日々の泡。

popholic diary

2021年5月29日~6月4日の話。

土曜。朝一で近所の映画館へ。

クレイグ・ガレスピー監督「クルエラ」観てきた。「101匹わんちゃん」の悪役クルエラの若き日を描くストーリー。最高っ!めちゃくちゃ良かった!1970年代のロンドンを舞台に、ロックの名曲が響き渡り、いかしたファッションがスクリーンを彩る。エマ・ストーンがとにかくもう最高!「ジョーカー」と「万引き家族」と「パラサイト」と「ボヘミアンラプソディ」をミキサーにかけて煮詰めて、最高のロックとファッション、そして犬!をトッピング。ロックのリズムで流れるように進むストーリー、時にクールに、時に熱く、キメにキメまくるエマ・ストーン。抜群に魅力的なヴィランの誕生。いや、とにかくもうエマ・ストーン

散歩しながら角田龍平さんの「蛤御門のヘン」(5/26放送分)radikoタイムフリーで。ポッドキャスト時代からの盟友・香川照え先生とのコンビで、いつも以上にリラックスムードで言葉も滑らか。「逃げ恥婚」より「有村昆」。「クイズセーックス!」のバカバカしいまでの爆発力に爆笑。やはりラジオは面白い人の面白い話に尽きる。

帰ってチャーハンの昼食。なかなか思うような味に到達しない。

IU主演のドラマ「マイ・ディア・ミスター」をアマプラで。以前1話を観て、あまりのダークさにひるんでいたのだが、心を決めて2~3話を。スーパーアイドル、IUがその輝きを微塵も感じさせない暗い役を見事に演じる。

夜はNHKの「今ここにある危機とぼくの好感度について」。コロナにオリンピック、それに至る様々な(おかしな)事象を凝縮したような物語、その中をどう生き抜くべきか。現実は今もなお、出来の悪いブラックコメディーの真っただ中だ。2021年にこのようなドラマが作られていたことを記憶、記録しておきたい。

日曜。いつものごとく妻と買い物。昼はもやしたっぷりのラーメン。で配信で映画を一本。チョン・ダウォン監督「ガール・コップス」を観る。熱血刑事として活躍していたミヨンだったが結婚・出産を機に市民課の窓口に異動。息子と無職の夫を抱えながら平穏な日々を過ごしていたが、義妹である熱血刑事ジヘがその熱血ぶりから問題を起こし同じ窓口に一時的に配属。家でも職場でも衝突する2人だったが、ある日相談に訪れた若い女性に絡む事件を解決すべく手を組むことに…。脇役として数々の名演を見せてきたラ・ミランとモデル出身でスタイリッシュなイ・ソンギョンの凸凹コンビがW主演、さらに少女時代のスヨンがIT使いの達人である同僚を演じる。女性たちが連携して女性を救うという明確な意志を持った作品。やや過剰なコメディ演出が少々雑だが、それぞれの女性たちがもう我慢しないとばかりに大暴れ。アクションコメディというエンタメ路線ながら、その根底には韓国にも根深く存在する女性を蔑視するような社会構造の問題がある。

しかし油断したら一週間があっという間に過ぎ去る。数字に追われ焦るばかりで心を亡くす。いつまでたっても慣れないものだ。けどまぁ昔より図太くなったかな。

でそんな景気の悪い気持ちを晴らしてくれたのはRed VelvetのJOY、初のソロ作!グループではあまり感じなかったが、こんなにキュートで伸びやかな歌声だったの!?と嬉しい驚き。


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では今週聴いた音楽。

  • 「クルエラ」オリジナルサウンドトラック
  • 「ゴールデンベスト」PINK
  • 「Once upon a time」LOVELYZ
  • 「Aloha Oe」RossyPP
  • 「falling」ヘウレーカ
  • 「IN ANY WAY」大比良瑞希
  • 「不思議」星野源
  • 「アイミル」中村佳穂
  • 「Wekcome Back」ヒックスビル
  • 「MIS CAST」沢田研二
  • 「WAW」MAMAMOO
  • 「Hello」JOY

 

