日々の泡。

popholic diary

ひとつだけ

まずは昨日のこと。父、朝から手術。午後、無事終了と母からの電話。とるべきものはしっかりとって、まずは大成功。これからが大変だろうが、ひとまず安心。
夜、仕事終え実家に車飛ばす。車中の音楽はカーネーション。ここ一番はやっぱり、カーネーションだろ。男気を注入する。
実家に着くと、母が夜食を用意してくれていた。数日前は泣き崩れていた母も、やっと安心できたよう。食べながら、喋り続ける母の話をウンウンと聞く。そして数年ぶりに実家に泊まる。改築後の実家に泊まるのは初めて。約20年暮らした家は、数年前に全面改築して今は見る影も無いが、それでもその土地の感触と言うのだろうか、懐かしく感じるから不思議だ。
で今朝は8時前に起床。トーストにハムエッグにサラダに苺。実家ならではの豪華な朝食。何が嬉しいかって、自分で作らなくてもいいんだもん。
で母、兄とともに病院へ。父はまだ集中治療室。1時間ばかり待合室で待ってると、個室への移動が完了したと看護婦さんが呼びに来てくれる。
父は身体にいろんな管つけてるものの、意識はもうハッキリしてる。「大丈夫や、ほら力もあるやろ」と僕の手をギュッと握る。
ずっと子供の頃、多分小学1年とか2年とかそのぐらい。父と二人で散歩をしたことがあって、父は僕と手を繋ごうと僕の手を握ってくるんだけど、僕はなんだか恥ずかしくて、その度に手を離そうとした。その時のなんとも言えない気持ち、そのとき歩いてた道、風景をなぜだか今でもずっと覚えてる。こうして父に手を握られるのは、もしかしたらその時以来かもしれない。
病室に家族四人が揃う。僕が結婚して家を出てから、こんな風に家族が四人だけで一つの部屋に揃うなんてことさえなかったな。真面目だけど冗談が好きな父、明るくて陽気でお喋りな母、お調子者で優しくて遊び人の兄に、陰気でひねくれてて甘ったれな弟(僕)。そんなありふれた家族。でも世界でたった一つの家族。
一安心したとこで、兄貴を実家まで送って、そのまま大津に帰る。
ソファーには必至でマリオカートに興じる妻と娘。その横では当たり前のように黒猫がくつろいでる。で陰気でひねくれてて甘ったれで、不器用な器用貧乏の父は早速、夕飯を作りはじめるのだった…。