日々の泡。

popholic diary

透明ガール

はい、金曜。とにかく仕事は片付けた。んで映画だ。李相日監督「フラガール」見る。
既に「泣ける」と評判だが、「69 sixty nine」の李監督なのでそれだけの映画ではないだろうと思い。で映画は実にストレートで真っ当なものだった。昭和40年、福島県の炭鉱町が舞台。廃れゆく炭鉱に変わる地域産業として、一大レジャー施設「ハワイアンセンター」が建設されようとする。フラダンスなんか踊ったことのない炭鉱町の若い女性たちは東京から来たフラダンスの先生とぶつかり合いながらフラガールとして成長していく。ま、ベタっていえばベタ、王道のストーリー。ともすれば予定調和なつまらない映画になりそうだけど、変に甘くせず骨太に作ったのが正解。最近は薄っぺらな「泣かせ」映画が多いが、エッジを効かせつつベタな展開にも逃げずにダイナミックに撮り切ったことで深みが増している。実際のフラダンスがフワフワした印象とは違い、かなり激しく強いものであるようにこの映画も激しく強い。炭鉱でのビターな現実、そこに自ら光を差し込もうとする「生」の強さ。確かに最近すっかりパッキンゆるめの30男は泣かされちまったが、「泣ける」という宣伝文句がむしろ邪魔。それだけで終わらせるには勿体無い。ラストのダンスシーンの迫力にはむしろ激しい興奮を覚えた。で役者陣は天才・蒼井優ちゃん相手では分が悪いんじゃないのと思ってた先生役の松雪泰子が素晴らしかった。キレイなだけの人かと思ってたが考えを改めます。そして岸部一徳豊川悦司といった男達がねぇ、なんかダメで優しくて良かったなぁ。それにしてもまた「女性にはかなわないなぁ」と思っちゃいましたね。
で映画観てて思いついたんだけど、「じゃりン子チエ」キャスティング問題。「お好み焼き屋」に岸部一徳でどうだ。凄みと情けなさをカバーできる演技力、小鉄とジュニアの最初の決闘シーンで泣き崩れる親父を演じられるのは彼しかいない!これ、もう決定。