2021年5月22日~28日の話。

土曜。朝から散歩がてら大津アレックスシネマへ。

ロリアン・ゼレール監督「ファーザー」を観た。認知症の父と介護する娘。記憶が薄れ、揺らぎ、現実が歪んでいく父の視点で描かれる。一体何が本当なのか。場所や時間、記憶が瞬間瞬間で書き換えられていく中で疑心暗鬼になり、何もかもが信じられなくなる。なるほどそういうことかと思う。とても穏やかだった人が、歳をとり認知症の症状が出る中で周りの人を激しく傷つけることがある。自分もそのような場面に出くわしたことが幾度となくある。認知が壊れゆく恐怖と孤独。映画は観る者にその体験させる。消えていく記憶、不安の中に飲み込まれていく毎日。その仮想体験はあまりに強烈で、こんなにも孤独で心細くなるものなのかと恐怖すら感じた。胸が潰れるような想い。今まで介護する側の視点でしか見ていなかったが目から鱗というか、自分にとっても貴重な体験になった。観るべき映画。

30分のインターバルを経て、もう一本。

堀貴秀監督「JUNK HEAD」観た。噂に違わぬ狂気の映像。脳内に広がる壮大な宇宙がストップモーションアニメで描かれる。スゲーもんを観た!という映画体験。しかし人口生命体<マリガン>の何とも言えないぬめっとした生々しさ、その×××感にゾワっとする。「愛のコリーダ」観た後だから余計に。

家に帰って水道橋博士さんのイベント「アサヤンVol.7 怪人・寺門ジモン一代記」視聴。浅草キッド著「お笑い男の星座2」において「自称最強!寺門ジモン」として描かれ、当時まだ一般的には「ダチョウ倶楽部」の顔の濃いうるさい男ぐらいの認識でノーマークだったその人物が、とてつもないポテンシャルを持った真の変わり者、奇人中の奇人であることが白昼の下にさらされた。以降、解禁された奇人ぶりはTVなどを通じて広く知られることになるのだが、それでもまだまだ足りない。そんなもんじゃないと、寺門ジモンの奇人・狂人ぶりを定点観測し続ける博士さんが数々のエピソードを本人にあたっていく。「藝人春秋」の中でも白眉にして眉唾ものの話を、事も無げに肯定していく寺門ジモン氏。「9歳まで鉄棒に足の指でぶら下がることが出来た」などなどの信じがたいエピソードのオンパレード。しかしなぜか謎の説得力で「この話は真実なのだ!」と最終的には軍門ならぬ寺門に下らざる得ない。そしてサブストーリーとして語られるのは「お笑いウルトラクイズ」をはじめとした昭和バラエティ史。ダチョウ倶楽部たけし軍団としてその現場を実体験してきた帰還兵である二人に加え、指揮官あるいは衛生兵として現場の二人を見ていた高須Dによる昭和バラエティ戦史。伝説の「お笑いウルトラクイズ/バス吊り下げアップダウンクイズ」映像は当時リアルタイムでも観ていたが、改めてそのとんでもない映像に殴られる。オープニングタイトル、「男達のメロディー」に重なる寺門ジモン映像の数々。ライブを観終わり最後にもう一度見ると違った印象になる。激しい波の中を沈みゆくバス、そこに集う男たちの姿に重なる「運が悪けりゃ死ぬだけさ~」のフレーズが全ての伏線を回収。なぜか感動している自分がいた。


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日曜。いつものごとく妻と買い物。昼はこの前作って冷凍しておいたミートソースでパスタ。期せずして「マルコポロリ」では「ダチョウ倶楽部」の特集。博士さんに次ぐ寺門ジモンウォッチャー、東野幸治が時に空回る寺門ジモンをニヤニヤしながら転がす。おもしろい。

アマプラでファン・ジョンミン兄貴と少女時代のユナ主演の韓国ドラマ「HUSH」、とりあえず第一話を。ドラマまで見始めてしまうといよいよ時間が足りないと思いつつ。

「大豆田とわ子~」。出たよ、オダギリジョー!いかにもオダギリジョーと思わせてのあのキャラクター。おもしろいな

西森路代+ハン・トンヒョン「韓国映画・ドラマわたしたちのおしゃべりの記録 2014~2020」読了。「パラサイト」「はちどり」「82年生まれキム・ジヨン」といったここ数年の韓国映画やドラマを肴に繰り広げられる二人のおしゃべり。国の成熟とともに「大きな物語」から「小さな物語」を描きはじめた韓国、そしてその逆を行く日本。「パラサイト」「キム・ジヨン」の評価については、自分には欠けていた視点で、それは中年男性である自分自身が持つ無自覚な加害性に通じるものなのかと思ったり。おしゃべりをしながら、自分の考えや見方が修正や補完され整理されていく。二人のおしゃべりによってぼんやりと感じていたことが整理され、自分の中に入ってくるという感覚。とても気づきの多い一冊。そしてまた韓国映画が好きになる。

