで見知った名優たちと豪華スターだらけ。そんな中、我らがIU、イ・ジウンが堂々たる名演で映画を象徴する。いや、しかし韓国エンタメのど真ん中、キラキラの大アイドルにして大スターのIU、ドラマ「マイ・ディア・ミスター」でもそうだったが、そのイメージとは真逆の役がなぜかぴったりとはまる。私も随分長い間、IU病みを患っていたが、もうしばらく治りそうもないぜ。

 

今週聴いてた音楽は