日々の泡。

popholic diary

2021年10月23日~29日の話。

2021/10/23

休日。今日は地元の映画館、ユナイテッドシネマ大津でリドリー・スコット監督「最後の決闘裁判」を観る。騎士カルージュの妻マルグリットは夫の旧友ル・グリに乱暴されたと訴える。無罪を主張するル・グリ。その判決はカルージュとル・グリの命を懸けた決闘裁判にゆだねられる。それぞれの真実が三者の視点で描かれる堂々たる大映画。主演も兼ねるマット・デイモンと助演でいやーな男を演じるベン・アフレックが脚本。80歳を越えるリドリー・スコット監督の円熟味がありながら切れ味鋭い演出。見応えありっ!マルグリット役のジュディ・カマー、どこかで観た顔だと思ったら「フリーガイ」のヒロインだった女優さんか。要注目!そしてもちろんアダム・ドライバーがいい。アダム・ドライバーに外れ無し状態。で物語に戻るが時代は中世フランスなれど、その問題意識は現代に通じる。最も傷つけられた者が、最も好奇の目に晒され、さらに傷を負う。その図式は今も変わっていない、なんなら今の方がひどいかもしれない。政権に近いというだけで犯罪者が無罪放免になるような国が今もある。

帰宅して年に一度のコロッケ作り。秋になると毎年、北海道のじゃがいもを箱で買うのだが、それを使って。じゃがいもをゆでて、炒めたひき肉と玉ねぎを混ぜ合わせてたっぷりと。毎度手間がかかるから大変だけど、子供の頃から母が手作りしてくれる俵型コロッケが大好きだった。ウスターソースをたっぷりかけて食べるのだ。それを再現すべく、一人台所で黙々と。パン粉をつけたところで半分は冷凍。揚げたてのコロッケにキャベツの千切りを添えて、ソースをたっぷりかけて家族で食べる。

選挙前だからというわけでもないが水道橋博士さんのYouTube「博士の異常な対談」藤井聡さん編を観る。経済学部出身ながら最も苦手なのが経済。頓珍漢で門外漢な分野ながら、これはわかりやすい。そうなんだよ、金刷ればいいんだよ。世界中から取り残され貧困にあえいでる国なんだから、世界の成功例を参考に考えればいいだけのことじゃないか。経済音痴でお友達ばかりを優遇する政権のせいで、景気は全く良くならない。給料は上がらず、実際俺の小遣いは年々下がる一方だ。今こそ金を刷って配れよ。

と俺なんか思うんだけど、映画「パラサイト」の半地下の住人のようにリスペクトと叫びながら、自分たちを格差の下に追いやる政権を支持する人が多いのが全く理解できない。

2021/10/24

昼は昨日のひき肉の残りでミートソース。ボロネーゼなんていいものじゃなくてスパゲッティミートソース。味付けはケチャップ!の潔さ。美味しい。

アマプラでチャン・ギュソン監督「幼い依頼人」を観る。継母から虐待をうける幼い姉弟。ついには亡くなってしまう弟。被疑者とされたのは激しい虐待を受けていた10歳の姉ダビンだった。児童福祉館で二人と出会った弁護士ジョンヨブは事件の真相に迫る。小悪人からコメディリリーフまで、数々の映画でいい味出してたイ・ドンフィが初主演。最初は二人に関わることに消極的だった男が、法の死角で行われる児童虐待の事実を目の当たりにし、目覚めていく。実話を基にした社会派作で、映画によって弱者に手を差し伸べようとする韓国映画らしい作品。じっくりと見入った。

YouTube「街録ch」で水道橋博士さんと元オウム真理教・上祐氏との対談を。オウムが起こした地下鉄サリン事件。何の罪もない人々を苦しめ殺したひどい犯罪事件だ。上祐氏は当時オウム真理教のスポークスマンとしてメディアに出てはどれだけのことを言い、どれだけ人々を惑わせたか。僕もその姿をはっきりと覚えてる。いくらオウムと離れたからと言っても、いまだに「宗教」に関わっていることに疑問を持つ。宗教に生活を頼るなよ、地道に働けよとも思う。博士さんは言葉が持つ力をよく知っている人だ。だから上祐氏に流暢な言葉で、いい感じに事件を総括させることを決して良しとはしない。あの酷い事件を過去の過ちだと当事者に簡単には語らせてはいけないのだ。生々しい傷跡がまだそこかしこに残っているんだから。

2021/10/25

数か月ぶりに大阪営業へ。西梅田の地下街も久しぶり。いくつかの飲食店はもう潰れてなかった。遅い昼飯は「松のや」でロースかつ定食。特製ソースと中農ソースのWがけ!行き帰りの電車では「ホンモノラジオ」に「東京ポッド許可局」。