水道橋博士さんのイベント「アサヤンvol.8 近田春夫の電撃的東京」も視聴。近田春夫という人物を認識したのはジューシーフルーツ「ジョニーはご機嫌ななめ」が最初。小学4年の時、ラジオで聞いて一発で好きになった曲。小4の頃には自分のポケットラジオを常に持ち歩いているようなラジオっ子だったから。そしてザ・ぼんち「恋のぼんちシート」。でそれから数年、中学生になって本格的に音楽を聴き始めてからはムーンライダーズにはまり、PINKやパール兄弟といった近田さんに近い位置にいたミュージシャンの音楽も熱心に聴いていたものの、近田さんの作品に触れることはなかった。で高校生の時にプレジデントBPM。今も「LIVE JACK」というテレビ番組にタイニーパンクス(藤原ヒロシ高木完)なんかと一緒に出た時のビデオは持っている。細野さんを迎えた「COME★BACK」とかね。大学時代にはビブラトーンズに遡ったり、小西康陽さん曲目当てだったけどキョンキョンの「KOIZUMI IN THE HOUSE」なんかもよく聞いたな。でここ数年は杉作J太郎さんの番組でよくかかるので、改めて初期作をSpotifyで聴いて今更ながらはまっている。でライブは「近田春夫自伝・調子悪くてあたりまえ」をテキストに近田さんの歴史に博士が切り込んでいく。内田裕也に見いだされ歩みだす音楽道。「理屈抜きで理屈好き」な上に、圧倒的なセンスと演奏力、そして抜群の音楽的嗅覚で様々なスタイルをものにしていくまさに天才。音楽家としてだけでなくタレントとして芸能界をかぶりつきの舞台袖からも観察。「はっぴぃえんど」を源流として語られることが多い「日本ロック史」だが、ここには今まであまり語られてこなかったもう一つの日本ロック史がある。それは近田春夫が歩いてきた道のり、存在そのもののことである!観察眼と実体験で語られる近田春夫史こそが日本ロック史なのだ!いや、面白かった!

asayan.s-hakase.com

 しかし週一ペースで開催されているこのイベント「アサヤン」を視聴し感じることは、歴史を知り、学ぶことの大切さだ。それが例え寺門ジモン氏の眉唾エピソードだとしても徹底的に本人や関係者にあたり、発言を引き出し、裏をとり、事実を浮かびあがらせ、そして真実を見抜く力を養う。これは「卑怯者にならない為のレッスン」だと思う。事実、真実をないがしろにし歴史を踏みにじり、意図的に歪めた果てには何がある。言葉を軽んじ、そのくせでかい声を上げてウソをまくしたてる。例えばあのクソみたいなリコール運動。そこに集った人たち。罪の擦り付け合いに責任逃れ。卑怯者の振る舞いそのものではないか。卑怯者にならない為に何をすべきか。「アサヤン」はその一つの答えなんだと思う。それをエンタメとして圧倒的な濃度とペースでやりきる。笑いながら、その凄まじいまでの執念と信念に畏怖の念すら抱く。本当に凄いことだと思う。

で今週聴いた音楽

  • 「ミッドナイト・ピアニスト」近田春夫&ビブラトーンズ
  • 「バイブラ・ロック」近田春夫&ビブラトーンズ
  • 「電撃的東京」近田春夫&ハルヲフォン
  • 「Drink!」ジューシー・フルーツ
  • 「六本木島」パール兄弟
  • 「KOIZUMI IN THE HOUSE」小泉今日子
  • 「Lyrical 2」Sweden Laundry
  • 「Across The Great Divede」天野なつ
  • 「ゆめ」Lamp
  • 「Tanks and Children Vol​​​​​.​​​​​14」直枝政広
  • 「ミーティン」大なり><小なり
  • 「White」大橋トリオ
  • 「In Dreams」猪野秀史
  • 「The Things That I Love」Motte
  • 「Love Buds」さとうもか
  • 「THE OTHER SIDE OF THE MOON」GWSN

あとここ数週間聴き続けているというか動画見続けているんがOH MY GIRL「Dun Dun Dance」。いや、もう最高。際限なく見ちゃうので一日5回までと決めている。OH MY GIRLは2015年デビューの中堅グループ。普通なら勢いのある新人グループに追いやられ、そろそろ魔の7年目も見え始め徐々にフェードアウトなんてことが多い時期だが、ここにきてヒット連発で存在感も増しというか、もうノリにノッテいる状態。こうなったら強い。ステージに自信が溢れていて見てて単純に元気出る。


