日々の泡。

popholic diary

ゴーゴー女王陛下

さて、休み明けの月曜日。あんまり休んだ感がないんですが・・。で通常営業でお仕事。夏も終りだ、まだ暑いけど。
帰りの音楽は、「ベリッシマ」の次はこれでしょ「女王陛下のピチカート・ファイヴ」。ピチカートの89年作。これも、かの「ベリッシマ」以上に衝撃的だったなぁ。なんせ「女王陛下のピチカート・ファイヴ」ですよ。こんなタイトルありえなかったもの。「オードリィ・ヘプバーンの休日」なんて曲からアルバムはスタート。デビュー曲「オードリィ・ヘプバーン・コンプレックス」を思い出すしかないこの曲に続いて「新ベリッシマ」。これにはマイった。前作「ベリッシマ」の歌詞からの引用、再構築で、あのある種真面目で神聖なアルバムを自ら笑い飛ばし、おちょくるかのようなロックナンバー(激シブなギターは花田裕之!)。小西康陽という人は、とんでもない天才だ!と、この曲ではっきりとわかった。でこのアルバム、小西、高浪、田島の3人が3人ともそれぞれの芸風で素晴らしい名曲を書いてて、その一曲、一曲のクオリティの高さにも驚かされる。小西作「恋のテレビジョン・エイジ」のキュートなポップセンスとクールな詞。「TVはついてるけど/死にたくなるほど/ふたりはいつも退屈/愛してるのにね」というこの視線、この感じ・・たまらない。野宮真貴が初参加した「衛星中継」も実にキュート。この曲で描かれる世界、05年に感じるのは、これはまるでインターネットの世界を唄ったみたいじゃないかということ。これは今日の新しい発見。田島貴男は「リップ・サービス」「トップ・シークレット」とエロティックなソウルミュージックを決め、オリジナルラヴでも歌い継がれる傑作「夜をぶっとばせ」で完璧なポップミュージックを披露。そして高浪敬太郎作が実にいい味わいがあるのだ。「バナナの皮」は小西-高浪コンビの最高傑作だと思う。そして「ホームシック・ブルース」でのピースフル・シンガーソングライターぶり。現在は裏方仕事が主な高浪氏だが、ソロアルバムを切望する。今こそシンガーソングライターとして「いい曲」を聴かせて欲しい。とにかくこれもまた捨て曲無し。でも89年、このセンスは桁外れに突出していた。日本だけじゃなくて世界的にも。この数年後、ピチカートは世界中を巻き込む怒涛の展開を見せるのだが、その最初の一歩。「カップルズ」も「ベリッシマ」も大好きだったけど、ピチカートってホントはこんなバンドだったんだと一皮向けた印象を持ったし、一生ついて行こうと心に決めた。うん、そうだな狂った。このアルバムには狂った。