2021/10/26

radikoタイムフリーで「TOKYO SPEAKEASY」で水道橋博士さん×江口寿史先生。先週の「アサヤン」に続いて二人の対話。江口先生がレギュラーを務めていた「のるそる」は当時よく聴いていた。江口先生の選曲はまさにツボ。そりゃそうだ。江口先生が漫画の欄外やコミックスのおまけコーナーなんかで紹介していたアーティストを参考に音楽を聴き始めたんだから。今でも大好きなムーンライダーズの名前を初めて知ったのも江口先生からだし。「のるそる」でShi-Shonenの「手編みの天使」をかけてたのにひどく感激した覚えがある。Shi-Shonenは決してメジャーなバンドでもなかったし、その曲は当時から見ても数年前のミニアルバムに収められた小さな一曲。誰が知ってんだよというその曲を僕は大好きだった。江口先生もShi-Shonen好きなんだと本当にうれしく思った。

2021/10/27

朝ドラ「おかえりモネ」も今週で終了。ここにきてもまだまだぶっこんでくるなー。"明るく元気"じゃない主人公は朝ドラらしくないかもしれないけど、僕ぁ好きだなぁ。2018年に放送された同じ安達奈緒子脚本、清原果耶主演のNHKドラマ「透明なゆりかご」は今まで見てきたドラマの中でもベスト級に好き。その中でも蒔田彩珠がゲスト出演した回は傑作中の傑作で忘れがたき作品。ということもあり、この座組には相当期待していたが、しっかり期待に応えてくれるいい作品だった。清原果耶の慈悲深い眼差し、まるで菩薩様のようで毎朝手を合わせてみているよ。

ピチカート・ファイヴ高浪慶太郎さんがゲスト出演した萩原健太さんの「otonanoラジオ」を聴く。現在は地元の長崎で活動する高浪さん。初期ピチカートに高浪さんが果たした役割は大きい。僕は小西康陽さんの大ファンでもあるのだけれど、例えばピチカートの「カップルズ」に収録された高浪さん作曲の「皆、笑った」なんてもう何百回聴いたかわからない。高浪さんが生み出すソフトで洒落てて、どこか人懐っこいメロディ。そのメロディにどれだけ救われ、幸せにしてもらったことか。高浪さんとは昔なんどかメールのやり取りをしたことがある。2008年、高浪さんのユニット「arcorhyme」がアルバムをリリースした時、大阪でインストアライブがあった。残念ながらお客さんはわずかでサイン会に並んだのは僕を含めたった2人。これは応援しなければと局の制作スタッフに掛け合い楽曲やコメントのONAIRに動いた。その時にコメントのデータを送ってもらったり何度かやりとりをしたのだ。もちろんリッピサービスだろうけど「ONOさんに会えただけでも大阪に行ったかいがありました」と言葉を頂いたことはファンとして感無量だった。

インストアライブに行った日(2008年2月2日)の日記↓

popholic.hatenablog.com

KBS京都ラジオの70周年番組「こせんさん」こと岩崎正美さんゲスト回をradikoで。こせんさんはKBSの名物ディレクターだった人。深夜番組「ハイヤング京都」で桂文珍さんや島田紳助さんと丁々発止のおしゃべりを繰り広げるディレクターとしてこせんさんは大人気だった。僕もどれだけポケットラジオで聞いたものか。後々、自分がラジオディレクターになった時、あんな風にしゃべりながらディレクションするなんてどんな技7だよと驚愕したもんだ。まだ何物でもなかった笑福亭鶴瓶やしきたかじんとともにラジオを作った日々。こせんさんが語る綺羅星のごとく輝くスターたちとのラジオデイズにしばし耳を傾ける。僕がラジオを好きになった一つの要因はまちがいなくこせんさんの存在があるな。

2021/10/29

「おかえりモネ」最終回。ポイントポイントで「何年何月」と刻印してきたドラマ。最終週は「2020年1月」でコロナ禍直前の物語だった。そして最終回のラストシーン、時代は現在を軽々と越えて未来を提示して見せた。長い歳月をかけて紡いできた物語、主人公モネならきっとコロナという大きな困難をも乗り越えるはず。だからこの描かれた未来にも説得力がある。

 

今週聴いていた音楽は

  • 「NOTATE」Han Hee Jung
  • 「THE HEARTS」山下久美子
  • 「Monthly Project 2018」Yoon Jong Shin
  • 「In Everyday Matters」Rollercoaster
  • 「はじまるふたり」さいとうまりな