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2021年5月15日~21日の話。

土曜。朝一で自転車に乗って映画館へ。

松居大悟監督「くれなずめ」を観た。高校時代の仲間たちが披露宴の余興を行うべく再会。披露宴と二次会の間、懐かしい友人たちと過ごす束の間の時間。そして交差する様々な気持ち達。特大級の映画的飛躍がありながら日常に根差した愛すべき映画。かけがえのない過ぎ去りし日々を想う。時折ふと思い出す今はもう会わなくなった友達や若くして亡くなった先輩。思い出されるのはたいした場面ではなく、ちょっとした会話の一部や一瞬の感情、そのほとんどはくだらないの中に在る。ふと思い出す胸の奥に生き続けている人々。観終わって優しい気持ちになった。

で自転車で近江大橋を越えて隣町の映画館へ。普段あまり行くことのない映画館だけど、県外移動自粛中の為。

続いては今泉力哉監督「街の上で」を観た。下北沢を舞台に古着屋で働く青を取り巻く人々の群像劇。といっても大きな物語があるわけではなく、街の上で日々起こっているであろう小さな日常が描かれる。街と文化、そこに集う人々。日々の営み、そこにあるちょっとした可笑しみや愛しい瞬間。決して映画にならないような、零れ落ちていく日常。それが愛を持って切り取られていく。映画館にいる自分たちと地続きでありながら、とてつもなく豊かで愛らしい。映画らしくないけど映画としか言えない映画。こういう作品に出合うと映画好きでよかったなと心底思う。映画を好きになる映画。大傑作!コントのような小さな出来事がちょっとづつ絡み合いながらじわじわと沁み込んでくる感じがシティボーイズショーをふと思い出したな。俳優陣が皆いい。若葉竜也の佇まい、街への馴染み具合は本当に素晴らしい。ずっと観ていられる。130分、いい時間を過ごせたな。あっ、後、入江陽さんの音楽も最高。

で再び自転車で橋を渡り、30分かけて帰宅。いい映画を観られて今日は大満足。

日曜。朝からマンションの管理組合総会。このマンションに住み始めて早25年。当時新築で、自分も含めてほとんどが若い夫婦だった。同じぐらいのタイミングで子供が生まれて、その子たちも今はみな社会人。内は一人っ子だったから同じマンションに同世代の子たちがいて赤ちゃんの頃から兄弟姉妹みたいにして成長していけたのはとても良かった。今も娘は同じマンションの子とは親友で休日などはしょっちゅう遊んでいる。

午後からアマプラで映画を一本、チョ・グニョン監督「王の預言書」。腐った権力に庶民たちが立ち向かう話をこうして繰り返し様々な形で映画として語り継いでいく。韓国映画人の根底にある気骨みたいなものを感じる。

朝ドラ「おかえりモネ」始まる。名作「透明なゆりかご」の安達奈緒子脚本、清原果耶主演コンビということで期待も大。さわやかだけどどこか憂いのある清原果耶ちゃんは間違いなく未来の大女優。楽しみ。

「大豆田とわ子と」なにこれ、スゲー展開に。予想のはるか上を行くツイストぶりに翻弄されつつ、こりゃ来週以降も見逃せない。

松田龍平石橋静河のシーンに見入る。石橋凌目線で観たら相当グッとくる。人気ロッカーだった石橋凌松田優作初監督作で俳優デビュー。松田優作の死後、其の遺志を受け継ぎ一時歌手を辞めてまでも俳優業にまい進しハリウッドデビューまで果たす。そして今、松田優作の息子と自分の娘が対峙して素晴らしい演技を見せている。これを星座と呼ばずして何と呼ぶのか。

