日々の泡。

popholic diary

LIFE IS THERE

では、まずは昨日の話から。
6時前に起きて、今日は東京出張。7時9分京都発、東京行きののぞみに乗り込む。家にあった「コーヒーサンドパン」をかばんに突っ込んできたので、車中で朝食。軽く一眠りして、リラックスタイム。
夏ゆきの雲そんな訳で車中で聴いた音楽は、プラチナKIT「夏ゆきの雲」。後にムーンライダーズのトリビュート盤なんかを手掛ける金津ヒロシと、ムーンライダーズやPSY・Sのライブでコーラスを勤め、後に「テッチー」名でソロデビューする本間哲子からなるユニットの2枚目、90年作。プラチナKITは残念ながら当時ほとんど評価されなかったけれど、二人ともがポップな曲が書けるし、本間哲子嬢の伸びやかな歌声は誰にでも親しめる魅力があった。プラチナKITをより下世話に単純化したのがドリカムだ-とは言いすぎだろうか。
クラムボン「てん、」。現時点での最新作。もはや孤高のバンドと呼んじゃっていいんじゃないだろうか。鬼気迫る音のせめぎあいをみせたかと思うと、全てを包むようなピースフルな世界観を提示してみせる。この緩急のバランス。胸が締め付けられるような瞬間が時折あって、その痛みの感覚こそが、クラムボンの音楽の生々しさを表してる。
空気公団「空風街LIVE」。ふと聴きたくなるアルバム。説明のしようもないんだけれど、-好きだなぁ、こういうの-ってことだ。
で東京駅着。いきなり思い違いをしていて地下道をウロウロ。地下鉄が無い街に住んでいる身には、複雑に入り込んだ東京の地下鉄は難関なのだ。矢印を追いかけて乗り場に急ぐのだけど、まるでキツネに化かされてるようで同じ処をただグルグルと回ってるだけなんじゃないかとさえ思う。そう言えば、もう5、6年前の話。東京駅で「ややこしなぁ…」とぼやいている大柄の男性が居て、ふと見てみると「レッツゴー三匹」の長作さんだった。さすがの長作さんも東京ではレッツゴーとはいかないんだなと思った-っていや、別にそれだけの話なんですがね。
で無事、会場に到着。今日は夕方まで1日、会議&講演。顔見知りの他局のかたもちらほら居て、軽く挨拶したり。居眠りしないようにがんばってなんとか終了。早起きだったから疲れた。でそのまま東京出張時のお約束、新宿末廣亭に直行す。
それにしてもやけに落ち着く。桟敷席で笑ってると、こここそが俺の居場所なんじゃないかって気がする。今日も楽しい出会いがいっぱいあった。まずは音曲、松乃家扇鶴。いいぐあいに力が抜けてて楽しい。前に座ってたおばあちゃんがやけにツボに入ったみたいで、ひーひー笑ってたのが印象的。それも込みでなんとも楽しい高座。それから桂幸丸。「51歳なんですが、落語界ではまだ若手なんですよ-」と時事ネタ漫談風に。寄席ならではのぼやき、毒舌、に爆笑。それから北見伸のマジック。単純に「ほおぉー」って驚ける。マジックってだれもが楽しめるエンターティメントなんだね。ちなみに「てじなーにゃ」の山上兄弟北見伸さんの息子。
でついに、ついに、昔々亭桃太郎師匠!の高座を観ることが出来た。CDで何度も聴いたあの声が、今目の前で!と一人興奮。桃太郎師匠、朴訥にボソボソといった具合で、なめらかで流れるような口跡とはほど遠いのだが、それでも、いやそれゆえに最高に可笑しい。ポーカーフェイスで、ボソボソと繰り出されるストロングスタイルの大爆笑噺「勘定板」。勘違いが勘違いを生む、ウ○コネタ「勘定板」は、もうどうやったってオモロイ噺なんだが、桃太郎師匠のあの顔、あの声でやられると爆笑の二乗、もう寄席中大笑い。みんながみんな、次、どんな一言がでるのか?ともう師匠の落語だけに集中してる。なんとも呑気な集団だ、こりゃ。今現在、世界で一番ハッピーな空間なのではと思う。だって、全員子供みたいにゲラゲラ笑ってんだもん。でここで仲入り。もう大満足。
でまた凄い人発見、三笑亭笑三師匠。大正14年生まれってんだから、まごうことなきおじいちゃん。軽妙洒脱な語り口、仕草、イチイチ可笑しい。そしてそれが実に気持ちいい。いやぁ、落語はまだ入り口に立ったところなので、この先いっぱい楽しめるなぁ。嬉しい。それから曲芸のボンボンブラザーズも凄かった。鼻の頭に細く折った紙を乗せてバランスをとるんだが、その状態で高座から降りて、桟敷席上ってきて、さらに高座に帰っていくというもう大拍手しちゃった。あー、寄席は楽しい。嫌なこと全部忘れられる。あーついでに今日一日の仕事話全部忘れちゃったや。ま、いいか。
で東京で一泊と行きたいとこだが、そのまま新宿駅の深夜バス乗り場へ。もう春休みなんだな、人でごった返している。
バスえらく遅れてて、待ち時間に、三分の一ほど読み残してなかなか読む時間が無かった東野圭吾「天空の蜂」読了。骨太なエンターティメント。さすがに面白い。言ってみれば荒唐無稽なホラ話を、ここまで徹底してディテールを描き、その登場人物たちの心理を丹念に作り上げていく想像力と創造力。脱帽であります。
でやっとのことバスに乗り込み、一路京都まで。
朝、7時京都着。7時半には家で朝飯作ってんだから、俺もなかなかにタフだ。朝風呂に入って頭を覚まし、いつものように土曜日が始まる。「ベリーベリーサタデー」、何度も言うようだが、今あえて鈴木杏樹がかわいすぎる。
青山陽一 / Broken Words And Music In Concert [DVD]でDVD鑑賞。青山陽一「Broken Words And Music In Concert」。はっきり言ってマストバイです!もうね、エロかっこいいってのはこういう音楽のことを言うんだよ!と言いたい。エロかっこいい、いや、単に衣装が露出過多なだけで、音楽は品行方正で安全パイで人畜無害ってのが多い昨今、謎に満ちて、危険で、妖しい青山氏の音楽を一回でも聴いてみやがれ!本当にかっこいい音楽ってのは、こういうのなんだと思い知るべき。…とここまで言っちゃうぐらいの作品。もう一度言っとこう「マストバイですよ」。