日々の泡。

popholic diary

ちかく

そんなこんなで久々更新。まずは木曜。いつもより少し早く起きて8時発ののぞみに乗って東京まで。自分で作ってきたおにぎりの朝食。i-podを相棒に旅の始まり。ま、単なる出張だけどね。
で昼からはずっと会議。夜は関係社が集まるパーティーに出席して、その後は東京支社の人達と軽く一杯。でホテル入って後は寝るだけ。つまんないけど、しょーがない。
で翌日も会議&セミナーで夕方まで。天気もいいのに、一日会議室に軟禁なんだもんなぁ。東京見物したくてうずうず。
でスケジュール全てこなしてやっと解放。ちょっと寄り道。伊勢丹でいなり寿司弁当調達していつものごとく新宿末廣亭へ。こればっか。ライブとかやってないかいろいろ調べたんだけどねぇ。結局はここに落ち着いてしまった。
正楽師匠の見事な紙切り(「両国の花火」なんて素晴らしい)や橘家円太郎や桂文楽、奇術の伊藤夢葉も楽しい。「えー、いっぱいのお運び頂きまして、誠にありがとうございます」「落語家なんてーのは呑気な商売でございましてね」「お越し頂いてありがたいことです。こっちから押しかけるなんて強気な商売じゃござんせんもんでしてね」「連日、いっぱいのお客様にお越し頂いて嬉しい限りでしてね。でもあんまりいっぱいだとやりにくいもんなんですよ。ちょうどいい人数ってのがありましてね。(軽く客席を見渡して)ちょうどこれぐらいが一番ですよ。アットホームで」とかいろいろ、座布団に座って最初の一言ってのがなんか心地よくって可笑しくってついついマネしたくなっちゃう。車の中で一人だったりすると「えーお足元のお悪い中を、いっぱいのお運びいただきまして〜」なんて練習したりしてね。ま、使い道ないですが。桟敷席で弁当食べながら呑気に笑う。寄席は楽しいなぁといつもながらに思う。一時、現実から抜け出せた。でもちょっと残念だったのは、目当てにしてた小円歌さんが代演になっちゃってたこと。ま、代演のすず風にゃん子・金魚さんも力技で笑わしにかかる熱演で楽しかったけど、小粋でかっこいい小円歌さんを楽しみにしてたのになぁ。でトリの小燕枝師匠までキッチリ笑わせてもらって東京駅に戻る。
で11時発の深夜バスで帰郷。このパターンにも慣れたもんだが、さすがにしんどくなってきたな。上手く寝られず何度も夜中目を覚ましてしまった。尾てい骨が痛い。お尻が割れそう。で今朝7時、京都駅到着。無駄は無いが、「寿命縮めてる」感があるなぁ。でぱっくり寝癖のついた頭を気にしつつ大津まで帰り、7時半には家で朝飯食ってるという。
熱いシャワー浴びて目を覚ますも、結局午前中はくったり&ぼんやり。午後から、妻と娘は近所の友達らと「ポケモン」観にいくとかででかけちゃったので、こっちも映画。
滋賀会館シネマホールで萩生田宏治監督「神童」観る。主演は成海璃子ちゃん。平成生まれの天才女優なんて呼ばれちゃってるし、本人もその意志があるんだろうし。確かに14歳にしてはしっかりしすぎの出来杉クン。もし会う事があったら、間違いなく敬語で喋っちゃうだろう。でも正直、そこまで持ち上げんでも…という天邪鬼な気持ちもあったんだが、生真面目な演技は「神童」であるこの役にはピッタリだった。例えば拾い上げたりんごを、指でコンッと弾き、耳に近づけその音を聴いて、おもむろに林檎をかじってちょっと微笑む-なんてシーン、台詞もないそんなシーンを大スクリーン独り占めで、ちゃんともたせてしまう。その求心力はたいしたもんだ。映画自体はちょっと散漫かなぁなんて思ったとこもあったけど、成海璃子ちゃんの存在が映画を一本筋の通ったもにしてる。でもちょっと言っとくと、あんまり「演技派」とか「天才」とかいう言葉に引っ張られすぎないで欲しいな。原石であることは間違いないのでうまく磨いてほしいもんだ…とお父さん目線で。で彼女の演技がたってるのはそれを支える脇役陣の見事な演技があってこそとも思った。串田和美キムラ緑子甲本雅裕なんかが、彼女の生真面目な固さと対照的な柔らかな演技を見せてくれたことで映画のバランスがとれてる。共演の松山ケンイチも好演。でこれクラシック音楽の世界が舞台になってる映画なんだけど、映画音楽自体はハトリミホ(ex.チボマット)で、主題歌はミト&原田郁子。その辺のバランスもいい。アカデミックにやられすぎると、音楽の自由さが失われていくし、それはこの映画のテーマとも離れてしまうだろうから。
で夕食もみんなで食べるから、勝手に食べといて!とのことなので勝手に食べる。食材の買出しから行かなきゃならないとこがなかなか…。半額シールが貼られた鯛の刺身を買って、これまた半額シールのあさりは酒蒸しにして、冷蔵庫で賞味期限を過ぎて微妙に残されたキムチは豚肉と一緒に豚キムチに。チューハイ飲んで一人居酒屋。
でのんびりしてると帰ってきた娘になぜか銭湯に連れてってとせがまれる。同じマンションの友達といっしょに行きたいから連れてってとのこと。家から徒歩1分の昔ながらの銭湯。僕も一回行きたいと思ってたから行くことに。これが実にいい銭湯だった。昭和の匂いが充満。女湯と男湯の間に番台があって、おばあちゃんが座っててね。娘とその友達は女湯へ、僕は男湯へ。女湯の方から、先に入ってたであろうおばあちゃんと喋る娘たちの声が響く。男湯から「ちゃんと洗ってるかぁ」なんて声かけると「洗ってるでぇ」と娘から返事が返ってくる。そんな懐かしい銭湯。風呂出て90円の瓶入りペプシ飲みながら番台のおばちゃんに話聞く。昭和36年からやってるんだとか。近くにいいスポット見つけちゃったなぁ。また行こう。