連日の雨、雨、雨。

radikoで角田龍平さんの「蛤御門のヘン」ゲストは竹内先生。プロレス特集と言いつつ、エヴァンゲリオン小柳ルミ子理論から始まり、脱線に次ぐ脱線で楽し。そして語られる87年ジャイアント馬場とラジャ・ライオンの異種格闘技戦。自ら繰り出したキックでふらつくラジャ・ライオンについてまるでつい最近の話題のように語るお二人。で続けて聴いた「東京ポッド許可局」。いいとも新司会者論、これまた楽し。そして25歳だったコーナーでパキスタンと話題からなんとラジャ・ライオンの話題に。ここでもまたつい最近の話題のように87年ジャイアント馬場異種格闘技戦でふらつくラジャ・ライオンについて嬉々として語られる。2021年にまさかのラジャ・ライオン被りに笑った。いや、確かにあの試合、僕もリアルタイムで観ていた。何週も前から煽りに煽り、ついに訪れた対戦。そのあまりのズンドコぶりに日本中がずっこけた。自ら繰り出したキックでふらつくラジャ・ライオンの姿は多くの視聴者の胸に刻まれたのだった。

金曜、仕事帰りにアレックスシネマ」で大島渚監督「愛のコリーダ」を観た。小学生の頃からそのタイトルは知っていたし、問題作だとは聞いていたが50歳にして初見。ヤベーもんを観たというか、観てはいけないものを観たというか、凄まじい作品。とめどない欲望と人間の業。エロスか、芸術か、いやそんな論争は不毛である。愛と欲望の向こう側にまで行きついた時、人はどうなるのか。何もかもを受け入れる男、藤竜也の色気と藤勃也のハッスルぶりに熱に浮かされそう。

しかし「愛のコリーダ」観た後に朝ドラ「おかえりモネ」に登場する藤竜也をどう見たらいいのか。そのうち×××出すんじゃないかとハラハラしちゃいそうだな。とにかくなんて凄まじく素晴らしい俳優さんなのか!

備忘録的にこの1週間で聴いた音楽を記しておく。

2021年5月8日~14日の話。

土曜。8時起床。朝ドラまとめ観つつ卵サンドの朝食。「ナイツのちゃきちゃき大放送」1時間ばかり聞いて、天気もいいのでオジ散歩。続いては角田さんの「蛤御門のヘン」花房観音さんゲスト回聴きながら。帰宅し昼食はナポリタン作って。「ロンハー」「相席食堂」などHD消化。
映画を一本。ユン・ヨジョンさんアカデミー賞受賞記念ということで、配信で、ユン・ヨジョンさん主演「バッカスレディ」を。社会から零れ落ちていく人々の物語。救いのないラストが切ない。

夕飯はスパイスカレーを作る。もう数回目になるのでだいぶ手馴れてきた。まずまずといったところ。これはもう数こなして見つけていくしかない。

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日曜はいつものごとく妻と買い物に行って、後はひたすらHD消化。「アメリカの今を知るテレビ」「いたって真剣です」「ガキ使」などなど。全然おっつかない。

録画していたNHK「ストーリーズ~事件の涙」観る。バス停で殺されたホームレスの女性の話。胸が潰れるような、苦しさが迫る自己責任という言葉の罪。彼女の姿が、未来の自分と重なる。でもそんな風にはまるで考えられない人も多いのだろう。だからこその事件であり、それが今この国を覆っている。自己責任という言葉の罪。悲しくてやりきれない気分になる。

営業で大阪まで。こんなご時世なので車で。車中ではradikoでいつものごとく杉作さんの「ファニーナイト」。癒しのひと時。しかし慣れない場所の運転は疲れる。今はナビがあるから気持ち的には楽だが、サラリーマンなりたての頃は出張なんかにいくと地図片手になれない道を走って迷って大変だったな。当時はスマホも携帯すらもなかった時代。カセットテープいっぱい持って出張に出てたな。公衆電話見つけて会社に報告とかよくやってたもんだ。

ドラマ「大豆田とわ子~」。ここにきてツイスト入ってくる感じ。先が読めんね。

今日は県内外回り。営業は辛いぜ。車中では水道橋博士さんゲストの「くにまるジャパン極」を。「藝人春秋」「アサヤン」などの話。ちょうど「小野神社」の近くを通ったのでお参り。パワースポットかどうかは知らないが。

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韻を踏む行動。これも博士さんの影響。仕上げに会社帰り本屋で「サンデー毎日」博士さんが寄稿された「芸人の流儀でエライ人を斬る」を読む。権力者に尻尾を振って、庶民を恫喝する側に回る芸人が多くなった。ここ数年関西に暮らしていて大阪制作のテレビ番組などを観るとそれはとても顕著だ。土、日のニュース系バラエティなどはもはや危険水域を大幅に超えていると感じる。尻尾を振るどころかケツをなめる勢いで権力者にすり寄る芸人たち。恥ずかしくないのかと心から思う。

