日々の泡。

popholic diary

ロック・ゾンビ

昨晩は久々に夜更かし。HDDでBSでやった赤塚不二夫の特番。意識戻らないまま既に6年の入院生活を送る赤塚氏。こういうことを言うと不謹慎かもしれないが、この人にはなにか人を引き付けるドラマ性がある。シャイで実力を発揮できずなかなか芽が出なかった赤塚が、ギャグ漫画で一気に花開き自らを化かしていく。酒を飲み続け、酔い続け、今は静かに眠っている。「あーよく寝た」って起きてくるんじゃないかと仲間たちが言う。ふと市川準監督の「トキワ荘の青春」を見たくなった。地味な映画ではあるけど大好きな映画。寺田ヒロオを主人公にした映画だけど、ここでも赤塚のドラマが物語に色を添える。
で今日は休み。休日の朝食はここんとこホット卵サンド。トーストにバターとからしを塗って、うす焼き卵を挟むだけ。でもこれが美味しいんだなぁ。娘に漫画を出してあげると約束してたので、押入れからあだち充「タッチ」全26巻を引っぱり出す。ちょっと早いかな。いや、でも「ハチクロ」熱心に読んでたしな。ま、女の子は早熟だからね。と反応見ながら。朝のうちから5巻まで一気読みしてたから気に入ったようだ。
幕末太陽傳 コレクターズ・エディション [DVD]昼から映画観に行く。滋賀会館大ホールでの特別上映。川島雄三監督「幕末太陽傳」観る。57年作、主演はフランキー堺。25年前、小林信彦「日本の喜劇人」を読んだ時から観たかった映画。そして直枝さんの「宇宙の柳、たましいの下着」はこの「幕末太陽傳」の話から始まる。いいタイミングでの上映。これは観なきゃということで。フランキー堺演じるのは品川宿の「相模屋」でどんちゃん騒ぎをした挙句居座る「居残り佐平次」。要領がよくて、いつの間にかすべての人に頼りにされる佐平次。フランキー堺はとにかくスピード感があって動きが軽い。小気味いい喋りは江戸前の粋。それでいて病を抱えた言いようのない不安、その悲哀がちらっと覗く刹那。ここが肝。常に闇を感じながらそれを見せずに生きる男をフランキー堺が見事に体現。なるほど、これは50年先まで残るはずだ。そしてやはりラストシーン。墓場から走り去る佐平次の後姿に思わずカーネーション「やるせなく果てしなく」が被ったね。