日々の泡。

popholic diary

ボブ

3月。雨の朝。庭先の野良猫はますます図々しくなって部屋の中で、俺より豪華な朝飯を食べている。
で夜も雨。今日聴いてたのはまたまたNONA REEVES「3×3」。もう既に何十回と聴いてるが、飽きない。聴く度に新しい発見があるってのは良いアルバムの絶対条件。ずっと聴いてて思ったんだが、このアルバムは「音楽」についてのアルバムだ。どうして僕らは音楽を聴くのか?音楽はどこからきて、どこに行くのか?音楽を巡る旅の過程。音楽へ向けて歌われるラブソング。優れた音楽は、音楽そのものがメッセージになる。ちょっと類をみないぐらい緻密に作られたアルバムでもある。曲の並びは当然、一音一音の選び方、その残響、曲間の秒数、そして選び抜かれたメロディ、声の乗せ方…。こだわり?そんなもんじゃない。音楽が与えてくれたもの、教えてくれたこと、音楽への深い愛と畏敬の念が、自然とこうさせたんだと思う。彼らの音楽への向かい方は、間違いなく正しい。なんて難しく言わなくても、聴けばわかるよね。何かしながらとか、いろんなこと考えながらとか、そんな風に聴きはじめたのに、いつの間にかその音楽だけに支配されてしまうことってある。気がついたら、頭ん中、胸の奥、指の先までもう音楽でいっぱいになってるって時が。もう自分すらどっか行っちゃって、音楽と同化する瞬間。心が生まれた場所、確かにそこにこの音楽はあったんだって思う。だからずっと音楽を聴いてる。