朝ドラ「おちょやん」最終回。ここ数年の朝ドラではベストか。童顔の杉咲花ちゃんであるが酸いも甘いも越えた人間としての成長をしっかりと表現していて素晴らしい。ちゃんと歳を重ねた一人の人間に見えた。決してきれいごとだけじゃない人生を正面から描いて、恩讐の彼方に辿り着くとてもいい最終回だった。

金曜。一日テレワーク。集中力を維持するのが大変。昼ごはん作りで気分転換。じゃことシソの和風チャーハン。

家にいる時間や移動中はもっぱらradikoやラジオクラウド。毎週レギュラー的に聴いているのは「ファニーナイト」「蛤御門のヘン」「東京ポッド許可局」、「たまむすび」町山さんの「アメリカ流れ者」、「ビバリー昼ズ」オープニングトーク、「アトロク」のムービーウォッチメンや気になるネタの回。時間があればプチ鹿島さんの「キックス」を。会社では基本自社の番組が流れているし、自分が営業として関わっている番組は確認も兼ねて聴いてる。制作に未練がないとは言わない、やっぱり自社の番組なんかは自分ならこうするなという聴き方をしてしまう。悩める中間管理職。ちょっとツラインダといったところ。

で金曜夜は映画を一本。配信で60年東宝作品「ガス人間第一号」を。以前、後藤ひろひとさんによる舞台版はTV中継で観ていたが映画見るのは初めて。若き八千草薫さんの美しさ、そしてガス人間の悲しさよ。

 

 

2021年5月2日~7日の話。

土曜の夜はドラマを2本。渡辺あや脚本×(信頼と実績の)松坂桃李主演「今ここにある危機とぼくの好感度について」。コメディの中に芯をつく言葉あり。続いては実力派若手俳優がずらっと揃う「コントが始まる」。有村架純いいね。

日曜。朝から車で実家へ。墓参りして、施設に入っている祖母と面会。といってもこのご時世なのでガラス越しに数分。大柄な祖母だったが、100歳を越えここんとこ入退院を繰り返していたこともあって随分小さくなった。言葉でのコミュニケーションはもはや難しいのだけど、彼女の生きた100年についてもっと聞いておくべきだった。

月曜。朝からひたすら庭木の伐採。放っておくとすぐ伸びる。雑草の勢いもすごい。植物の生命力たるや。夕方、買い物がてら妻の実家へ。仕事終わりの娘も呼びご飯。いつもならこの季節はお祭りがあって、義兄夫婦や義姉一家も集まってにぎやかに過ごしていたが、昨年・今年とお祭りも中止で寂しいGW。それでも80にしてスマホデビューの義母にいろいろ教えたりしながらの楽しい食卓。

火曜。今日も朝から庭木の伐採の続き。早々に終了。天気もいいので近所をオジ散歩。ポッドキャストで町山さんの「アメリカ流れ者」、radikoで杉作さんの「ファニーナイト」など聴きながら。
午後からアマプラで映画を一本。廣木隆一監督「ここは退屈迎えに来て」を。何者にもなれなかった者たちの群像劇。まぶしかった青春の残像に囚われその後の人生に虚しさを覚える登場人物たち。でも誰も迎えに来てはくれないのだ。そこから出ていくには自分の足で歩くしかない。ひどく退屈で、ひどく空しくて、果てしないないまでにやるせないけれど、そこにしか人生はない。ある種、残酷な話なのだがとても良かった。

水曜。GW最終日は雨。朝から妻と買い物に行って1袋9円のそばで昼食。
午後から今日もアマプラで映画を一本。キム・ジウン監督、ソン・ガンホ主演の2000年作「反則王」を観る。さえない銀行員が、反則を得意とする覆面レスラーにってなコメディー。若きソン・ガンホの軽妙さと、かなり本格的なプロレスシーンが楽しい。パク・ソンウン、シン・ハギョンといった今や大スターがちょい役で。
続いて配信で水道橋博士主宰のイベント「アサヤン 阿佐ヶ谷ヤング洋品店」Vol.6。義太夫語り「たけし軍団伝」。あの頃の「たけし軍団」。映像からあふれ出る多幸感たるや。確かにあの頃のたけし軍団はアイドルだった。義太夫さんによる「たけし軍団」話は今後もぜひ聞きたいし、あの頃のたけし軍団狂騒曲はいつか映画にして欲しい。

