日々の泡。

popholic diary

長い休日

今日は休み。夏休みを1日とる。9月中にとらないと消えてしまうのでちょっと無理やりだが。で昨晩はまたしても夜更かし。だけど今朝は8時前には起きて、9時には外出。もう今日は自由に過ごすのだ。
京阪電車にのんびり揺られて京都の一乗寺まで。久々に恵文社に行く。結局、本屋かよ!ってとこだが、滋賀にはこういう本屋ないんだよね。相変わらず落ち着く。本の背表紙を一冊一冊眺めては、気になった本を手に取る。別に買わなくてもいいんだ。ここにいてこうしてるのが楽しい。新しく出来た生活館も覗けたし満足。沢村貞子「わたしの台所」購入。なぜか恵文社では料理エッセイ本を一冊買うという決まりが自分の中に出来つつある。
それからそのままぶらりと歩く。多少湿度は高いが、随分涼しくなったから歩くにはちょうどいい。白川通りに出て、目に入った蕎麦屋で昼食。温かいせいろ蕎麦というものを初めて食べたがなかなかおいしい。きのこの天ぷらにかやくご飯もついて秋らしいお膳。これまた満足。
そしてそのまま、前から行きたかったガケ書房に行く。ってまた本屋かよ!噂どおりの店。CDも充実してて、そのセレクトぶりはまさに趣味ぴったり。そこでもまた端から端まで背表紙眺めて、心の中でニヤつく。恵文社では品切れしてた佐藤雅彦「Fが通過します」購入。今日はこれを購入するのが目的みたいなもんだったから嬉しい。
でまたぶらぶら歩いて百万遍辺りへ。昔、祖父母の家があった場所。昔から夏休みと言えば百万遍なんだな。また来てしまった。小さなパン屋、マルホベーカリーでいつものごとくクロワッサンとぶどうパンを購入。ふと目に付いたクリームパンに妙に惹かれるものがあり1個買ってみる。そういえばもう30年以上前から、それこそ物心つく前から、母や祖母に連れられてこのパン屋に来てるが、いつも買うのはクロワッサンもしくはぶどうパンと決まっていて、実際その二つがあまりに美味しいからそれ以外のパン買ったことなかったことに35歳にして気付く。で昔、銀玉鉄砲の打ち合いお兄貴や従兄弟たちとした公園のベンチに座ってちょっと一休み。クリームパンを食べてみる。一口食べて驚いた。衝撃的な美味さだったのだ!粉が噴いたつや消し気味の懐かしいもちっとしたパン生地。中のクリームは半透明で白っぽくて、砂糖の心地よい甘さが舌に絡みつく、今まで食べたことの無いようなクリーム。僕は最近のなめらかすぎるクリームよりホロホロした感じのクリームが好きと常々公言してきたが、このクリームはそのどちらとも違う、「なんだ、これは!?」という感触。綿菓子のような甘さ、なのにクドくなくて、とにかく口に入れた時、懐かしいいい気分がした。なんで俺は今までこの美味さを見過ごしてきたのか。確かにここのもちもちで重くって昭和の味がするクロワッサンは最高だ。ジャリジャリとザラメの感触が残るぶどうパン、こいつもグッジョブだ。でもさらにこんな秘密兵器があったとは。感動である。久々に美味さに感動。すぐ店に引き返し、追加購入。「あまりに美味かったんで、また買いにきました。このクリームは素晴らしいですね」と言うと店主は礼を言った後、さらりとそして何気に強く「自家製…ですから」と言った。
でそのままバスに乗り、京都駅へ。伊勢丹でやってる「アルフォンス・ミュシャ展」観にいく。思い入れは特別なかったんだが、これまた度肝抜かれた。素晴らしいデザインセンス。どの作品も完璧にデザインされてるんだもん。とんでもない構成力、アートディレクションの素晴らしさ。そしてデザイン力、作画力の圧倒的な高さにちょっと驚いたなぁ。縦長のポスター、こんなのが街に張られたら、そりゃ当時のパリッ子たちは驚いたはずだよ。今生きてたらガンガンCDジャケットとか作ってるだろうな。そして描かれる女性の丸みを帯びた柔らかさがなんともまた素晴らしい。観終わるのが惜しくて、3歩進んで2歩下がる感じで。こりゃいいものを観た。
で大津に戻って、家に帰ると見せかけて別宅=滋賀会館シネマホールへ。西川美和監督「ゆれる」観る。!。これまた素晴らしい作品。香川照之、スゲー!ということで長くなったので感想は明日にでも。