日々の泡。

popholic diary

黒いシェパード

さて気分を変えるべく(ってこればっか。全く変わってないじゃないか!)、会社帰りに映画。松本人志監督「大日本人」観る。
観終わった瞬間、「もう一回観たい!」と思わせる映画だったな。以下ネタばれ…は、たいしてないと思うが畳んでおこう。


どこをどう切っても「松本人志」作品。映画とか関係なくもう「松本人志」作品だったな。「映画」である前に「松本人志の笑い」。最初期の漫才から、コント、「ごっつ」に「ガキの使い〜」、1万円ライブ、「一人ごっつ」「ビジュアルバム」と連なっていった先。辿り着くべくして辿り着いたということか。
まず驚いたのが、めちゃめちゃ巧い!ということ。それは「映画」として。教科書があるわけじゃないから、何が巧いのかはもう僕の個人的な判断しかないのだが、僕の場合は「間」が気持ちいいか、どうかが大きな判断材料になる。風景一つでもそれを映し出す時間、次のシーンに移り変わるタイミング、台詞の出る間隔やカメラの動き具合。それが気持ちいいと「巧いなぁ」と呟くことになるのだが、これがもの凄く気持ちよかった。考えてみれば初監督とはいえ、演出家として数々のコントでど真ん中の勝負に勝ち続けてきた人なんだから、そこいらの監督の比ではない。最初のシーンだけで、「うわっ巧っ!」とビビッた。
そこからは飛ばした発想の下、ディテールで詰めていくという松本人志的展開でジワジワと攻めていく。もう物凄く丁寧に映画的にジワジワとだ。ナンセンスと叙情が並列する世界観。そして9割進んだとこで、誰も予想できないであろう大オチに!えぇっ!全部ネタ振りだったの!?と椅子から立ちそうになった。そして「もう一回頭から観てぇ」と思ったな。
素晴らしい映画だ!とか最高に面白い!とかは言わない。既に次作が待ち遠しい。「これからは松本人志の笑いを映画で見ることが出来る」という嬉しさが一番。人生の楽しみが増えた感じ。