金曜。仕事帰りに映画を一本。大津アレックスシネマで大島渚監督「戦場のメリークリスマス(4K修復版)」を。中学生の頃、テレビで見て以来だからもはやほぼ初見。改めてこんな映画だったのかと驚愕。愛について、日本という国について、個人と集団について…様々なテーマを内包した歪で複雑な映画。しかし翻弄されつつ最終的には心の中で拍手を送った。個人であることより、集団のルールを重んじ、やがて集団の論理に飲み込まれ、集団であることが全てになる。セリアズと出会い、足元が揺らぐヨノイ。それに対しハラは集団の中での自分の位置・力に十分に自覚的で、集団を冷静かつ客観的に観ているように感じた。個人など最初から無いのだという前提にいるからこその視点。野蛮で暴力的に振舞うことにさえ自覚的であるが、それでもローレンスとの対話の中で彼本来の人間性が顔を出す。もし戦争という異常な状況でなければ彼は少々野暮だがただ気のいい親切な男だったかもしれない。クリスマスの夜、酔っぱらった、あるいは酔っぱらったという自己演出を施したハラの振る舞い、あの表情。やがて戦争が終わり、あのラストシーン。たけし、最高!「世界のキタノ」の最初の一歩が完璧に刻まれた名演!素晴らしい!
それともう一つ。収容所の捕虜たちの姿が、今現在の自分たち、コロナ禍という状況でクソみたいな政権に囚われ首根っこを掴まれた自分たちの姿に見えた。

2021年4月25日~5月1日の話。

日曜。娘は仕事。妻と買い物ルーティン。午後、アマプラで映画を一本。レジーナ・キング監督「あの夜、マイアミで」を観る。1964年2月25日、プロボクサーのカシアス・クレイ(後のモハメド・アリ)はヘビー級の世界王者に。彼の勝利を祝うため、活動家のマルコムXアメリカンフットボール選手のジム・ブラウン、歌手のサム・クックが、マイアミのホテルの一室に集まる。その一夜、彼らが交わした会話を描く。自分たち黒人の為に、それぞれが持つパワー(影響力)をどう使うのか。それぞれの立ち位置や考え方の相違、共感と衝突。会話の中で揺れる心情。この夜から時は過ぎ2021年。今もなお変わらず続く差別の現実が切ない。

朝ドラ「おちょやん」。物語も佳境に入り先週からここにきてさらに息が詰まるような展開。杉咲花がとにかく素晴らしく、ぐっと見入る。彼女のパッと花が咲くような笑顔に毎朝元気をもらっていたが、同じ笑顔でもその奥にある悲しみを見せまいとしながら隠しきれない表情の変化が胸を打つ。宮澤エマ(絶品!)演じる義母との再会。思えば「おちょやん」にはどこかシスターフッド的要素がある。岡安のおかみと福富のおかみもいがみ合っているようで、どこか共闘していたし、みつえと千代、劇団のルリ子や香里、灯子でさえも千代にとっては共闘する同志であったように思う。

アカデミー賞助演女優賞に「ミナリ」のユン・ヨジョンさん。韓国映画ファンなら誰もが知る名優。ちょっととんがってて、かっこいいインタビューやスピーチなども痛快。素晴らしいね。

今週の「大豆田とわ子と三人の元夫」も面白かった。東京03、角田さんまんまのようなキャラも楽しく、ダンスシーンは夢のように美しかった。窮屈で退屈で、世界は酷くなる一方のようにも思える今日この頃だけど、まだ終わっちゃいないと感じられる。エンタティメントに救われる夜。

はっきり言っておくけど、政治に染まったオリンピックなんてやめちまえよ。

しかし、東京、大阪、名古屋…揃いも揃って……選挙には行かないといけないよ、まじで。

祝日。アマプラでドキュメンタリー映画、ギャレット・ブラッドレイ監督「TIME」を。銀行強盗の罪で捕まった黒人夫婦。初犯かつ即逮捕で早々に釈放された妻だが、夫に下った罰は懲役60年!さすがにおかしいだろ!と夫の釈放を求める妻。その20年を追うドキュメンタリー。20年前のホームビデオの映像から時間が積み重なっていく。愛の物語であり闘いの物語。

YouTubeでNeggicoのKaedeさんアコースティックライブを視聴。佐藤優介さんとのコンビで。いい曲、いい声、いいライブでほっこり。

今週よく聴いてたのは韓国のシンガーソングライター、Choi  Jungyoon。素直なメロディに歌声。なのにやけに耳に残る。


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土曜。休日出勤。バタバタとこなし終了。さてGW。とはいえ何の予定もなく。ここんとこ、ため息に飲み込まれるような毎日。…いかんいかん。明日は休みじゃないか。

