日々の泡。

popholic diary

君が愛し続けるならば

月末、週末でヘトヘト。よこもまぁ次から次へとと言う感じで仕事が舞い込んでくる。まぁいい。でもやるんだよ。で夜は会社の歓送迎会。相変わらず苦手だが、今日は一応がんばって全うする。ちっとは大人になったかな。いや、そうでもない。
Hirobumi Suzuki Live chronicle THE DOG DAYSで今日聴いてたのは、鈴木博文のライブアンソロジー「THE DOG DAYS」。サイン入りで昨日メトロトロンから届いた。もう収録曲、そのタイトルを見ただけで胸が熱くなる。ムーンライダーズのレコードを初めて買ったのは85年の10月、「アニマル・インデックス」だった。僕は14歳。メンバーが一人2曲ずつ個人作業で作ったというアルバムで、そういうことがもうなんかカッコイイって思ったな。「ウルフはウルフ」、鈴木博文が作ったこの曲、ムーンライダーズで最初に大好きになった曲だ。文学的でロマンティックでセンチメンタルで、ロックの匂いがした。もうね、何回も何回も聴いたな。とにかくカッコ良かった。今まで聴いてきたどんな音楽より、出会ったどんな大人より。それからムーンライダーズを追っかけて行くことになる。お小遣いを貰えば旧譜を買う、新作はもちろん発売日の前日に買う。「くれない埠頭」「工場と微笑」「ボクハナク」そして「大寒町」好きになる曲はことごとく鈴木博文作だった。高校時代、鞄にはいつも「ムーンライダーズ詩集」が入っていた。「Don't trust anyone over 30」。今でもこれ以上の「ロック」な詩をみたことがない。メトロトロンレコードが出来て、その第一弾として鈴木博文のソロ「Wan-Gan King」が出るというニュースを聞いたとき、どれだけ胸が躍ったか。87年の10月、十字屋四条店でそのアルバムを手にしたときのことは今でも覚えてる。僕は16歳。レコード袋を抱えて、阪急烏丸駅のベンチで電車が来るのを待った、あの時の気持ち。早くターンテーブルに載せたい。そして家に帰って、ターンテーブルに載せる。ゆっくり針が下り、レコードの溝を走る。湾岸スタジオの空気がそのまま閉じ込められたような音。鈴木博文の乾いた歌声。まともでいられる訳ない。20年経って、こうしてまだ聴いてる。文学的で、ロマンティックで、センチメンタルで、何よりロックの匂いがする。容赦なく毎日はやってくる。僕も少しは大人になった、胸の傷も増えたけど少しはタフになった。それでもどこもなにも変わってない。音楽が大好きだった。刻まれるリズム、切り裂くようなギターの響き、グルーヴィーなオルガン、ロックの匂いがする乾いた歌声。少し酔っ払った頭で、鈴木博文を聴く。ロックを聴く。僕は36歳。何も変わってないよ。