日々の泡。

popholic diary

私は知らない

今日は午後から大阪まで出る。寺尾紗穂さんのインストアライブ。寺尾さんについてはもう何回も書いてる。とにかく僕はその才能に惚れこんでいると言っていい。
インストアライブなので3、4曲かと思ってたが、新曲も含めて6曲も。
丁寧に言葉を選ぶようなMCはとても流暢なものだとはいえないが、そこがまたらしい。アルバムからの曲を弾き語りで。そして唐突に「原発での被爆労働者のことを思って作った歌です」と披露された新曲。賑やかな店内の一角。響く寺尾さんの力強く美しい歌声。まるでそこだけ別世界になったよう。その違和感こそが、寺尾さんの誠実さであり、美しさで、なんだかひどく感動した。
音楽にはいろんなものがある。エンターティメントに徹してただ人々を楽しませるもの。音の響きを求道的に突き詰め、その響きで人の心を動かすもの。誰もが感じる気持ちをわかりやすく記号化して共感を得るもの。etc。
寺尾さんの音楽は、彼女そのもの。重ねられていく日々。その地に足付いた生活の中で、一曲一曲が丁寧に生み出されていく。言葉だけで押しつけるようなことは決してしない。音だけの快楽におぼれることもない。言葉と音が必然を持って彼女の身体から、心から、生み出されている。
おっと、饒舌に過ぎた。それでは一曲お聞きください。