 

2021年4月18日~24日の話。

日曜。昨日の残りのコロッケでコロッケサンド。トーストにバターとマスタード、キャベツの千切りにマヨネーズ、そこにコロッケのっけてソースをかけて。

いつものごとく、妻と買い物。割引デザートをゲット。昼は野菜たっぷりのちゃんぽん。今日は消化しきれていない録画したままの番組を。「アメトーーク」「相席食堂」「ロンハー」「いたって真剣です」「ガキ使」「町山智浩アメリカの今を知るTV」…観たいもの聴きたいものが多すぎて、時間がいくらあっても足りない。読みかけの雑誌や本、後で観ようとチェックしたYouTube動画から聴きそびれているラジオ番組や音楽。追いつく日は来るのか

夜も台所へ。ささみのフライに、もっか研究中のマカロニサラダ、お揚げの味噌汁。マカロニサラダ、なかなか思うようにはいかない。何かが足りない。

ドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」2話も面白かった。石橋静河瀧内公美石橋菜津美が今後さらに絡んでくるとなると楽しみ。いいキャスティング。人と繋がれない時代に描く、人の繋がりの物語。

水道橋博士さんのイベント「アサヤン 阿佐ヶ谷ヤング洋品店 Vol.3」視聴。ゲストは前田日明ターザン山本。オープニングはエンケンの「不滅の男」。プロレスは天龍がSWSに移籍した時を最後に観てないので完全な門外漢だが、前田さんの「闘う国会図書館」ぶり、深い教養と肉体のリアルが融合した圧倒的な「言葉」に痺れまくる。
ラストに登場したのは博士さんの次男・士(アキラ)君。前半で語られた彼の誕生にまつわる前田日明さんとの奇縁からのこの展開!士(アキラ)から日明(アキラ)への手紙。それを見つめる博士さん。その心情を想えば、こっちがもう感激の涙だ。

radikoで「杉作J太郎のファニーナイト」今夜決定!石立鉄男の回聴く。最高!「水もれ甲介」の話しながら感極まって涙ぐんだかと思えば「少女に何が起こったか」での爆笑解説とまさにJさんの真骨頂。ファニー過ぎた。

木曜。テレワーク。昼ご飯に渾身のチャーハン。焼豚とネギ、卵のシンプルにして究極のチャーハンを目指す。うむ、ちょっと油っぽい。まだまだ勉強ですな。

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spotifyNav Katzeが配信されているのを見つける。「闇と遊ばないで」って曲が大好きで高校時代めちゃくちゃ聴いてたなー。クールなギターサウンド、硬質なPOP。今聴いてもかっこいいし、古びてない。

相変わらずニュースは胸糞の悪いものばかり。政治家ってバカで卑怯なクソ野郎しかなれないってルールでもあんのか。国が滅びていくのを見てるのは辛いものだ。

土曜。気晴らしに映画館へ。#文化芸術は生きるために必要だ ってことだ。
ブライアン・カーク監督「21ブリッジ」を観る。ニューヨークを舞台にしたクライムアクション。洋画劇場で昔見たようなどこか懐かしさを感じる刑事ドラマ。で主演は我らがブラックパンサーチャドウィック・ボーズマン。かなりのアクションをこなしてるのだが、服の上からでもわかるぐらい痩せててまさに満身創痍での演技。

録画したままになっていた宮藤官九郎脚本による日系ブラジル人たちの30年を描いたイッセー尾形の一人芝居「ワタシたちはガイジンじゃない!」を。自分は何も知らなかった。ここにもまたこの国の構造の酷さがある。弱者には徹底して冷たい国の姿勢。ただ零れ落ちていく人々を救うのもまた人。隣人の親切。でもそれにも限界はある。その狭間で悶々とするしかないのかな。自分の無力さを感じる日々だ。

NHKドラマ「今ここにある危機と僕の好感度について」。脚本は渡辺あや!主演は信頼と実績の松坂桃李とくれば面白くないわけ無かろうってなもんだ。大学を舞台にした皮肉たっぷりのブラックコメディ。顔がいいだけで何も語らない、空っぽな男。ま、アレとかアレの顔が浮かぶわな。そんな主人公のキャラクターがいきなり面白い。さぁこれからどう転ぶか、楽しみ。