日々の泡。

popholic diary

2013年6月上旬のTweet

2013/6/1

今日は映画の日ということで今週も京都みなみ会館へ。韓国映画セレクション最後の一本パク・ジョンウ監督「ヨンガシ」観てきた。致死率100%の変種寄生虫ヨンガシ(ハリガネムシ)による感染パニック映画。もうなんちゅーおもしろさ。開始5分から最後まで緊張感途切れず。人間に寄生するハリガネムシ描写の絶妙な気持ち悪さ、感染者増大のパニックぶりはまさに地獄絵図。スリル、ショック、サスペンスが入り乱れてぐいぐい引っ張っていく。韓国映画、レベル高っ

で続いてバス移動で三条まで出てもう一本韓国映画を。イム・サンユン監督「ある会社員」観てきた。一見普通の企業、実は殺人請け負い会社の「出来る」社員ヒョンド。仕事としてクールに手を血で染める彼であったが、ある事件がきっかけで「会社」を辞めたいと願うのだがってな話。内容だけ聞くとそんなアホな!という話だけど、繊細に物語を積み上げていくのでちゃんとノれる。そして怒涛の大アクション大会に突入。そこまでやるかの大銃撃戦は一見の価値あり。主演のオットコ前俳優、ソ・ジソブはひたすらかっこいいので婦女子大興奮間違いなし!

で今日は思い切ってさらにもう一本。京都シネマに移動して、またまた韓国映画、チュ・チャンミン監督「拝啓、愛しています」観てきた。ハードな前2本とは打って変わってラブロマンスもの。主人公は牛乳配達をする口の悪い男とリアカーを引く身寄りのない女。ともに70オーバーの老人ラブロマンス!ひょんなことで出会った二人の老人に、認知症の妻とその夫。二組の老人カップルの「純愛」。そりゃ泣いてまうやろ!というベタさだが、ベタを照れずに丁寧に誠実に描くのが韓国映画の強み。優しくもビターな、実に「いい映画」だった。

韓国映画三昧の一日。さらに予告編で観た「建築学概論」「ベルリンファイル」など今後も期待の韓国映画がいろいろと。パク・チャヌク監督のハリウッド進出作も公開中だし、もう韓国映画から目が離せない!

しかし映画の待ち時間には水道橋博士の「メルマ旬報」読み、移動中はポッドキャストで「東京ポッド許可局」にプチ鹿島さん回の『ラジカントロプス」、久々更新の「現代漫才論(仮)」(園子温ライブ裏話、橋下凡庸な性癖話などおもろ!)聴く。っていろいろ偏りすぎだろ。そりゃ誰とも話合わんわ…

2013/6/3

最近はもっぱらネットで韓国盤だけど、久々にタワーで邦盤。小西さんプロデュースのNegicco「アイドルばかり聴かないで」購入。詞も曲もアレンジも歌唱も3分台の曲の長さも最高!完璧なポップソング。

2013/6/7

今日は会社帰りに映画を一本。ウォン・カーワァイ監督「グランドマスター」観てきた。若干の消化不良はあるものの、これは目が喜ぶ映画だな。トニー・レオンチャン・ツィイーの流麗かつ美しいカンフーが大きなスクリーンに映える。

2013/6/8

今日も朝から映画。パク・チャヌク監督のハリウッド進出作「イノセントガーデン」観てきた。もう最初のワンショットからパク・チャヌク印!完璧にデザインされた画とイメージの連鎖で不穏な空気が絶えることなく漂う。キリキリとギリギリのところで緊張感が持続。朝から濃かったなぁ。パク・チャヌク監督、堂々としたいい仕事ぶり。フェティッシュなイメージの連鎖からエロティックな匂いが沸き立ち、ザワザワが止まらない。途中からニコール・キッドマン杉本彩に見えてきたぜ

で地下鉄で移動し、もう一本。ウディ・アレン監督「ローマでアモーレ」観てきた。なんちゅー軽い邦題つけんねん!と思っていたが、観てみたらまさに「ローマでアモーレ」的なバカバカしくも軽ーい作品。ローマを舞台にしたスケッチ集で、「ウディ・アレンのコント」って副題つけたいぐらい。70歳近いウディ・アレン、「ミッドナイト・イン・パリ」の大ヒット後のこの軽さ。評価される作品じゃないかもしれないが、思わず声出して笑っちゃう台詞や場面も多くて、この軽さ、嫌いじゃない。

2013/6/9

今日も朝から映画。市井昌秀監督「箱入り息子の恋」観てきた。文化系女子向けの雰囲気映画だったらいやだなと思ってたが、全くそんな感じじゃなくて、痛みと体温を持った心優しい映画だった。非常に好感持ったな。星野源夏帆、主演の二人が持つ初々しさと透明感。それと嫌みの無さ。結構がっつり性描写もあるけど、どこか微笑ましく見守りたくなるような感じもあって良かった。あと、助演の穂のかが良くって今後要チェックかも。特筆すべきは、高田漣さんの音楽。音楽がこの映画に果たした役割は大きかった。作品を包み込む名助演が音楽にあった。エンディング曲も高田漣さん曲で最後まで気持ちよく観賞できた。近頃はとってつけたようなエンディング曲で映画ぶち壊しってのも多いからね。

そして今日ももう一本。原恵一監督「はじまりのみち」観てきた。木下恵介監督の物語。伝記映画的なものじゃなくて、戦時中、彼が病気の母をリアカーに乗せて疎開先まで運んだたった3日のエピソードだけを描いている。しかしその中で彼がどういう人間で、どんな信念をもっていたかが見事に描かれる。派手なエピソードを散りばめ、声高に叫ぶような映画とは全然違うのだが、小さく静かな物語の中に、親子の深い愛情や、人としての生き様・信念、映画を撮るということ、など様々な想いがあって、木下恵介監督の人としての根幹に触れるような映画になっていた。これは傑作です。木下恵介役の加瀬亮とその兄役のユースケサンタマリアがちゃんと兄弟に見えた。濱田岳は相変わらず上手いし、全編寝たきりという役ながら説得力が半端ない田中裕子さんも素晴らしかったな。これぞ、深イイ日本映画。

2013/6/12

遅ればせながら星野源「Stranger」聴く。うむ、これは傑作。10年後、20年後「日本のアルバムベスト100」なんて企画には必ず出てくるであろうアルバム。なんというか誠実さと切実さが桁違い。飄々としたユーモアの中に、揺らぎない重みとシリアスさがある。あとジャケットが物凄くいい。80年代初頭~中頃、例えば佐野元春とか大澤誉志幸といった新しいポップスの旗手たちが持っていた雰囲気がある。なんか、いい“かっこつけ”がある。

晩ご飯食べながら、録画していた例のNHK「未解決事件」見る。いや、さすがに食欲なくなるよ…。っつーか、烏丸せつこ、巧すぎ&怖すぎっ

2013/6/15

大阪で会議。のついでにチョ・ソンヒ監督「私のオオカミ少年」観てきた。郷愁、胸キュン、ファンタジー。甘み成分とホロ苦成分の絶妙なバランス。思春期の少年・少女に見てもらいたい。忘れえぬ一本になると思う。観客のほとんどが女性なので、ソン・ジュンギ君がピックアップされるのだろうけど、小林信彦御大と同じく「女優で映画を観る」おじさんとしては、パク・ボヨン嬢に完全にやられた。グッとくる泣きの演技と中盤のコメディシーンでのキュートさ。完璧すぎて眩暈がしたよ。